41話
レベルを追加で上げました。ステータスが高くなっております
村の内部での雪かきが終わり、次の日にはギルドから街道の雪を退ける仕事を依頼された。これから世話になるので断る訳にも行かず、レティシアと共に参加したのだ。
そして、現在。アデール村の入口で集まって居る。
「そういえば…………御二人はパーティー登録して無いですけど大丈夫ですか? 登録すればパーティー専用クエストが請けられますし、普通のクエストもパーティーでの達成となります。依頼も基本的にはパーティーメンバーの一番高いランクで大丈夫よ。ただ、パーティー専用クエストはランクの平均になるからね」
システム的にはしていても、ギルド的にはパーティーを組んでいなかったか。一応、登録した方が良いのか。
「んーそういえばしてなかったし、お願いします」
俺はFランク。レティシアがGランクだし、Fの依頼が受けられるのはありがたい。実際はもっと上でもいけるのだけれど。
「はい。では、手続きをしておきますね。今回の仕事もちゃんと個人ではなく、パーティーとして入りますから、安心してください。それと、名前を決めておいてくださいね。さて、お仕事の話ですが、街道の雪を撤去する簡単なお仕事なのですが、獣や魔物が現れる場合もございますので、お気を付けください。新年が明けましたので、今日から討伐や護衛も受けられるようになります。ですが、現れた場合は自分達だけで倒そうとせず、くれぐれも護衛の人達と一緒に倒してくださいね。毎年、ギルド全体で数十人が死んでいますから」
シェアーさんが手早く手続きをしてくれたのは良いのだけど、釘を刺された。でもさー、ぶっちゃけ平気なんだよね。俺とレティシアの実力なら、多分ソロでも平気だ。だって、レティシアは格闘家と魔導師の合計が既に40レベルを超えているし、俺はサードジョブの合計が59レベルなので、問題無い。
「気を付けるねー」
「はぁー絶対に自分達だけで狩りますね。まあ一応、訓練所を卒業していますから、大丈夫だとは思いますが…………」
俺はレティシアの待つ場所へと向かい、お仕事へと向かった。
ヘイゼル
私は現在、伯爵が用意した調査班が目標の所在を確認したと連絡を受けて、他の団員達と共に団長の話しを聞きに真紅の牙が裏で経営している酒場に居る。
「目標の現在地はアデール村だと思われる。冒険者ギルドの登録情報がアデール村から送られていたそうだ。冬の訪れが近い為、そのまま村に留まっていると考えられる」
冒険者ギルドから情報を取ってきたか。まあ、どこも賄賂でどうとでもなるという事か。全く、人間の住む大陸に来てからというもの、飽くなき欲望が私の力を増大させてくれる。
「目標の確認と確保する為に人員を派遣する。派遣するのはアドリアーノとオリガだ」
「了解」
「手段の制限は?」
アドリアーノが肯定し、オリガが詳しい内容を聞いて来た。この2人はペアで、オリガが女性の剣士。アドリアーノが魔物使いだ。二人共、62レベルの剣士と67レベルの魔物使いで優秀では有る。
「目標を発見出来たら好きな様にして構わん。確保出来んでも威力偵察ぐらいはしてこい」
「わかりました」
「では、行け。他の奴らは訓練だ。ヘイゼルは残れ」
「「はっ」」
オリガとアドリアーノ達、他の団員が部屋から出て行く。私は言われた通りにこの場に残った。
「さて、ヘイゼル。お前はオリガとアドリアーノの監視をしろ。奴らは前回の任務で失敗しただけでなく、団の情報を外部に漏らした可能性が有る。対象は既に消しているが、またあの2人から漏れるかも知れん。任務が終了次第、消せ。情報はお前が持ち帰って来い。これが前金だ」
「了解。それじゃあ、行ってくる」
私は投げられた袋を受け取り、中身の金貨を一瞥した後、部屋を出てアドリアーノとオリガを探して追う。幸い、2人は準備に手間取っているようだ。
流石に冬を超えたとはいえ、準備を整えないと普通は死ぬ事になる。私も準備をする。セーターを着て赤いコートを羽織る。前はしっかりと止める。ズボンは何時もの黒だ。上の赤いコートは返り血を浴びても問題無い様にしてある。そして、首には口元を覆い隠せる程、長く大きい黒いマフラーを巻く。
このマフラーと赤いコートは特別製だ。何せ上級悪魔の秘蔵コレクションだった物だ。
マフラーは毒を完全に無効化し、その他の状態異常にも耐性が有る。なにより、力は下がるが悪魔の気配を隠蔽し、光に対する耐性すらくれるのだから。
コートは対物対魔共に優れて、裾が刃になったり、自動で防御してくれる。自動防御はマフラーにも付いているが。
「ん。動くみたいだな」
「主よ、俺の出番は有りやがりますか?」
屋根の上で監視していると、私の横ににじみ出るようにして、一人…………いや、一匹の悪魔が現れる。そいつの姿は私の良く知る存在だ。
髪の毛の色は青みの掛かった銀色で、赤い瞳。黒色と金色で装飾されたローブのようなフード付きケープを着て居るが、頭から生えた角が貫通している。それ以外の服装は水着のパレオの様な物で、下は布を捲いていて、胸はまんまビキニみたいな物だ。
こいつの名前はジル。本名はジルニトラだ。私の使い魔である黒い竜が人の姿になっただけだ。
「さぁな。あの2人なら後で食わせてやる」
「いらねえでありますよ。主と違って、こっちは主の魔力で充分なのでありますよ」
「そうか。しかし、寒くないのか?」
「まさか、この程度は全然平気でありますよ。それより…………」
「ああ、私達も行こうか」
アドリアーノとオリガに密かに付いて行く。この依頼、さっさと連中を殺しても問題無いが、その後の仕事を私がする羽目になる。泳がす方が得策だ。
アドリアーノとオリガは森の中をソリに乗って、進んでいる。ソリを引っ張るのは使役しているスノーウルフの上位種である氷属性の毛皮を持つコールドウルフだ。コールドウルフが通った道は氷で覆われている。
「で、どうするの?」
「目標は威力偵察だから。村諸共襲って目的の小娘以外滅ぼす。スノーウルフを呼び出せ」
「ワゥウウウウウウウウウウゥ!!!」
コールドウルフが遠吠えを上げると、広範囲に存在する山々からスーノーウルフが配下のウルフを連れて現れる。そのウルフが更に配下の野犬を連れて現れる。遠吠えから瞬く間に数を増やしてアデール村へと向かっていく。
「どうやら、面白い事になりやがりますね」
「ああ。さて、どうでるか…………高みの見物とさせて貰おう」
私自身が相手する必要が有る程の存在ならば、それはそれで面白い。
探知系魔法をフルに使いながら作業をしているので、どんどん掘っていける。人目も有るので軽くしか魔法は使っていない。それでも、結構捗っていた。だが、それも直ぐに事情が変わった。
「レティ、不味い」
「どうしたんや?」
「1.2キロ先に大量の野犬と狼の反応が有る。それも、わからない奴まで多い。どっちにしろ、このままじゃ不味い。アデール村の方へ向かっているし」
「どないする?」
「これは報告するしかない。行くよ」
「大丈夫なん?」
「足止めは送っておく。とびっきりのね」
「くっくく、ソレを足止めに使うとか、クレハもえぐい事するんやね。それじゃ、うちのフロートボードでさっさと行くで」
「おい」
俺は俺が出したモンスターカードを見て笑った、レティシアにお姫様抱っこされてしまった。
「ほら、急がなあかんで」
「ちっ」
恥ずかしいのを我慢しつつ、召喚してお願いをしておいた。それから、怠い身体を我慢してマジックポーションを飲みつつ、レティシアに運んでもらった。両手が空く分、これはこれで良かったのかも知れないが、やっぱり、恥ずかしくて嫌だ。




