第三十四話 森の宝石箱と遺跡探索の話
森の宝石箱や~!
「最初の一口は私が頂きます」
俺は、毒見役もかねて、一口目を頂く。
オレンジ色の果実の柿と生クリームを一緒に入れる。
「うーん! 柿のまろやかな甘みと生クリームがたまらない!」
俺の一言を受けて、ルル達がフォークで思い思いの果実を口に入れる。
「うん! いちごってやつ、とっても甘い!」
「は~、こんなに甘みがあると感動的ですわ~」
「凄いですわ。こんなに種類の違う甘みが一堂に会しています」
ルルとアリアーシュ男爵令嬢とイリス第一王女が嬉しそうにいちごとシャインマスカットと柿を食べる。
「この果物は神聖の森以外でも育てられるのか?」
エルグランド王国の王様が聞いてくる。
「そうですね。気候もありますが、私の使っている液体肥料を撒けば育てられるかと」
「うーん。だけどなんで三日で収穫できるかわからないよね」
俺の一言にエルフのカレイナが疑問を呈する。
確かにそうだよな。色々と研究する必要があるかもだ。
そもそも三日で苗から成木まで育つことがおかしい。
神聖の森だからなのか、俺の液体肥料が凄いのか。
「種だけはもらってもよいかの? エルグランド王国の方でも研究したいからの」
「良いですよ」
騎士たちに種と液体肥料を渡す。
騎士たちはそのまま馬車に積んでいた。
お付きの騎士たちにもパフェを渡しているとめちゃくちゃ喜んでいた。
特にイリス第一王女付きの女性騎士たちの目が妖しい。
俺はその視線から逃れるように、皆の元に戻った。
「ユウキ殿と一緒に神聖の森に住むのもいいですわ」
「あら、それは私も考えていましたわ」
ああ、アリアーシュ男爵令嬢とイリス第一王女が何か小声で喋っている。
内容は聞こえないが、なんだか胸騒ぎがする。
二人は俺の顔を見るとにっこりとするので愛想笑いを返す。
「それで神聖の森にあるという遺跡はいつ行くのだ?」
「そうですね。数日後に行こうと予定は立てていました」
エルグランド王国の王様と話す。
何でこんなに気さくに話してくれるんだろう。
「遺跡の中が楽しみだな」
「何か役立つものがあると良いのですが」
次の賢者に託すと書かれていた神聖の森の遺跡には何があるんだろうか?
行くのが楽しみだな。
「それにユウキ殿には爵位を渡さねばならん。貴族になる覚悟はあるか?」
「それは……断れないのですよね?」
「ならん。古の賢者の再来であり、配信を通じて有名になったユウキ殿を狙っておるものは大量に居るよ。そやつらからお主を守るためには貴族になってもらわねばならん」
うーん。それなら仕方ないか。
貴族がらみの騒動はまだないが、厄介な輩が来ると大変だ。
遺跡を探索した後、バルクの街に立ち寄ってから王都に行くことになった。
あ、神聖の森にドワッフさんを呼ぶのを忘れてたな。
今度王都から帰るときに呼ばなきゃ。
俺と王様は様々な話をしつつ、遺跡に行く準備を進めた。
そして数日後……。
「遺跡に行くぞ~!」
『おー‼』
俺の掛け声にみんなの掛け声が合わさる。
今日から遺跡の探索だ。
メンバーはルルとクリスとカゲとカレイナとエメリア達。
フランシスさん達メイド組とコボルト達は家で待機だ。
エルグランド王国の王様とグングニル男爵とアリアーシュ男爵令嬢とイリス第一王女も行くらしい。
「地図はもらってきたからすぐに遺跡に行けるはずだよ」
「それはありがたいのう」
「楽しみですわ」
「何が遺跡に眠っているのでしょうか?」
俺の言葉にエルグランド王国の王様とアリア―シュ男爵令嬢とイリス第一王女が反応する。
俺たちは神聖の森を進み、遺跡の方角へと向かった。
苔と木の蔓が巻き付いた石造りの遺跡が見えてきた。
森の木々が開かれた場所に作られている。
俺たちは遺跡の傍まで行く。
エルグランド王国の王様たちはお付きの騎士たちに守られている。
俺の前にはルル達が出て警戒していた。
遺跡の正面には日本国旗が彫られている。
「これが遺跡かあ。確かに日本人じゃないと開けられなさそうだな」
現代地球の配信のコメント欄も盛り上がっている。
本当に日本国旗があるぜ。
ユウキが触れたら開くとか?
現代兵器が中にあったりして!
古の賢者が残した痕跡がほかにあるか探す。
日本語で石造りの遺跡にこう彫られていた。
「日本から来た次の賢者にこの遺跡を託す。開けゴマと三回唱えよ」
「開けゴマ、開けゴマ、開けゴマ」
ズズズと音が響き、遺跡全体が揺れ始める。
「何じゃ⁉」
エルグランド王国の王様が慌てる中、俺は落ち着かせるように言う。
「遺跡の鍵が開いたみたいですよ」
「もう開いたのですか?」
「遺跡の閉ざされた壁が段々と開いていきます」
俺たちは遺跡の扉が開くのを待つ。
地揺れが止まり、遺跡の扉が開いた。
異世界配信のコメント欄は大騒ぎだ。
おお! 疑っていたわけではないが、ユウキさんは本当に賢者の跡継ぎだったのだな。
この遺跡には何が眠っているんだ?
ユウキさん、万歳! 万歳!
「皆行こう」
「うん」
「ユウキは出すぎないように。何かあったら私たちが守る」
俺の言葉にルルとカレイナが頼もしいことを言ってくれる。
「大丈夫だよ。多分危険はない」
「遺跡には大体それを守るガーディアンがいますから」
クリスが捕捉をしてくれる。
それなら仕方ないか。
遺跡の中に入っていこう!
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