第二十一話 バルクの街の名産品を探そう!
はちみつの話は実体験ですw はちみつ怖い。花粉怖い……。
俺はハンネスと別れ、バルクの街の名産品を探すことにした。
「バンズさん、バルクの街の名産品は何ですか?」
「そうですね。酪農をしているので牛乳などはよく取れます」
「他にはないですか?」
「うーん。オークの肉とかもよく取れますが、熟成させないと臭みがあって美味しくないというか……」
牛乳とオークの肉、めちゃくちゃいい組み合わせじゃないか?
俺は現代知識があるからその辺は全然いける。
具体的に言うと、肉を牛乳に漬け込むと、臭みが消えて肉質が柔らかくなるんだよ。
これはオーク肉も使えるんじゃないか?
「それはいいことを聞きました。ありがとうございます」
「いえいえ、お役に立てたら何よりですよ」
バンズさんに酪農をしている牧場の場所と紹介状をもらった。
「よし、皆で牧場に行こう!」
ちなみにコボルト達は神聖の森に置いてきてるぞ。
パンとかお肉は置いてきたから大丈夫だろう。
本当は従魔登録もしたかったけど、急に来るとバルクの街の人も混乱するだろうから連れてこなかったんだ。
皆で軽トラを走らせて、バルクの街の正門から西の方に向かう。
そこは牛が食べるのに良さそうな草が生えた牧場が見えてきた。
「おい! そこの者止まれ!」
門番が緊張した様子で、俺たちに槍を向ける。
どうやら俺の配信を見たことがないらしい。
「これはすみません。バンズさんの紹介でバルクの街からきたユウキと言います」
「え? ハイシンシャのユウキさんか。馬のない馬車に乗ってるから怪しいと思ってしまったよ」
「いえいえ、警戒させてすみません」
俺たちは牧場の中を案内してもらう。
ちょうど牛乳を搾る時間だった。
「最近、牛乳の売れ行きが悪くて……」
話を聞くと、牛乳しか生産してないらしい。
「ユウキ、どうにかしてあげてください!」
クリスはここの牛乳が好きらしい。
牛乳しか生産しておらず、保存がきかないから売れ残ってしまうらしい。なら、保存がきくバターとチーズに加工すればいい!
バターを作るには、生クリームが必要だ。
生クリームは搾りたての牛乳を遠心分離して濃縮させると良いらしい。
これは、昔キャンプ仲間が教えてくれた。
搾りたての牛乳を大きな缶に入れる。
そして思いっきりバシャバシャと振る。
「これ楽しい!」
「これなら魔法でできる」
ルルは物理的にシャカシャカ揺らしていて、カレイナは俺にはわからない魔法を使ってブンブンと回していた。
ルル、カレイナに張り合って、めっちゃ揺らしてるけどきつくないか?
「ルル? 疲れないか?」
「ユウキ、これくらい余裕」
余裕らしい。しばらくして脂肪分と生クリームに分離したので、脂肪分は何かに使えると思ってアイテムボックスに瓶詰めして残しておく。
生クリームはカレイナの氷魔法で冷やしてもらった。
生クリームをそのまま使う分とバターの分に分ける。
瓶をもらって、四分の一くらいまで生クリームを入れて、蓋をしてから音がしなくなるまで振る。
これはコビーさん達が楽しそうにやっていた。
ちなみにバターやチーズの作り方は現代地球の配信のコメント欄に教えてもらった。
瓶の中身を割りばしでかき混ぜ、水分は別の容器にあける。
塩で味を付ければ完成だ。
作ったバターを食パンを出して火で炙り、食べてもらう。
「これ、ユウキの家で食べさせてもらったものですわ!」
「自分たちで作ったっていうのもあってとっても美味しい~」
キルリアさんとアーシアさんはうっとりしてるな。
確かに俺の家で出したな。でもあの時はマーガリンだった気がする。
チーズを作るのはもっと簡単らしい。
牛乳を焚火台で温めて、沸騰寸前にレモン汁を加えて軽く混ぜて、火を消す。
分離したら布巾でこして搾る。カッテージチーズとホエーができる。
「この透明なのは飲み物なの?」
カレイナが聞いてくるので、ママゾンでマーマレードとはちみつを加えて、皆に渡す。
「ちょっと甘くて、何か元気が湧いてくる!」
「ユウキ、これも売ろう! 人気でるぜ!」
カレイナとコビーさんが幸せそうな顔をしながら俺に勧めてくる。
ちなみに俺は飲めない。何故なら、花粉症アレルギーがひどすぎて、はちみつを飲むと胃に穴が開くからだ。はちみつがかかったポテチを食べて、その後胃痛が収まらなくなり、二週間入院したのは辛かった。
俺はアレルギーが合って飲めないからみんなが飲んでほしいというと理解してくれた。
異世界にもアレルギーはあるらしい。
作り方を牧場の人に教えるとめちゃくちゃ感謝された。
これから研究して色々なチーズを作ってほしいな。
「ユウキさん、ありがとう! 貴方は本当に森の賢者だ!」
「僕の居た世界では当たり前に知られていることなので大丈夫ですよ」
「これは商業ギルドで作り方を登録してほしい」
後でバンズさんに話そう。
次はバルクの街近郊の森でオークを狩る。
オーク狩りはコビーさん達が張り切ってしてくれた。
コビーさんがタンク役でアーシアさんが魔法を使う。
「ぎゃああああす!」
オークのうるさい声が響く。
オークが丸太でコビーさんを殴りつけるが、盾を構えたコビーさんはびくともしない。
フレイさんがロングソードでヒットアンドアウェイで足を攻撃する。
「水よ、刃となり、敵を切り裂け!」
アーシアさんの詠唱が発動した。アーシアさんってめちゃくちゃイケボなんだよな。
無口なのにイケボってどういう事?
水魔法は足の腱を切り裂き、片膝をつくオーク。
キルリアさんはコビーさんに継続する回復魔法をかけている。
弓使いのポリーさんがオークの目玉に矢を突き刺した!
「ぎゃあああ!」
目を抑えてのけぞるオークにフレイさんが近づき……。
「一刀で切り裂く! アークセイバー!」
ロングソードが光り、三日月の刃となってオークの首を断ち切った。
オークは倒れて戦闘が終わる。
「いやーすごいな。コビーさん達の鬼に金棒の戦い、かっこいい!」
「ルルも戦いたかった」
「基本に忠実で良いパーティー」
俺が拍手をする中、ルルはぼやき、カレイナはコビーさん達をほめている。
すぐに解体が行われるが、俺が待ったをかける。
「血抜きと内臓は慎重に取ってくれよ!」
「血抜きって何だ?」
そこからかい! どうやら血抜きをせずに肉を解体していたらしい。
そりゃあ臭みや、固さも出るわ。
オークの死体をロープで縛り上げ、木につるす。
血抜きをしたら、内臓を慎重に取りだして、食べない部分は土に埋める。
脂がのっていて旨そうな肉になったぞ。
あ、現代地球の配信では戦闘シーン以外はモザイクがかかってるらしい。
そりゃそうだよな。マリア様に感謝だ。
後はもらった牛乳にオーク肉のブロックを漬け込む。
そうこうしているうちに日が落ちたのでバルクの街に戻った。
商業ギルドのバンズさんの所に行って、チーズとバターと生クリームの作り方をレシピとして商標登録してもらう。
これはハンネスとの争いになっていないものだからな。
レシピの使用料として二割をもらうことにした。
「そんなに少なくていいのですか?」
「なるべくいろんな人に使ってもらいたいので良いんです。牛乳の良さを他の人にもわかってもらいたいですし」
商業ギルドのバンズさんや他の受付嬢にも感謝された。
剣とフォークの宿に行き、人数分の部屋を取ろうとしたのだが。
「ユウキはルルとクリスとカレイナとカゲと一緒の部屋」
ルルににっこりと圧のある笑顔で押されて、無言で首を振った。
俺は空気の読める男。もう色々と諦めている。
明後日の料理対決が楽しみだな!
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