第二十七話 ハンネスブルグ商会の商店を見に行こう
にゃ~
翌日、ルル達と一緒に領主の館を出た。
ここからはどちらの配信もつける。
流石に領主の館の中は映せないからな。
「さあ、ハンネスブルグ商会の商店を見に行くぞ」
「楽しみ」
「内装はどうなっているのかしら?」
「神聖の森にはいつ戻るのじゃ?」
「バルクの街は楽しいけど、神聖の森も好き」
「内装は……どうだろう。神聖の森は色々用事を済ませてからだな」
俺は四人の質問に答えながら、バルクの街を歩く。
あれ? あの金髪を縦に巻いたセクシーな修道服は?
「もう、置いていくなんて酷いですわ! わたくしも連れて行ってくださいまし」
ああ、聖女エメリアだ。
「悪いな、領主の館で対談があったから」
「わたくしもこう見えて権力はあるのですよ? 一緒に行ったらグラリア伯爵との対談でお役に立てると思いましたのに」
「まあまあ昨日は忙しかったから。教会の方は本当に大丈夫なのか?」
「ええ。古の賢者様の護衛任務で来たのでユウキ様をお守りしますわ!」
ルルはその言葉ににゃ~と鳴いて威嚇する。
そこはふしゅ~とかじゃないのかよ。
ユウキ様はやめてくれ、と言ったんだけどダメだった。
ルルとエメリアがキャットファイトをしている中、商業ギルドの支部長バンズさんも来た。
「ユウキさん! 待ってましたよ」
「お待たせしてすみません。ハンネスブルグ商会の商店を使うという話は聞いていますか?」
「グラリア伯爵からお達しがありましたよ。こちらも大丈夫です」
俺たちはハンネスブルグ商会の商店に着いた。
領主の館ほどではないが、でかい。
外層は木造建てで一階は商店になっている。
二階建てになっていて、二階は応接室になっていたのだが。
「趣味の悪い銅像がいっぱいあるな」
「これムカつく」
ルルも嫌いみたいだ。やたらと金をかけていたのか、派手な装飾のつぼや美術品も多い。
「これを建て直すには一か月ほどかかるのですが……」
うーん。一か月はちょっと長いな。
俺は少し考える。そういえば、最近スキルショップを使っていない。
スキルアップも考えるか。
スパチャは六百万円くらいでもっている金貨は八十枚くらいだ。
合わせて千四百万円くらいか。スキルアップしよう。
スキルショップ。
アイテムボックス、レベル三:容量が無制限になる。時間停止や任意で時間を進めることもできる。三百万円。
簡易クラフト、レベル二:アイテムボックスと連携可能。取り込んだ建物を素材別に分けて、組み立てることが可能。百万円。
転移魔法、レベル一:行ったことのある場所に転移可能。十人までならいっしょに転移できる。五百万円。
これを見て、現代地球の配信と異世界配信の方が沸き立つ。
すげえ、めっちゃ便利じゃん。
何気にアイテムボックスは無機物だけとか書いてないよな?
え、人間とかも入れれるの?
それは俺も気づかなかったな。でもルル達で試したくないし後で試そう。
ていうか人間入れられるなら、時間を停止させたままとか進められるとかまずくね?
後で検証しよう。
異世界配信の方は……。
古の賢者様はスキルを金で買えるのか⁉
転移魔法だと! 失われた秘術じゃぞ!
簡易クラフトとやらは建物を一瞬で作れるってことか?
あ、そういえば、簡易クラフトで家を作ると国に狙われるからやめた方がいいってカレイナに言われたんだよな。でももう貴族になるのも確定してるみたいだし、バレてもいいか。
「ユウキ……」
「ユウキさん、何もハイシンで見えるように明かさなくても」
カレイナとクリスが呆れてる。悪いな、そこら辺考えずにやっちゃったんだよ。
この三つのスキルはお買い得なので買うことにした。
エメリアはすごくキラキラした目で俺を見ている。
大丈夫? ユウキ教とか作らない?
スキルに金貨をチャージし、九百万円のお買い物をする。
商業ギルドからハンネスブルグ商会の件で報奨金をもらえるらしいし大丈夫だろ。
「バンズさん、俺がこの商店を解体するよ」
「なるほど、スキルですね?」
バンズさんも異世界配信の方を見ていたのか、頷く。
「ああ、ネズミとかも居そうだけど、まあ収納できるだろ」
「はい。ですが賢者は本当にすごいですね」
まあチートだよな。買ってないけど攻撃系のスキルもあるんだろうな。
俺はハンネスブルグ商会の商店に手を触れて、呟く。
「収納」
これで一瞬で建物が収納された。更地になっている。
ここから、頭の中で建物を組み立てていく。
どうやら、その構造が配信には映っているようだ。
コメント欄にアドバイスをもらいながら作る。
「古民家風のレストランにしようかな。あんまり雰囲気を壊したくない」
「古民家風というのはわかりませんが、雰囲気を壊さないのはいいですね」
クリスも賛同してくれたので、簡易クラフト機能で木材を建て直す。
「今回は基礎も作りたいな。土の部分は収納できないかな?」
試してみると、七十センチくらいの土が広範囲収納された。
ママゾンで業務用の速乾性セメントと砂利を購入し、カレイナの水魔法で混ぜ合わせる。本来は乾燥に時間がかかるが、そこはスキルで時間短縮だ。
簡易クラフトの中に素材を入れると、完成図の所に固まった基礎ができた。
図面通りにコンクリートの基礎を入れて、コメント欄と相談しながら建物を作る。
ここに柱を入れた方がいいよ。
天井は吹き抜けにしたら?
ステンドグラスも入れたら教会みたいになりそう。
「ユウキさんの配信が面白すぎる!」
バルクの街全体から歓声が広がる。仕事に集中しなさい。
ステンドグラスは入れないけど天井は高くして、換気用のプロペラも回す。
これでいいな。
足りない素材はなさそうだ。
「クラフト!」
「うおおおお! 更地にデカい建物ができた!」
「すげえ、ユウキさんの配信通りの建物だ」
「ユウキさんが作ったってことは、お風呂とトイレもあるのか⁉」
周りで見ていた観衆が騒ぎ立てる。
「ここは家じゃないから、お風呂はないよ⁉」
「ちっ」
何故か舌打ちされる俺、ユウキ君は悲しいです!
中に入ってみると内装もお洒落にできていた。
メイドさんも連れてきて。調理場や洗い場を見てもらわないとな。
バンズさんと料理はどんなものにするか相談する。
ルル達にも意見を聞く。
「おそらくですが、お客さんはユウキさんの配信で見た料理を食べたいのではないでしょうか?」
「それはそう。私たちを羨ましがる人のコメント、よく見る」
「確かにな」
「わたくしはいつでもユウキ様の愛の料理を食べたいですわ!」
バンズさんとカレイナが意見を言ってくれる。
エメリアはちょっと落ち着こう。ステイ。
「じゃあ、異世界配信レストランって感じにするか。配信で作った料理を中心に出そう」
これまで作ったのは、飛騨牛のステーキ、ポトフ、オーク肉の角煮、包み焼きピザ、オーク肉のホワイトグラタン。ちょっとメニューが足りないな。
ジャンルもばらばらだ。でも独自性はあるからいいか。
勿論メニューも増やすつもりだ。
そこまで考えて、スキルショップの説明を思い出す。
「あれ?アイテムボックスと簡易クラフトが連携可能ってことはアイテムボックスを付与したアイテムかばんも作れるんじゃないか?」
これがあれば、調理用の冷蔵庫がなくても大丈夫だ。
よし、後で作ろう。
「失礼します。領主の館より参りました。メイド長のフランシスです」
お、メイドさんが来たよ。クラシックなデザインのメイド服だ。
でもなんで、メイド長が来るんだ?
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