第四十話 神聖の森で拠点づくり
異世界万能鉱石キタコレ!
おはよう。朝日を浴びて背伸びをする。
昨日の夜、夜の大運動会はしたのかって? してない。
みんな笑顔で部屋に来たが、ちゃんと理由は説明した。
「ルル達にアリアとイリスにフランシスさんも聞いてくれ。これから神聖の森は受け入れラッシュで忙しくなる。夜の大運動会は当面しない」
「そんなこと言って、また貴族とはしないとか言いたいのではなくて?」
「ユウキ?」
ぎくっ‼ うん、まあそれもある。でもね。受け入れラッシュや建設ラッシュで忙しくなるのも事実だ。俺は妥協案を出した。
「みんなで添い寝しよう。今回はアリアとイリスが隣だ」
「仕方ないですわ。まあ時間は幾らでもありますから」
「私が王城に帰るのを待っているのではないですよね?」
「そ、そんなわけないじゃないか」
皆無言でジト目を向けてくる。何とでも言ってくれ。
俺は王族と関係を持つのは流石に危ないと思っている。
何とか説き伏せて、皆でベッドに横になる。
キングサイズのベッドでも足りないとか人数多すぎだろ。
アリアとイリスは寝ようとする俺に密着してその柔らかさを意識させてくる。
ぐあああ! これは拷問だ。
だが俺は出来る男。死ぬ気で目をつぶっていたらいつのまにか寝ていた。
「さあ、ユウキが寝ましたわよ」
「私たちが勝手にする分には問題ないよね?」
何かルル達が不穏なことを言っている夢を見たが気のせいだろう。
という事で朝だ。久しぶりに快眠できたけど何か睡眠魔法とか使われてないよね?
怪しいが、確認は怖かったのでしていない。
賑やかな食卓で食パンと厚切りベーコンとコーヒーを飲む。
うむ、美味い。
「ピピ、マスターユウキ。遺跡に来て欲しい」
「うん? 良いけどあんまり時間ないよ?」
「拠点つくるのにいい機能がある」
それは気になるな。皆で何回かに分けて遺跡に転移する。
フランシスさん達メイドさんたちは昨日来れなかったので遺跡に入って感動していた。
配信のコメント欄がざわざわする中、ガーディアンのユウゴに管理室に案内される。
「ピピ。ここ、前マスターのコウダイが作った所。神聖の森の木々を伐採させずに移動させられる」
「おお! それはいいな! でも木々も伐採しないと家とか建てられないんだが」
「ピピ。実はガーディアン達が神聖の森の木々を増えすぎない程度に伐採して乾燥させている。そうじゃないと木々がどんどん増えすぎる」
何だって? それはすごいな。後は石とか鉄筋とかコンクリートがあればいいんだが。
ひとまず、王様たちと話し合い、ここに作る街の規模を決める。
「一万人、いやユウキ殿の配信の力を考えると十万人規模の街になっても不思議ではあるまい」
「ひとまず。一万人規模の円形の街と壁を建ててみるのがいいのではないか?」
「いや、流石にいきなり一万人は……。後壁を建てるのが苦労します」
「私がやる」
王さまとグングニル男爵と話しているとカレイナが立候補してくる。
「いや、カレイナでも一万人規模の街の壁は作れないだろ?」
「神聖の森の魔力はとても澄んでいて特別。四分の一ずつなら一時間で作れる」
どうやら、魔法使いにとって神聖の森の魔力は特別らしい。
四分の一でも充分か。
なら、壁はカレイナに任せよう。
街の設計は碁盤の目状の区割りにした。北はアルクアラウンド帝国の方だ。
南がエルグランド王国の方角で、西は広大な森が広がっている。東も森だらけだ。
「西にはエルフの治める国、東は獣人族の国があると聞いていますわ」
聖女エメリアが教えてくれた。
という事で、まずは移住希望者を配信で募る。
うん、あっという間に移住希望のコメントがついていくな。
この後どうするかって?
「ピピ。マスターユウキ。配信のコメント欄の個人情報はここで管理される」
先程の管理室に個人情報が配信から抜かれて登録されていく。
ここで犯罪歴のある人の情報も集まる。申し訳ないがそういう人は配信を見れないようにする。
街への移住もお断りだ。
ルルは警備を頼み、クリスは俺と一緒に神聖の森の拠点の管理に回る。
カゲは魔物狩り、カレイナは建築の手伝いを頼む。
エメリアは今後できるマリア教会の管理を頼む。
フランシスさん達メイドさんは、バルクの街の異世界配信レストランのメンバーと交代だ。
新しく来たメンバーもなかなか濃かった。
「私が新メイド長のルルーシュですわ」
黒髪に紫色のメッシュが入った、これまたすらっとした美人のメイドさんだ。
「私もご主人様の色々なお勤めをしますわ!」
「う、うん」
新メイド長とか言ってる時点でキャラが濃そうだ。
家での家事を最初は頼むだろうね。
まず遺跡に集積されている木材や石材を使う。
ただ石材はやはり少なかった。コンクリートはママゾンに売っているが鉄筋はなかった。悩んだ末にミスリル鉱石を加工して家に使うことにした。
ミスリル鉱石は透明にもできるし、硬さも魔力を込めると自由に変えられる。
その後状態を固定するとその状態から変わらなくなる。
ミスリル鉱石は腐るほどあったのでそれを建材にすることにした。
「良し、家の構造とか商店とか鍛冶屋とか色々な建物の構造を考えよう」
ここは一番大事なところだ。
まあ鍛冶屋はドワッフさんとその弟子が到着してからでいい。
配信もよく見ていて、もう神聖の森に向かっているそうだ。
喫緊の課題は、住宅をどう建てるかだった。
現代地球の配信に相談するとこんなコメントが多かった。
やっぱりアパートとかマンションじゃね?
ユウキが悩んでるのは森の景観と合わないからだろ?
いや、ミスリル鉱石を使う以上、ガラス張りのビルと変わらんだろう。
うーん。確かにそうだよな。
地震とかはこの世界ではないそうだが、基礎からしっかりと作りたい。
遺跡の管理室に転移して、五階建ての集合住宅をミスリル鉱石と木材で作れるか考える。
ここで驚いたのはミスリル鉱石の柔軟さだった。
基礎はコンクリで固めるとして、柱にした時の剛性や柔軟性、断熱材にも状態を変えることができた。
悩んだ末に木材で外身は固めるが、中身はミスリル鉱石で集合住宅を作ることにした。
ミスリル鉱石を簡易クラフト機能で取り込もうとするとユウゴに止められる。
「ん? ユウゴ、何か提案があるのか?」
「ピピ。この遺跡の管理者はマスターユウキ。マスターユウキのスキルは遺跡にも適用される」
「つまり?」
「集合住宅のデザインを登録すれば、一々その場に行かなくても神聖の森の中なら遺跡の建材を利用して建てられる」
え、つまり。Simみたいな建て方ができるのか?
これはすごいな。カレイナに土壁でひな形を作ってもらって、ミスリル鉱石でコーティングも可能になりそうだ。
俺はスマホでカレイナに電話する。
「カレイナ、壁はどれくらいできた?」
「今、北から西の壁を作ってる」
「ひな形を作ったら言ってくれ。その後、ミスリル鉱石で覆うから」
「え? ミスリル鉱石で覆ったら、魔法も反射する恐ろしい壁ができる……」
「防衛も必要だ。それで行こう」
焦るカレイナの反応を気にせず、俺はスマホの電話を切る。
とりあえず、集合住宅はたくさん作ろう。
南から東区を住宅街にするか。
遺跡の機能を活かし、神聖の森の木々を建築予定地から全部移動させる。
本来は切って、根っこもとらなきゃいけないからめっちゃ便利だ。
まだまだ建てていくぞ! 建築が楽しくなってきた!
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