第二十五話 グラリア伯爵と対談
二十四話から文字数が増えていますがご容赦ください。私も日々書きながら世界観を深められるように研究中です。
その後は街の人にぽっぽこーんを振舞った。
「これが食べたかったんだよ!」
「ぽっぽこーんとコーラの組み合わせが最強!」
バルクの街の人たちには今回だけ無料で出した。
俺からの感謝の気持ちだ。
ぽっぽこーんになる固いトウモロコシを売っているおじさんからは礼を言われた。
「ユウキさんのぽっぽこーんのお陰で家畜の餌にしかならなかった固いトウモロコシが飛ぶように売れているんだ! 礼を言わせてほしい!」
俺は金貨五枚分で追加で買わせてもらった。
「これは俺からの感謝のお返しです。また買わせてください」
「ユウキさん……」
おじさんは泣いて喜んでいた。
その次に商業ギルドの支部長バンズさんと、ぽっぽこーんとこれまで配信で見せた料理のレシピを商標登録する。
これで備えは万全だ。
「ハンネスブルグ商会の小麦粉の取り扱いだが、一時的に商業ギルドが運営することになった。これで適正価格で小麦粉が売られるようになるよ」
「それは良かったですね」
「ユウキさん、商会を作らないか? ユウキさんのレシピは登録されたが、ユウキさんほど美味く作れる商会はまだないんだ」
「それもありですね」
俺は商人だし、商会を持つことは良さそうだ。
クリスもいるし、うまくやって行けるだろう。
「ではユウキ商会という事で登録します」
「うむ。それがいい」
何を売るかについてだが、ぽっぽこーんとコーラとサイダー以外にも売りたいものはいっぱいあるし、料理も広めたい。
なので露店とレストランを経営することにした。
異世界レストランという名前にしよう。
場所は後日不動産屋で探すことにした。
そうこうしていると夜になった。
実はあの後、グラリア伯爵に夜に領主の館に来て欲しいと言われた。
グラリア伯爵はいい人そうだし、大丈夫だろう。
同行するのはルルとクリスとカゲとカレイナだ。
カレイナはSランク冒険者なのですごく知名度がある。
俺の料理を食べた後、グラリア伯爵がカレイナに握手を求めるくらいだ。
後でどんな冒険をしてSランク冒険者になったのか教えてもらおう。
「はあ、グラリア伯爵の館はどんな感じなんだろう」
「さっきからユウキそればっかり。配信されてるからグラリア伯爵も観てるよ?」
「うう、そうなんだけどさ」
配信のコメントはカオスだが、俺を励ますコメントも見られた。
ユウキ、緊張しすぎw さっき普通に話してたじゃん。
日本人の礼儀正しさは世界にも通用する。
これは現代地球のコメントだな。
ユウキ殿、そう固くならなくてもよい。
グラリア伯爵ばかりずるい! 早く王都にも来るのだ!
コメント欄には名前が映っている。ハンドルネームを設定できるのだが、何故かエルグランド王国の王様とグラリア伯爵はそのまま名前を使っているのだ。
「王様とグラリア伯爵。ハンドルネームで好きな名前に変えた方がいいですよ?」
我は王なのじゃ。国民に恥ずかしい行いは一切していない。
私もそうですよ。というか配信でコメントをしだしてから、民からの評判も良いのですよ。
え? 我は早く仕事してください、って急かされるようになったのじゃが?
俺は笑いそうになるのを必死にこらえる。
だがルルたちは大笑いしていた。でも親しみやすい王様っていいよね。
これも計算の内なのだろう。多分。
俺は高級服を取り扱う、日本で言う所のブランド店でルルたちの服を買う。
俺はママゾンで買った高級なスーツで来てくれと言われた。
ルルたちもママゾンの服を着たがったのだが、流石に断った。
「ユウキさんのスーツは体のラインと銀色の生地がよく合ってますね」
「ありがとう。クリス」
俺のスーツは銀色の派手目のスーツだ。
現代地球のコメントは辛辣だったが、異世界配信のコメント欄は盛り上がっていた。
ルルとクリスとカゲとカレイナはドレスだ。
クリスは白いドレスに綺麗な色とりどりの花模様をあしらったものだ。
体のラインが細いので繊細で綺麗な印象を受ける。
ルルは黒いゴスロリドレスみたいな感じだ。
女性的な膨らみが大きく、黒い猫耳と良く似合う。
カゲは黒いパーティードレスに金色の刺繍が紋様になっている。
金色の目に合わせているのだろう。
モデル体型で女性的なドレスは地球のスーパーモデルよりも着こなせていた。
カレイナは緑色のドレスに銀色の刺繍がされている。
耳がピコピコ動いている所を見ると恥ずかしいのだろう。
お胸も大きく、体のラインがとても綺麗だ。
仕立て屋の二十代くらいの女性は満足そうにうなずく。
名前はアレイアというらしい。
俺の配信は欠かさず見てるらしい。
俺をちょいちょいと呼ぶので、近づく。
「夜の配信はしてくれないんですか?」
小声で囁くアレイア。
ちょっと流し目なのがエロい。
『ユウキ?』
あれ、さっきまで上機嫌だった皆が不機嫌になってる。
クリスに耳を引っ張られ、四人に説教される。
何でや、俺、悪いことしてない……。
アレイアは後はごゆっくりと言って逃げていった。
アレイアは要注意人物だ。気をつけよう。
仕立て屋の前にグラリア伯爵の遣いの人の馬車がついた。
グラリア伯爵の館は古城のような感じだった。
石造りの館に高い塔が二本ある。
はね橋を渡り、小高い丘の上にある館に馬車はむかう。
ちらりと空を見ると夜空が綺麗だった。
この世界にも宇宙はあるんだろうか。無言で空を想う。
「着きました。武器などがあればお預かりします」
俺は武器は持っていない。ルルやカレイナは短剣と杖を渡していた。
「配信は切った方がいいですよね?」
「そうして頂けると助かります」
現代地球の配信と異世界配信にお別れする。
「それでは、おつソロ~。ここからは一旦切ります」
おつソロ~
マジか。流石に会談内容は聞けないか。
ユウキ、頑張れよ!
コメント欄は温かい。同時視聴者は二十万人もいたな。
スパチャも継続的にもらっている。
俺たちは領主の館の廊下を歩く。
歴代領主の絵が飾られていた。
グラリア伯爵の面影がある。
「ユウキ様、ご一行をお連れしました」
「入ってくれ」
俺たちは応接室に入る。
品の良い調度品が並んでいた。
どれも高そうだが、使い込まれていた。
「どうだい? ユウキ殿の家にも劣らない内装だろう?」
「そうですね。おみそれしました」
「かけてくれ」
俺たちはふかふかのソファーに座る。
グラリア伯爵はにこやかな顔で話をしだす。
「まずは礼を言う。ハンネスブルグ商会のハンネスの不正によって、バルクの街は苦しんでいた」
「いえ、私は身にかかる火の粉を振り払っただけですよ」
「それはユウキ殿だからできたことだ。クズ粉、いや全粒粉という知識がなければ、料理対決は負けていただろう」
「もったいないお言葉です」
俺は頭を下げる。ルルたちも軽く会釈する。
グラリア伯爵はそれを見て、更に嬉しそうにする。
「そこでだ。私の権限の範囲内で褒賞を与えたい。金や物や権利、貴族にもなれるように手を尽くそう。さあ、何がいい?」
俺は少しだけ考えた後、口を開く。
「それでは神聖の森を正式に開拓する、永代使用権をもらえませんか?」
これは前から考えていたことだ。神聖の森を勝手に切り開くのは申し訳ないと思っていた。バルクの街から神聖の森に行きたいと言っている人も多い。
その人たちのために神聖の森を開拓する権利が欲しかったのだ。
「後、これは疑問なのですが、神聖の森はなぜそのような名前なのでしょうか?」
「ふむ。良いだろう」
「ありがとうございます」
「実は神聖の森から古の賢者様が昔降臨されたというおとぎ話があるのだ。そしてこれは秘密にしてほしいのだが、古の賢者様が作られた遺跡があるという話がある」
何だって? 古の賢者は転生もしくは転移した日本人の可能性が高い。
遺跡かあ。すごく探してみたいな。でもなんで、バルクの街はそれを放置しているのだろう。
「古の賢者様の遺跡は私の先代が探し当てた。だが、そこは開かなかったのだ。そしてこう書かれていた。次の賢者に託すと」
「え? つまり……」
「そう、次の賢者はユウキ殿、君だ」
なるほどな。神聖の森はおとぎ話になるくらいの功績を残した日本人が降臨した場所。
神聖視されていたのはそのためか。
そして遺跡は日本人じゃないと開かない。
「後は、ユウキ殿は嫌かもしれんが、貴族の爵位はいずれ与えられるだろう。陛下はユウキ殿が王都に来たタイミングでその話をしようと思っているようだ」
え~? 断れないのか。でも実質的な領主になるから仕方ないのか。
「貴族になるならドワッフ殿が神聖の森に行くことも認めよう。ドワッフ殿はエルグランド王国一の名工と言っても過言ではない鍛冶職人だからな」
「ドワッフさんが⁉」
「ああ、放浪癖があって、前はアルクアラウンド帝国にいたらしい。だが何か事情があってこちらに来たようだ」
そうなんだ。アルクアラウンド帝国に近づいちゃうけどいいのかな?
「あ、ちなみに聖女エメリア様は、どうすれば……?」
「聖女様は、マリア教会の神託に従って、ユウキ殿を護衛するという任務できているようだ。諦めたまえ」
う、マジか。ヤンデレ武闘派聖女なんて、属性過多すぎるだろう。
次話、グラリア伯爵との対談の続き。
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