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波動/Wait


生まれ育った国を出て 俺はひとり旅に出た 

多くの人と出逢い そして語り合い ときには喧嘩もした

多くのことを経験して 賢くなって 人間的に成長を果たした自分 とても誇らしかった


何年か経って家へ戻った俺は そのことを誰にも言わなかったし 話さなかった

いつしかそれは 俺以外誰も知らない 俺だけの秘密となった

実際に俺に起きた多くの事は本当だったのか 実際に俺が経験した多くの事は本当だったのか

誰も知らない 俺以外に誰も知らない俺だけの秘密


外の世界で出会った人々は 本当に実在していたのか

それとも 俺は長い間夢を見ていたのか


人間の身体も 庭に咲いている名前も知らない植物も 

空に広がる空気も 昨日食べた晩飯の感想も

粒子レベルで分解すれば 全てのものはただの波動となる

生まれては消え そしてまた生まれては消える ただの波動となる


一切の光を遮断する 一切の音を遮断する 五感を使わないでみる

何も認識しない 何も認識しない 何も認識しない 


俺はまた旅に出る 生まれ育った国を出て

生まれては消え そしてまた生まれては消える ただの波動となる

何も認識しないし 誰にも認識されることもない

それでもそこに存在している ただの波動となる

認識することに 認識されることに 一体どんな意味はあるのだろうか


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