第四十三話 ワイバーン便とブランドオーク肉で大儲け⁉
嫌じゃ、嫌じゃ!
「王都やバルクの街にこのオーク肉を運べないかな?」
俺は嬉しそうにこのオーク肉を食べているワイバーンを見る。
ワイバーンたちに俺のアイテムボックスを持たせて運べば何の問題もない。
アイテムボックスは前のアイテム冷蔵庫のように付与できるからな。
「ユウキさん! このオーク肉を王都やバルクの街で売ろう!」
「それなら、このオーク肉に名前を付けた方がいいんじゃないか?」
「確かにな」
近くにいた冒険者に言われて名前を考えることにした。
ちなみにコメント欄のユウキオークは却下だぞ。
何で食われる肉に自分の名前をつけなきゃならんのだ。
エンシェントオークとかどうだ?
何で神聖なオークを人に食わせるんだよw。
フレッシュオークとか?
新鮮なオークですってか⁉
ダメだ。現代地球のコメント欄はあてにならない。
ブランドオークかあ。もうこのままでもいいけど……。
「スウィートオークってのはどうかな?」
「それはどういう意味だ?」
俺の言葉に冒険者ギルドの支部長のバルガスさんが聞いてくる。
「甘くて、美味しいオークって意味ですよ?」
「うーん。直接的ではあるけど……」
「それじゃあ、バルガスさんはどんな名前がいいですか?」
俺は逆にバルガスさんに聞いてみる。
バルガスさんはうんうんと唸りながら、言葉を絞り出す。
「シチランオークというのはどうだ?」
「シチランとはどういう意味ですか?」
「そうだな。楽園のようなイメージだな」
うーん、楽園のオーク?
シチランというのが楽園という意味ならこの街の名前はシチランドで良いんじゃないか?
皆にそれを言うと、何故かムッとした顔をする。
「ユウキランドはユウキの名前が使われるからいいんだろ」
「わらわはユウキランドの方が好きじゃのう」
「シチランドはちょっと……」
何でだよ! 俺の名前が使われてるのは良い理由がわからん!
「シチランオークもちょっとなあ……」
「もういい! シチランオークで決定!」
俺は延々とループしそうなこの話題を終わらせることにした。
次はワイバーン便について考えよう。
コメント欄は延々と議論しているがもういい!
『ワイバーン達、名前を付けてもいいか?』
『良いぞ。ユウキ』
『アール、イーガ、ウーノはどうだ?』
『ふむ、良いと思うぞ』
『オラの名前を決めてくれたのか!』
『嬉しいだ!』
アール、イーガ、ウーノはオーク肉のステーキを食べ終えて嬉しそうな顔をする。
頭を寄せてくるので、撫でてやると嬉しそうに頬ずりしてくる。
うん、爬虫類的な鱗がすべすべしていて可愛い。
カゲも触りたそうにしているので、アール達に頼んで触らせてあげる。
「ふむ。こうして触ると可愛いのう」
ルル達もコメントでワイバーンに触りたそうとしていた。
だがここからワイバーン達に一仕事してもらう。
先程からバルクの街を治めているグラリア伯爵がシチランオークを食べたいと言っているのだ。
『バルクの街までシチランオークを運んでくれないか?』
「良いだよ」
あれ、ワイバーンも普通に喋れるじゃん。
って思ったけどアール、イーガ、ウーノも首を傾げていた。
「前は喋れなかっただ」
「オラもだ」
「ユウキに触られてからだべ」
他の冒険者やバルガスさんとバンズさんは田舎言葉だ……と驚いていた。
これは何かまたスキルが覚醒してるな?
まあ、それはひとまず置いておこう。
って思ったけど驚くべきことが分かった。
俺のスキルを触った魔物に共有することができたのだ。
具体的にはアイテムボックスだ。
流石に容量制限はあったけど、時間停止や有機物を入れることもできた。
「これならアイテムかばんを作らなくても、シチランオークをいくらでも運べるな!」
「ユウキ殿、神聖の森で取れた野菜も行けるのではないか?」
「確かに!」
俺は初めに作った拠点で余っていた野菜も持ってくる。
シチランオークは血抜きをしてから、他の部位は触らないで、持っていってもらうことにした。
使える部位をグラリア伯爵の料理人が研究するらしい。
カレーのルーを十万円分買って渡すと料理人たちの感謝のコメントが殺到したよ。
これで、バルクの街の異世界配信レストランが少し落ち着くと良いけどな。
アールの首元に赤いスカーフ、イーガの首元に青いスカーフ、ウーノの首元に黄色のスカーフを巻く。
そうしないと攻撃される可能性もあるからだ。
三頭は俺に礼を言う。あ、転移魔法も使えるんじゃないか?
って思ったけど、転移魔法はワイバーン達には使えなかった。
いまいち条件がわからないな。
三頭を神聖の森の上空に転移させて、バルクの街に食材を運ばせる。
値段は……どうしよう。
商業ギルドのバンズさんはうんうんと唸りつつ、言葉を絞り出す。
「それぞれ既存の価格の十倍に設定しましょう」
「え? それはぼったくり過ぎでは?」
「いえ、あの食材は美味すぎます。こうでもしないとすぐに売り切れるし、転売もひどくなる」
うーん、確かにそうかも。一般の野菜は驚くほど美味くないし、シチランオークも味のレベルが違いすぎる。
うん、仕方ない。しばらくはこの値段で売ろう。
しばらくするとグラリア伯爵の館にワイバーン達が着いたようだ。
コメントのグラリア伯爵がものすごく、喜んでいた。
あと、エルグランド王国の宰相が早く王様に帰ってこいと怒っておったぞ。
あれ、王様まだ帰ってなかったのか。
嫌じゃあ! わしはまだ帰らんぞ!
困ります! 王様がいない間に革命起こされても知りませんよ!
コメントで駄々をこねる王様はとても名君とは思えないが、民には慕われてるようだな。
「王様、そろそろ帰りましょう」
「嫌じゃ、嫌じゃ!」
「宰相様を連れてきましょうか?」
「うむ、仕方ない。わしは帰るとしよう」
小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。




