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14話

日曜日は忙しかったですので、投稿できませんでした。申し訳ございません。

今回は伯爵側です。

 





 ラセルナ伯爵城




 そこはこの地方を治めている貴族の城。欲しい物は全て力ずくで手に入れているラセルナ伯爵のだ。その城の一室で、ラセルナ伯爵へ孤児院の院長が膝を付いてクレハの事を説明していた。でっぷりと豚のように肥え太ったラセルナ伯爵はベットに座り、その股間には首輪を着けた裸の女性が蹲っている。ベットや床にも似た姿をした女性が倒れている。そして、部屋の扉には黒い外套を身に纏い、帯剣している男がいる。


「つまり、貴様はあの小娘を寄越す事が出来ないと?」


「そっ、その通りでございます…………もはや、私めの手を離れて、どこにいるかもわからない有様でございます」


 平伏して報告する院長の嗄れた声といやらしく響く水音が響く。ラセルナ伯爵は奉仕させている女の子の頭を激しく揺さぶる。今、奉仕させている女の子は孤児院から連れて来た子だ。彼女は泣きながら殺されない為に一生懸命奉仕している。


「ふん。まあ、こいつを貰ったから良しとしてやる。だが、次は無いぞ」


「ははっ!!」


「それと、あの小娘に関してはこちらの好きにして構わんな?」


「それはもちろんでございます。もはや、私共の物ではございませんので、どうぞ伯爵様のお好きになさってくださいませ」


「うむ。それじゃあ、これから楽しむ。お前は帰れ」


「はっ!!」


 院長は立ち上がって、急いで扉へと向かう。扉は男によって開かれた。そして、残ったのはラセルナ伯爵とその護衛であろう男。そして、生贄となった少女だけだ。


「始末しないでよろしいので?」


「構わん。奴にはこれからもどんどん玩具を提供して貰うのだ。それに有る程度は優秀だ。いざとなれば切り捨てれば良いだけでもある」


「了解しました。それで、逃げた小娘はどうしますか?」


 護衛の男はなんの感慨も見せず、質問する。


「もちろん、捕らえる。それに、一度自由を知った鳥を捕らえて陵辱して壊すのも一興だ」


「成程。それはさぞ面白そうですね。ただ、今から探すとなると、雪に閉ざされるので最短でも冬を超える事になりますが、よろしいですか? その間に死んでしまうかも知れませんし、他の男に取られている場合も有ります。」


 護衛の男の考えはこの辺りでは普通の事だ。気温が引くくなり、まず外では生きられない。つまり、冬には寝床と食料、薪の貯蓄が必須だ。そして、宿に連覇するにしてもお金がかかりすぎる為に初心者である少女にはおそらく無理であろう。大概の卒業生は冬の開けた春から冒険者を始める。それまでは親元などの保護者などに保護される事になる。冒険者ギルドが貸し出ししている格安の部屋も有るには有るが、どこの冒険者ギルドも溢れる状況になっている。伝も何もない小娘では生活すら難しい。身体を売れば別かも知れないが。


「問題無い」


「何故ですか?」


「あの小娘は生まれながら神に祝福された存在だ」


「根拠は?」


「もちろんある。アレを見たら驚くぞ。あの小娘…………クレハといったか、あ奴はサードジョブ…………3つのクラスを所持している。それも村人なんかではなく、魔導技師と戦術家、魔導師というな」


 ラセルナ伯爵はクレハの所持しているクラスを全て知っていた。


「俄かに信じられませんが、伯爵の言葉なら事実でしょう。しかし、幼い身で既にクラスを身につけている上に3つですか…………どれだけ神に恵まれているのやら…………」


 最初からクラスを所持している存在は1万人に1人だ。そして、セカンドジョブを持っている存在は1000万人に1人。ましてやサードジョブなど数十年単位で存在するかどうかの存在だ。そして、更にクレハは魔力を所持している。この世界で魔力持ちが産まれるのは1000人に1人。その中で魔術師になれるのは100人くらいだ。残りの900人も簡単な肉体強化などの魔術が出来るが、ここぞという時くらいしか使え無い。つまり、クレハの存在は護衛の男にとって、サードジョブでありながら魔術職、それも生産職に付ける程の魔力資質を所持しているのは有り得ない事だった。


「驚くのも無理は無いが、召喚魔法師になる可能性もあるぞ。それにそんな存在はここ数年で確認例が多い」


「グラムベルグの勇者や、リスティア教国の聖女ですか」


「ああ。連中はセカンドジョブだったがな。他にも何人かいるみたいだ。だから、あの小娘は絶対に手に入れるぞ。徹底的に嬲って調教し、隷属させて俺の力にする。せっかくの使えそうな魔導技師だ。単純な戦力強化だけでなく、部下全員に簡単に使える魔導器が手に入るのだからな」


 魔術を使う人間は強力で強く、戦力になるが数が揃えにくい。それに対して魔導器を持つ存在は微かな起動させるだけの魔力が有れば魔術師並に働く事が出来る。それは作った存在に比例する力では有るものの、コストこそかかるが数の少ない魔術師を集めるよりは格段に揃えやすいのだ。


「了解しました。では、確保には質の良い連中をあたらせます」


「ああ、真紅の牙共を派遣しておけ」


「よろしいので? たかが小娘に連中を差し向けるなど勿体無いと思いますが」


 真紅の牙とは、ラセルナ伯爵お抱えの私兵団で、その構成員の実力は全員がレベル20を超え、中には40レベルの存在も居る。その為、この辺りではかなりの実力ある連中だった。ギルドでも20で中級クラスで、40ともなれば上級クラスの存在だ。そんな連中を小娘1人に差し向けるのは狂気の沙汰だ。


「構わん。確実に五体満足…………いや、足は無くても構わんから、生きて捕えるように命令しろ」


「では、見つけ次第、命令します」


「ああ。それじゃあ、俺は楽しむ。お前は何時も通りに頼むぞ」


「はっ」


 そして、男は出ていき、部屋からは女の子の悲鳴が上がる。それは数時もの間続いた。







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