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10話

 






 前世から含んで念願の一戸建て我が家が俺の目の前に有る。既にベットも運び込んである。木の匂いもいい感じだ。


「要望の有ったお風呂もあるけど、水を汲んで来ないといけないからね」


「ちなみに水場は?」


「井戸まで遠いから、川から組む事になるかしら」


「値段が安かったのって、それも有ったの?」


「もちろん。でも、魔術使えるなら問題ないわよ」


 くっ、してやられた!!

 別に良いけどね。


「わかった。ありがとう」


「それじゃあ、こちらにサインをお願いね」


「うん」


 出された書類に受け取りのサインを書く。他にも色々と購入して追加したりしたからお金がかなり減っている。


「それじゃあ、またね」


「また~」


 シェアーさんが帰って行ったので、俺は改めて2階に有る寝室へと向かう。そしてベットに羽毛で作ったクッションを敷き詰めた大きめの袋をベットの溝に入れる。これで枕と羽毛布団で完成だ。


「ふかふか~~~」


 ベットにダイブしてゴロゴロした後、そのまま眠る。



 お腹が減って起きたら周りは暗くなっていた。かなりの時間が立っているみたいだ。取りあえず、家のランプに魔術で火を灯していく。


「食事作らなきゃ…………」


 台所の裏手から薪を持ってくる。そして、竈に薪を入れて魔術で火を付ける。大きめの鉄鍋に高かった油をたっぷりと入れる。その間に昨日、塩水で漬けておいた鶏肉を一口サイズに捌いて、小麦粉にまぶして行く。


「だいたいこんな感じかな~~?」


 火の魔法適正の御蔭で温度を大まかに測る事が出来たので、鶏肉を投入。片栗粉ではなく、小麦粉なので、焦げないように注意して揚げていく。その間に他の準備もする。鉄の網を用意して、油を入れて置く坪に蓋替わりに網を設置。そこに揚がった唐揚げを置いていく。ブリス鳥6羽分くらい揚げて行く。揚がった唐揚げは購入しておいた串に刺して、6個で1本の奴を10本ずつ用意してワンセットにしておく。


「ん~やっぱり醤油が欲しいな~~」


 食べながら揚げていると、思うのだけど醤油と米が欲しい。後、胡椒もだけど。どちらにしろ、胡椒はかなり高いし、稲はあるみたいだから採取に行かないといけない。


「家庭菜園でも作るか~~?」


 それも有りだと思ってしまう。でも今は、当分の保存食は出来たので良しとする。アイテムストレージは基本的に時が緩やかに進むので問題無い。


「さて、ちょっと海に行くか」


 つまみ食いでご飯を終わらせて、海へと向かう。既につまみ食いでは無いけど気にしない。



 家から出て、すぐ近くに有る浜辺で、四角い鉄製の容器を用意する。そして、ソナーで人がいない事を確認する。


「さて、ちょっくら派手に行きますか」


 水の魔術で海水を大量に巻き上げる。それらにを精密操作で海藻や砂を排除していく。魔力操作でかなり精密操作が出来るのは助かる。不純物が消えたら四角い容器の上で火の魔術…………いや、火の魔法で作ったファイヤーボールを水の中に叩き込む。すると、一瞬で水分が蒸発してパラパラと白い砂が容器の中に落ちてくる。


「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ」


 魔力消費量が半端なかった。でも、白い砂を舐めてみるとしょっぱい。うん、塩が出来た。それも大量に。それらを壺に入れて行く。この作業は魔力消費には持って来いだろう。


「ん?」


 塩を作ったからか、いつの間にか出ていたアイテム制作クエストが達成されていた。達成報酬はアイテム制作道具カードになっていた。なので、魔導器生産にいる道具を選んだ。それは家の一室にセットして、工房を作った。どうやら、このクエストは生産系の為に与えられたプレゼントのようだ。最低限、問題無い設備が手に入った。


「これはもう…………作るしかない」


 早速、工房に篭って魔導器生産を行う。作るのは当然、遠隔操作浮遊式小型魔導砲だ。といっても、レベル2で作れるはずも無い。だが、こっちとら課金アイテムのチートがある。

 先ず、居るのは高純度の火属性魔法結晶。コイツの作成方法は簡単だ。魔力結晶に火属性魔法適正を手に入れて覚えられる火属性魔法を持つ術者が魔力を込め続けると作れる。今回の場合は2個だけ高純度の魔力結晶を持っているので、それに火属性魔法を意識して込めるだけで良い。イメージはレーザーにしておく。

 4時間かけて魔力結晶の魔力を火属性に変換完了した。


「ふぅ~~」


 マジックポイントポーションを使いながら何とか作っていく。それでも、かなり疲れたので、戸締りをしてベットで眠る。




 起きたら朝になっていたので、いつもの通りに体操からランニングとメニューをこなして行く。そして、それが終わったらおばちゃんの宿屋に朝食を食べに行く。


「おはよ~」


「おはようさん。昨日は泊まらなかったけど、大丈夫だったかい?」


「うん。家が出来たらからそっちに泊まったよ。ここには朝御飯を食べに来たの。それと、商談が有るんだけど、良いかな?」


「商談? なんだい?」


「これを使ってみない?」


 塩の入った壺を取り出して、中身の塩を小分けして取り出して渡す。


「なんだい、この白い砂みたいなのは?」


「塩だよ。舐めてみて」


「どれ…………っ!? 確かにこれは塩だね。いくらしたんだい?」


「仕入れ値は秘密でも、岩塩より安いよ。そうだね、岩塩の10分の1の値段と毎日朝食を無料にしてくれるので良いから、どう?」


「その壺が全部塩かい?」


「うん。全部塩だよ」


「いいよ。その話しに乗ってやろうじゃないか」


「ありがと」


 これで朝食はどうにかなる。他にも塩を作ったら売りに行こう。


「でも、出来ればその値段で他の人達にも売ってあげてくれないかい? 冬越しに塩は結構いるんだよ」


「わかった。雑貨屋に売る事にするよ」


「よろしく。これが食券だよ」


 おばちゃんから纏められた食券を貰った。その後は食事をしたのだけれど、あの子がいなかった。



 家に戻ったら昨日の続きをする。火属性魔力結晶が出来たので、土台となるパーツなどを作成していく。これは魔導器生産のレシピで登録されているからスキルが勝手に作ってくれる。なので、試してみたのだが、魔力が明らかに足りない。


「ちっ、こうなれば買うか」


 昨日と同じように周りを入念に調べてから塩を作り上げて雑貨屋へと向かう。


「じゃまするじぇ~」


「邪魔するなら…………まあ、何の用だ?」


「これ買って! そして、マジックポイント回復系アイテムを売って!!」


 ドンッと塩が大量に入った壺を渡す。


「おいおい、コイツは新しい製法とかで作られた他国の塩じゃないか…………製法知ってるのか?」


「そんな訳無いじゃん~~でも、いっぱい持ってるよ。買い込んで魔法の袋に仕舞ってあるからね」


「そうか…………それで、マジックポイントポーションが必要なんだな?」


「うん。大量に」


「悪いがクラスを見せろ。大量購入は生産系の必要なクラス以外は禁止されている」


 どうすっかな~~別に魔導銃をすでに使ってる訳だから、魔導師でも魔導技師でもバレても問題無いか。修行中の身って訳だし。先天的にクラスを持ってる人もいるって話しだし、大丈夫だろう。うん、本当は駄目なんだろうけど、早く作りたい!


「良いよ、はい」


 魔導技師Lv.1と書かれたギルドカードを見せてあげる。


「確かに問題無いな。1人に売れる規定量は100個が限界だ。それ以上が欲しければ自前で材料を持って来い。それと、その塩の量から計算するに買値がまだ高いな。確か、魔力回復系の指輪が有ったな…………ああ、これだ」


 雑貨屋さんが出して来たのは何かの文字が書かれた綺麗な指輪だった。


「まあ、後3つ売ってくれるならやる。この指輪は高いからな。魔力回復が上がって、威力も上がる優れ物だ」


「あ~~確かに」


「それと、魔導技師なら修理も出来るんだろ?」


「そりゃ、知識と設備は有るから出来るよ。修理しろって事で良い?」


「ああ。修理を頼みたい。冒険者の連中が壊れたらこっちに出すんだが、この村には魔導技師なんていないからな。いちいち街まで行かなきゃならん。うちの品と冒険者の修理品をそちらに回すから直してくれ」


「出来るとは思うけど、アタシ自身も冒険者だから直ぐには直せないかも知れない。それで良いなら良いよ」


 本当は飛びつきたい。修理するだけでもレベル上げに使えるしね。それが相手に部品代+αまで貰えるんだったら儲けものだ。


「ああ、それで問題無い。じゃあ、正式に契約を交わそうか。取り分は5、5でいいか?」


「アタシが8、そっちが2。手間はこっちの方がかかるしね」


「そっちが6でこっちが4。こっちだって部品代を取り寄せなきゃいけないんだ」


「じゃあ、7、3か、6、4でそっちが買えるマジックポイントポーション100個をアタシに譲渡する。こっちは自前で100本買えば合計200本購入出来るからね」


「じゃあ、後ろの方で良いかな。そっちの方が儲け有るしな。というか、俺はポーションなんか使わんからな。俺はニウスだ。これからよろしく頼む」


「アタシはクレハ。よろしく。あ、塩を売る値段は出来るだけ岩塩の10分の1以上にして。その値段でタチアナさんの宿屋にその値段で同じ量を朝食無料でつけてもらったから」


「そうだな…………半額はどうだ?」


「買ってくれるの?」


「輸送費も有るしな半額で大丈夫だろう」


「やっぱ、村以外にも売るんだ」


「当たり前だ」


「ですよね~アタシでもするし。まあ、儲けられるだけ儲けようか。それと、アタシの事は秘密ね。ああ、契約条件にそれも乗せておく」


「ああ、もちろんだ。こっちも金づるだからな」


「非道いな~~で、そっちに売る値段だけど、ひと壺30万でいい?」


「それで良いぞ。150万くらいにはなるだろうし、輸送費で40万かかったとしても80万の儲けだ」


 結構儲けられるんだ。もうちょっとふっかけても良かったか?

 いや、秘匿してもらう事を考えればそれでいいか。契約は魔術を使って破れないようにするしね。


「んじゃ、それで良いよ。でも、パーツ代もよろしく!」


「ちゃっかりしてやがる。まあ、構わんぞ。それじゃあ、これが魔術契約の書類だ」


「うん」


 しっかりと読んでからサインする。ニウスも同じだ。これで契約がなされた。裏切れば不幸が舞い降りる。これは結構エグイ不幸が来るらしい。腕が消し飛ぶ程度は軽いらしい。


「ほら、ポーションと魔力増幅の指輪だ」


「ありがと。それじゃあ、定期的に来るね」


 貰うアイテムを貰って、自宅に戻った。ちなみに壺は回収した。それから、遠隔操作浮遊式小型魔導砲を作って行く。










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