心の闇を溶かしていく/Hope
鬱病だろうか 自閉症だろうか それとも…… 闇の中を彷徨い歩く 深い心の闇の中
死の翼を広げた何者かがオレを睨んでいる お気に入りのゲームの世界観に人生観が彩られ
失恋の痛みも 人生の虚しさも 何処か遠くの国で起きている戦争の話も オレの心の闇には届かない
物事を難しく考えても 簡単に考えても 眠りから目覚めても
何も変わらない 前に進む気にさえならない
気がつけば自分の話ばかり 周りの人間の心配をする余裕さえない
そんな人間が救われるわけはないだろう
「おはよう」と元気に声を掛けてみる 「何しているの?」と興味を持って聞いてみる
くだらないプライドを捨てて 若いときほど自尊心は傷つきやすいから
他人はそんなに悪い人ではないから 怖がらないで笑顔をつくって
自分で作った壁は 自分で壊していけばいい 思ったよりも簡単に崩れて行くから
明日の朝 オレは誰に声をかけるだろうか どんな風に話しかけるだろうか
そんなことを想像しながら 年甲斐もなく揺れる心に笑みが零れて なんだかとても嬉しく思った
人にはそれぞれの生き方があって 手に入れた自由を奪われないように必死になって守っている
だからこそ だからこそ
脱力した心で 他人のことを気に掛ける余裕が必要なんだ
誰かにみせる優しさで 自分のことも魅せてやれ
自分も他人も 他人も自分も 結局同じ命だから……
優しさだけが 心の闇を溶かしていく……
 




