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9話

 




 院長




 子供達も大分成長してきたわい。特にクレハは綺麗になったの。まあ、クレハは既に伯爵様がお買い上げになられる事が決定しておるし、手は出せないんじゃがな。


「院長」


「エメリナか。クレハは戻ったか? クレハの引取り先が決まっておって、早く引き渡せと言って来ておるのじゃが」


「いえ、クレハは戻って来ませんよ」


「なじゃとっ!! どういう事じゃっ!!」


「なんでも卒業試験に合格して、卒業証書を貰ったらその場で下山して行ったそうです。それも1人で」


 これは不味い事になって来たぞっ!!

 アヤツは昔から妙に感が良かったが、まさか気づきおったのかっ!!


「どうにか呼び寄せる事は出来んのか!!」


「無理ですね。それに別に問題ないじゃないですか。クレハあちらで見つけた宝物を売却して孤児院に寄付してくれました。その金額は150万ですよ」


「そんなにかっ!!」


 これは嬉しい…………いや、伯爵の機嫌を損ねる方が不味いわい。卒業試験で死亡扱いにすれば…………いや、問い合わされたら終わりじゃ。


「行き先はわからんのかの?」


「不明ですね。赤い髪の毛をした子は余りいませんが、そもそも探す理由も有りませんよ。クレハは子供達が負っている負債を全てこの代金で完済しておりますし」


「おい、まさか既に手続きしたんじゃ…………」


「ええ、当然です。このお金を受け取った時にしておきました。クレハが今まで使った16万Rは全て引かせて貰いました。残りの金額は孤児院の修繕費に回させて貰いました。こちらも処理済みです」


「そっ、そうか…………」


 いらぬ事をしおってからに…………くそ、この金も使えんでは無いか!!


「儂は少し出かけてくる」


「はい。孤児院はおまかせください」


「帰ったら相手をしろっ!!」


「はい」


 エメリナに命令して、儂は手土産に子供を1人連れて、伯爵の元へと出かけた。







 クレハ






 朝起きて、朝ごはん前に体操で身体を解してから、裸足で砂浜をランニングする。もちろん、魔力操作で肉体に負荷をかけてだ。


「おはようございます」


 浜辺で仕事をしているおじさんやおばちゃんに挨拶する。


「おはよう。見ない顔だけど、どこの子だい?」


「昨日、この村に来た新米の冒険者です」


「ああ、ハンターの子かい」


 ハンターというのは冒険者の前身だ。今でも冒険者をさしてハンターという人がいる。そもそも、冒険者はハンターギルド、傭兵ギルド、探索者ギルドが合併して出来たギルドらしい。だから、ハンターでも間違っていない。冒険者ギルドの中でもその3つに大まかに分類されている人達がいる。といっても、新人はオールランダーを目指すように言われるけどね。パーティーも3種類の人達がいる方が、いろんな仕事を受けられて良いと言われている。


「多分、ハンターと探索者方面になると思うよ」


「そうかい、がんばんな」


「うん」


 足踏みから走る事を再開して、500メートルくらいある砂浜を10往復する。その後、ティルヴィングを呼び出して、素振りを行う。


「1、2、3、4、5、6、7…………」


 教わった型を6個、100回5セットこなす。それが終わったら、射撃訓練だ。的は海の魚を狙って居る鳥だ。ただ、村から離れて行う。100発くらい撃って、19羽落とせた。それらを回収して血抜きをしてから宿に戻る。


「おばさん、これ願い」


「なんだい?」


「鳥」


 ブリスを19羽、四次元ポーチから取り出して渡す。


「多いわね…………シェアーから聞いたけど、アンタ、ここに住むのかい?」


「その予定だよ。少なくとも来年の冬を超えるまでは絶対に居ると思うかな」


「なら、これ小分けしてやるから、手土産にして挨拶周りしてきな。それだけで随分違うからね」


「ん。わかった。ありがと~」


「気にしなさんな。アンタ、料理出来ないでしょ」


「はっ、はっ、はっ、出来ると思うじぇ~~?」


 たぶんきっと。唐揚げとか食べたいな~~。


「嘘くさいわね」


「あっ、お米って有るの?」


 砂版に書いて説明する。


「こっちの稲って奴みたいのなら、森の中に群生しているはずだよ。何に使うかは知らないけどね」


「マジで! 詳しい場所教えて!!」


「アタシは知らないよ。冒険者の連中…………いや、ギルドに聞いたらわかるんじゃないかい?」


「お~~その通りだね。ありがと~」


「これぐらいいいさ。それより、御飯だろ。流石に直ぐにブリス鳥を使った料理は出せないけど、今日の食費は全部タダにしてやるよ」


「やったね!」


 おばさんから食券を貰って、食堂に行く。そこで昨日の子が働いていた。


「おはようや」


「おはよ~はい、これ」


「食券やね。パンとスープは確定してるけど、後一品つくんや。サラダか肉、どっちがええ?」


「ん~~サラダで」


 肉は悩むけど、別に夕飯に食べられるからいらないや。栄養バランスも考えないとね。


「大盛りも出来るで」


「大盛りでお願い」


「女の子やと大盛やと結構多いけど、大丈夫? 体重とか…………」


「朝をしっかり食べて、夜を少なくする派だから平気」


「成程、その手があったか…………了解や。直ぐに持ってくるで」


「うん。お願い~」


 席に座って待ってると、山盛りのサラダと10センチくらいのパンが2個。大きめの皿に入ったスープが運ばれて来た。周りを見ると、男性の人は同じようなメニューを頼んでいるけど、女の人は少ないのを選んでいる。


「ほな、ごゆっくり~」


「ありがと」


 パンをスープに付けて、両手で持ってハムハムと食べて行く。サラダには塩で軽く味付けされていた。





 食事を終えたら、鍵を預ける。


「ほら、これで挨拶周りしてきな」


「うん」


 袋詰めされたブリス肉を受け取って、ポーチに仕舞う。それから、外に出て挨拶周りをしつつ、今日の予定をこなして行く。今日の予定…………それはベットなどの家具を購入する事だ。

 そんな訳で、雑貨屋に乱入する。鍛冶屋や船屋とかは有るんだけど、家具屋は無い。


「お邪魔するじぇ~~」


「邪魔するなら帰りな」


「客商売だよね!」


「邪魔する奴は客じゃねえ」


「ごもっとも」


 調子こいたら、突っ込まれたや。ちょっとぞんざいに扱われるのは嫌な気がする。昨日は非道い事したかな?

 でもま、どんな性格かだいたいわかった。


「まあ、お客さんなので普通の対応をお願いするよ」


「はいはい。それでお嬢ちゃんは何の用なんだい?」


 20代の若い男性がこちらを見てくる。


「えっと、まずこれ上げる。挨拶周り」


「中身を見ても?」


「どうぞ」


「ふむ。ブリス鳥か。ありがとう。美味しくいただくよ。それで、本題は?」


「2日後までベットが欲しいんだよね。それも柔らかくて良い奴が良いんだけど…………」


「ベットは基本的に作って貰えるが、良い物となると取り寄せだな。固くて良いのなら、この村でも用意出来るけど…………」


 さて、どうするか…………いっそ作るか。


「じゃあ、普通のベットでいいよ。ただ、左右の高さを余分に高くして欲しい。こんな感じで」


「わかった。特注になるから5000Rだ」


「それと、布の袋が欲しい。布団も」


「ああ、わかった」


 代金を支払って、品物を貰う。それから、宿に帰っておばちゃんから余ってるはずの物を捨てる前に返して貰った。それだけじゃ数が足りないから、狩りに出る。その日と次の日も狩りに出て、目的の物が出来た。そして、次の日に家が完成したと報告を受けた。どうやら、あの日直ぐに取り掛かる事ができるわけでは無いので、次の日からだったみたいだ。どちらにしろ、我が家が出来た。










【ステータス】

 Name:クレハ

 Class1:魔導技師Lv.1

 Class2:戦術家Lv.3

 Class3:魔導師Lv.1

 HP:200/200

 MP:400/400

 Str:20

 Agi:20

 Vit:20

 Int:10+40

 Dex:30+40

 Luk:20

【パッシブスキル】

 《魔導知識Lv.1》《戦術眼Lv.2》《部隊運用Lv.1》《魔力回復(小)Lv.1》《魔力操作Lv.2》《分割思考Lv.2》《戦闘の才能Lv.MAX》《天賦の才Lv.MAX》《獲得経験値上昇Lv.MAX》《老化遅延Lv.MAX》《寿命増加Lv.1》《第六感Lv.2》《体力回復(中)Lv.1》《魔力回復(中)Lv.2》《体術Lv.2》《剣術Lv.1》《魔術Lv.1》《射撃Lv.2》《火属性魔法適性Lv.MAX》

【アクティブスキル】

 《魔導器召喚Lv.MAX》《魔導器生産Lv.1》《火属性魔法Lv.1》

【装備】

 ティルヴィング(剣、封印)

 ステンノ(銃、封印)

 エウリュアレ(銃、封印)

 七色の断罪者セット

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