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作者: 灰猫

「幸せのあとさき」


足りない幸せを埋める様に

待ちわびた唇にすがる


堕ちていく感情とは別に

独り歩きする情熱


形無きものですら

永遠にはなれなくて


黄昏れを待つより先に

絶望の足跡を追う


足りない幸せが見つからなくて

遠い過去を振り切り今を這う


足りない幸せを埋める様に

嫌いな貴方の温もりを請う


満たされた欲望が溢れだしたら

泡の様に消え去れるだろう


それが幸せのあとさき





「隙間」


感情のカモメが今も

青と青の隙間をゆくよ

流れる雲が悪戯に

こぼれる涙を隠す

止まれないカモメの為に

君は綺麗な線を引く

交われないならせめてこそ

高く強く飛び立てばいい


愛情のカモメがいつも

僕と君の時間をゆくよ

渇いた声が強がって

ホントの気持ちを隠す

消えてかない想いの果てに

愛が真実を歪めてく

交われないならせめてこそ

目指した夢を描けばいい


穏やかな青に弧を描く

戻らない始まらない

けして時は止まりはしない


交われないならせめてこそ

寄り添う気持ちだけでいい

君の足跡に置かせて





「泣き顔」


泣き顔を隠す為に

夏の夕立が降る


孤独だけ包む様に

夜の静けさがある


思い出を開ける時に

空の瞬きを知る


砂浜を歩く君に

星の輝きが射す






「灰色」


灰色になりたくて

白と黒を混ぜ合わせる

特別な事なんて何もなくて

大切な君に後悔する


すれ違う人の傷口が見えないように

映らない瞳を欲しがって

絡み合った行き先さえも見失う


人を好きになれない気持ちとは反対に

大切なものが増えていく

失うことに臆病すぎて

自分の存在がいらなくなっていく

壊れ始めるだけで

一つさえも守れない 


求められた感情さえも

気付いたときには儚くて

離れてく君に嫉妬していく


満月になりたくて

昼と夜を行き来する

完璧な嘘なんて何もなくて

本当に君を守りたくて


求めていた感情さえも

現実の波に流されて

大切な答え傷つけてる


善人になりたくて

君に愛を押しつけてる

与えれるモノなんて何もなくて

寄り添うとすべて拒絶される


特別になりたくて

過去と今を繋ぎ合わせ

灰色な自分では言えないけど

あの日の二人に戻れるなら


灰色になりたくて

白と黒を混ぜ合わせる

特別な事なんて何もなくて

大切な君に笑って欲しい






「少年」


少年は今日も窓を見つめ密かに眠る。


悲しいはずの彼に私は寄り添う。

辛いとき、誰かに頼ることは簡単で、

いつしか甘い誘惑だけで呼吸(いき)をする。


歩き始めた彼に私は戸惑う。

決めたなら過去を振りきることを求められ、

苦しく、互いの脚をからめ先を問う。


少年に聞かれたことは、

「幸せって何なの?」


時として思いは残酷で


少年は私を殺す。


私は少年の背中を見つめ、


愛を心の片隅へ眠らせる。


少年は窓を開け

風を受けながらも

小さな光へと歩き出す。


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