第四十六話 キングヒドラ討伐 前編
モスラvsキングギドラ! ファイッ!
「バルクの街の外壁に向かってください!」
受付嬢のアンナの一声で、冒険者たちと外壁に向かう。
上空を見上げると金色の翼に七頭の首を持った恐ろしい魔物が飛んでいた。
全長十メートルはあるだろうか。
あんな魔物がバルクの街で暴れまわったらひとたまりもないだろう。
それと戦っているのは大きな翼をはためかせて金色の糸を吐きながらキングヒドラの動きを阻害するグレートモスだ。
あれだな、まんまキングギ〇ラとモ〇ラの大怪獣バトルだ。
「あ、あんな魔物に勝てるのか?」
その時スマホに着信があった。
カレイナだ。
「ユウキ、神聖の森で私を拾って転移して!」
「なるほど、わかった!」
「ルルも行く!」
ルルも行きたがっている。仕方ない、Bランク冒険者なら大丈夫だろう。
というかカレイナの傍にいたんだな。
「暁の火の皆さん、Sランク冒険者のカレイナとBランク冒険者のルルを連れてきます!」
「分かった! 天雷のカレイナと疾風迅雷のルルなら戦力としては申し分ない! なるべく早く頼むぞ!」
俺は転移して神聖の森に行き、二人を探す。
「ユウキ、こっち!」
「アリアはお留守番!」
「何を言っているの! 私の剣は民を護るために磨いてきたのよ!」
カレイナとルルがいたのだが、アリアもついてくると言って聞かない。
「アリア、君は男爵令嬢だ。死んだら責任が取れない」
「必ず、キングヒドラの喉元を斬ってやりますわ。だからお願いします」
「はあ、何があっても責任は取れないぞ」
「承知の上ですわ」
俺は急いでカレイナとルルとアリアを連れて戻る。
外壁の外にバルクの街の騎士団もそろっていた。
「おお、ユウキ殿! 天雷のカレイナ殿と疾風迅雷のルル殿と次の剣聖と謳われるアリアーシュ男爵令嬢! これは心強い援軍ですな」
アリアって剣聖に謳われるくらい強かったのか。
それなら戦力になるな。
あれ、神聖の森から土煙が見えてくる。
「ユウキ様、わたくしを置いていくなんて酷いですわ!」
聖女エメリアも来てくれた。
何かエメリアの影が動き回っているように見えた。
「ごめん、ついつい忘れていたよ」
「もう、今晩は逃がしませんわ」
俺はエメリアのぼそりと言った言葉をスルーして、バルクの街の騎士団長にどう戦うのか聞く。
「冒険者で魔法が使えるものと魔導団が連携して、キングヒドラに攻撃して、地面に引きずり下ろします。グレートモスも手伝ってくれていますし」
「なるほど」
「そこから奴の再生力との戦いになります。ここが山場です」
「確かに」
だが、俺のアイテムボックスに収納すれば一発ではないか?
それを騎士団長に伝えると、無言で首を横に振られる。
「ダメです。失敗した場合、キングヒドラに気づかれて、攻撃を集中される可能性もあります」
うーん。俺も勘だけど、キングヒドラにアイテムボックスは通用しない気がするんだよな。やめておこう。
その時、グレートモスに向かって金色の雷が何筋も向かう。
『ぐううう! これは痛い!』
『グレートモスよ! 我の人間共を殺す遊びを邪魔するのはこれまでだ!』
上空で戦うグレートモスとキングヒドラの声が聞こえてくる。
グレートモスは火傷を負い、翼にところどころ穴が開いている。
バルクの街の騎士団長は、剣を取り、キングヒドラに向かって指令を下す。
「グレートモスを援護せよ! 冒険者と魔導団よ! 攻撃開始!」
「アクアアロー!」
「ウィンドバレット!」
「フレイムトルネード!」
外壁の上に登った魔法使いたちが攻撃を開始する。
だが……。
「効いていませんね」
「奴の金色の鱗に弾かれる!」
キングヒドラの鱗はいとも簡単に魔法を弾く。
「金色の槍、天を貫く雷、我の怒りと共に、裁きを下せ! ヴォルテックス・シャイニング!」
Sランク冒険者のカレイナが詠唱と共に魔力を解き放つ。
快晴だった空が黒雲に飲み込まれて、ゴロゴロと音を放つ。
一筋の雷が飛んでいるキングヒドラの翼を貫く!
「グラアアアアアアアア!」
キングヒドラが怒りの声を上げる。
グレートモスが高度を下げたので、キングヒドラも一緒に地面に降りていく。
流石はSランク冒険者のカレイナだ!
天雷の二つ名は伊達じゃない!
だが、翼はすぐに再生していく。
「ルルも行く!」
「アリアも参りますわ!」
「わたくしのボディーブローを食らいなさい!」
ルルが短剣に風と雷を纏わせる。
アリアは綺麗な長剣に赤い火を付与して、走っていく。
エメリアは手にナックルをはめて、空気を殴りながら、キングヒドラに攻撃する。
他の冒険者たちも、大槌や魔槍を構える。
魔槍を構えたのは暁の火のオレンさんだ。
『小賢しいわ!』
『キングヒドラの雷が来ます!』
キングヒドラの体が眩く光り、十筋の雷光が光る。
「させねえ!」
暁の火の、大盾を持った筋骨隆々の女性が、青白いオーラを大盾に纏わせて防御する。
ルルやアリアは着弾点を見切り、瞬足で回避している。
エメリアは空気を殴って衝撃波を放って、雷を弾いていた。
「私が一番槍をもらった!」
オレンさんは緋色のオーラを纏い、驚くべき速さでキングヒドラの首を貫く。
あれは……身体強化ってやつか?
「我ら騎士団も攻撃するのだ! うおおおお!」
騎士団長は大剣を振るって、もう一本の首を断ち切る。
体にバルクの街の紋章が浮き出ている。
あれも身体強化の一種か。
『フハハハハハ! 我は何度でも再生する!』
『キングヒドラの再生力は異常なの!』
キングヒドラの声とグレートモスの力ない声が俺に響く。
すぐに二本の首が再生し、他の首が毒の様な霧を放ち始める。
クソ、俺も頭を使って援護するしかない!
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