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大きな波/ HOPE!
永い眠りから目を覚ますとき どれだけ長く眠っていたかなど覚えていないもの
過去は過去でしかなく しがみつく価値はない
しかし未来だけを見ていても 空気をかき回すような 無意味な行為に思えてくる
少年は小さなベッドに寝そべって、天井を見つめている。
天井に描かれている木目の模様は、何度見ても飽きないが、感激することもなかった。
「新しい何かを探さなければ 新しい何かを」
少年の心の中は 期待で満たされていた。
これから起こる新しい未来に
それがやって来るとき 何かの予兆があったかなどどうでもいいこと
ただ それがやって来るとき それは途轍もなく巨大な波
波は 生まれては消えて行く それを繰り返す 波動
「波」という例えを思いついたとき、少年は自分でも中々上出来だと、嬉しくなった。
彼の心の中は そんな大きな波を期待していた。