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不乱の心/Wait
満員電車に揺られながら ゆっくりと感覚を失っていく
描いた夢すら 思い出せないほどに疲れ果てて
自分は間違っていないと言い聞かせながら
いつか何処かへ 辿りつくまで走り続ける
わたしの心はいつも落ち着いている 決して乱されることなく
幽霊列車に乗って 誰もいない海沿いの街へと向かう
潮風に乗って 教会の鐘が聞こえてくる
満月の夜 狼の群れが遠吠えを始める
わたしの心はいつも落ち着いている 決して乱されることなく
瞳を閉じて 闇に生きる
呼吸することだけ 忘れないで
静寂の絵を心に描いて
まるで自分は 自分以外の誰かのように
わたしの心はいつも落ち着いている 決して乱されることなく
明るい未来を描けなくても
明日を迎えるのが辛くても
自分を好きになれなくても
生きる意味を見つけられなくても
わたしの心はいつも落ち着いている 決して乱されることなく
あなたの心はいつも落ち着いている 決して乱されることなく