第四十七話 キングヒドラ討伐 後編
あの毒の霧は一番厄介だ。
アイテムボックスで毒の霧だけを収納すれば!
俺は空気中の毒の霧だけを抽出して収納する。
やった。キングヒドラの毒の霧が消えた!
『むっ! 我の霧が消えただと?』
『今のうちに攻撃して!』
グレートモスは翼を広げて、大きな風の渦を作り、キングヒドラにぶつける。
キングヒドラはその翼に金色の魔力を付与して、雷で弾こうとするが……。
「今がチャンス!」
「アリアも参ります!」
「聖女の怒りを思い知りなさい!」
ルルが風と雷を纏った短剣で首を敢えてえぐるように傷つけ、アリアは火を纏った長剣で空気中に剣閃を煌めかせる。アリアの剣閃はすさまじく、一気に二本の首を落とした。
聖女エメリアは、直接、キングヒドラにボディーブローを食らわせて、悶絶させた。
「キングヒドラの金色の魔力が消えたぞ!」
バルクの街の騎士団長が首を一つ刈り取る。
これで残りの首は四つだ!
突如、エメリアの影が膨らみ、キングヒドラに躍りかかる!
「カゲか!」
「わらわの活躍の場がなさそうなのじゃ。ここが勝機!」
カゲは黒い爪でキングヒドラの首を切り裂き、首をまた一つ減らす。
良いぞ。皆の活躍で首が三つに減った。
他の冒険者たちも硬い鱗に攻撃を仕掛けて、キングヒドラの気を引いている。
「暁の火よ! 私に支援魔法! 行くぞおおおお!」
オレンさんが緋色のオーラをさらに膨らませて、空中に飛び出し、キングヒドラの首に魔槍を突きさして、横に振るう。
やった! これで残り二つ!
『グラアアアア! ちょこざいな人間共がああ! 我に食われていればいいのだ!』
突如、金色の魔力が復活して、槍を振るった後のオレンさんに狙いを定める。
まずい! 雷に撃ちぬかれる!
「オレンさん!」
俺は、オレンさんの場所まで目視で転移して、抱きかかえると自陣の方に転移する。
「ユウキさん! 助けてくれたのは嬉しいが……危ないぞ!」
「良いんだ。皆が命を懸けているのに俺だけが何もできないなんて許せない」
「ユウキさん……」
あれ? オレンさんが何か様子がおかしい。
ちょっとうっとりした顔をしてる。そして、何気に回っていた配信のカメラが俺たちを大写しにしてる。
現代地球のコメントと異世界配信のコメント欄は大騒ぎだ!
「ルルちゃん達では飽きたらず、他の女にも手を出すのか!」
「このヒモハーレムクソ野郎!」
「ユウキさん、また嫁を増やすのか?」
「ユウキさん、ヒューヒュー!」
うるさいよ! カメラ止めろ! カメラ!
「ユウキ、後で話がある!」
「ルル、戦闘に集中しような」
『グラアアアア! 先にお主から潰してくれるわ!』
「何だって⁉」
何故か、キングヒドラのターゲットが俺に移った。
残りの首は二本だが、再生しようとしてる。
また雷攻撃か! 金色の魔力が俺とオレンさんを狙って一筋の光となる。
俺はオレンさんを抱きかかえたまま、転移を繰り返すが、ターゲットは離れない。
クソう、まずいぞ!
「ユウキさん、私の後ろに来な!」
「ユウキさん、マッスルの後ろに行くんだ!」
筋骨隆々の女性が呼んでいるので、マッスルの大盾の後ろに転移する。
バチバチバチ!
間一髪、雷撃が大盾に防がれるが、マッスルさんの体が焦げたような跡を見せる。
「グウウ!」
「マッスル! さっきは防げたのに、何で!」
『グラアアアア! 我の雷は首が減るほど、威力が増すのだ!』
「ヤバイ、キングヒドラの攻撃は首が減るほど、威力が増すらしい!」
俺は聞こえた言葉をみんなに伝える。
「何だって⁉」
「早く倒さないと!」
皆が焦る中、天雷のカレイナが大きな声を張る。
「私に任せて! 我が名は天雷! 天の神よ、我が名に力を!」
カレイナの銀髪がふわりと浮き上がり、銀色の神々しい光を放ち始める。
「皆が頑張ってくれたから、この魔法を発動できた!」
カレイナの体は光の速度で移動し、キングヒドラの首を手から伸びた銀光で切り裂く!
返す刀でキングヒドラの首を切り裂くが……。
他の首が再生してしまった!
これで首は五つになってしまった。
カレイナは焦った様子で、首を斬り飛ばす。
ルルやアリア、カゲやオレンさんが首を斬りつけるが、耐久力が上がってきている。
俺は、このままではまずいと痛感する。
だから、今しかない!
「アイテムボックス、収納!」
『グラアアア! 何だここは!』
どうやら、皆が戦って弱らせたお陰で、アイテムボックスの中にキングヒドラを収納できた。だが……
「大変! ユウキが倒れた!」
「ユウキの魔力が暴れまわってる! これは……ユウキがキングヒドラをアイテムボックスに収納した?」
皆の声が外から聞こえる。
そして、白い空間の中に、俺とキングヒドラだけがいた。
キングヒドラはボロボロになって、首が七本中、三本だけになっている。
『ユウキさん、アイテムボックスの中では、貴方は魂だけになっています』
「それはヤバいな。どうすればいい?」
マリア様の声が聞こえる。
『フフフ、スキルは健在です。キングヒドラを好きにクラフトしてください』
『グラアアアア! 女神マリアの声がするぞ! 貴様を殺して女神も殺してくれるわ!』
「そんなことはさせない」
俺は簡易クラフトを発動する。
俺が手刀で首を斬る仕草をすると、キングヒドラの首が切られる。
金色の魔力は全て吸い取る。
『グラアアアア! 我の存在が消えていく……』
『みんなを傷つけた罰だ。消えろ』
『グラアアア……』
キングヒドラは素材となり、消えていった。
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