第十二話 シャドウライガーとの再会。Sランク美少女のおまけつき
俺たちは、神聖の森を進んで行く。
そして拠点にしていた、水場のある森の開けた場所に来た。
「ここが俺とルルが拠点にしていた場所です」
「ここか! キャンプにはちょうどいい場所だな!」
コビーさんが大きな声をあげる。
俺とルルとクリスは三人用の大きなテントを張る。
キャンプ用品は自由に出せるので、コビーさん達用のテントも貸してあげた。
順番通りに組み立てればなんてことはない。
テントを立てて、ペグを打ち込んで固定すれば完成だ。
スラとライムは水場を跳び回っている。
とてもかわいい。
「今日は特別な肉を出しますよ! 皆で宴会しましょう!」
「⁉ にく!」
「それはいいですね!」
俺の言葉に嬉しそうにするルルとクリス。
今日は雨が降っているので、拠点を立てるのには向かない。
一日おやすみにしても、大丈夫だろう。
焚火台を貸してあげて、その前に若い木を切って壁のように風を遮るものを作る。
よくあるブッシュクラフト的なやつだな。
「ユウキ、それは何の意味があるんだ?」
コビーさんが聞いてきたので風よけになると説明すると納得したのか自分たちの焚火台に風よけを始める。
焚火台は薪が燃えている。
もういい頃だろう。
「てってれ~! 飛騨牛、サーロインステーキ!」
ユウキは岐阜に住んでいたので、岐阜県の飛騨名産のブランド牛のお肉を人数分買う。
飛騨牛は一枚一万円くらいした。
ルルはなんてことない顔をしていたが、クリスとコビーさん達ははあとため息をついていた。その内、どんなスキルだと問い詰められるな。
コメント欄は飛騨牛を羨ましがっている。
ちくしょ~! 俺も異世界行って配信で稼ぎたい!
飛騨牛は旅行で食った以来だな。俺も食べたい。
残金はスパチャ代だけだと百六十万円くらいだ。
チャージしてない金貨は八十四枚くらいあるから余裕だ。
まだチャージしてないお金が八百四十万円くらいある計算になる。
飛騨牛のサーロインステーキを十枚ほど買っておく。
何となく足りない気がしたのだ。
コビーさん達にもバターを溶かしたスキレットを渡しておく。
「なんだ、このフライパン!」
「材質は何なんだ?」
「……!」
「これで肉を焼くのは贅沢ですわ」
「バターもとってもいい香り~!」
飛騨牛のサーロインステーキを焼き始めるとジュウという音が響き渡る。
ブランド牛の持つ美味しそうな肉の香りにルルたちとコビーさん達はくぎ付けだ。
ん~? 米もやっぱり欲しいよな。
俺は無洗米を買って、水を引き、飯盒炊飯をする準備をする。
「皆、米はいる?」
「コメ?」
「何ですかそれ?」
おう。やっぱりここら辺では米は食べられてないみたいだ。
俺の国の主食だというと食べてみたいという声が上がった。
コビーさん達も食べたいという事だったので、焚火台に飯盒炊飯をしていく。
飯盒炊飯はキャンプで何度もしているが方法は一応言っておく。
分量通りの水を入れて三十分ほど浸す。
中火で飯盒を火にかけ、沸騰したら、吹きこぼれが少なくなる。
火から遠ざけ、飯盒を逆さにして十分蒸らす。
米を炊いている間に飛騨牛のサーロインステーキが焼きあがったようだ。
ルルに最初にあげる。
「! 口に入れたらトロっと溶けて消えちゃう!」
「そうだろ? 飛騨牛は本当にうまいんだ」
クリスも口に入れると美味しそうに頬を抑える。
「ん~! お肉がとっても美味しいです!」
「こっちも焼けたぜ! ってフレイお前取るなよ!」
「美味い! 何だこの肉は! 脂もしつこくない。塩と胡椒が効いていて本当にうまい!」
コビーさん達も焼けた飛騨牛を仲良く食べていく。
すると、昼なのに、目の前の水場に影が登場した。
俺たちのテントの前まで来て、伏せの様なポーズをしている。
「おい! これは魔物か?」
「これ。シャドウライガー」
ルルの一声で黒い毛並みが綺麗な二メートルほどの狼が登場した。
目は金色で目の前のサーロインステーキにくぎ付けになっている。
こんな時は魔物と話すスキルだな。
「貴方がシャドウライガーですか?」
『左様。わらわはシャドウライガー。美味そうな匂いがしてきてしまった』
「良かったら、お肉焼きましょうか?」
「良いのか? 人の子よ」
何となくこうなる気はしていたので俺の分に焼いていた飛騨牛のサーロインステーキをシャドウライガーにあげる。
『なんだ⁉ 美味すぎる! この肉は力がみなぎってくるぞ!』
「シャドウライガーを手懐けている⁉ ユウキは何者なんだ」
「古の賢者」
シャドウライガーが美味そうに肉を食べる中、コビーさん達がわいわい騒いで、聞きなれない、高く透き通った声がする。
「ん? 今俺たち以外に誰か喋ったか?」
「私が喋った」
何か誰もいないところから声がするな。
すると虚空から、銀髪のお胸がとってもはちきれんばかりの綺麗な美少女が現れる。
耳長の鼻が高く、小顔のモデルさんみたいな顔だ。
「あ、あれは! 伝説のSランクの冒険者。カレイナさん⁉」
クリスがびっくりした様子で声を出す。
Sランク冒険者⁉ 確かになんか迫力が凄い。
ルルとコビーさん達がテントから飛び出してきて、雨に打たれながら警戒している。
「そんなに警戒しなくていい。私は古の賢者に会いに来た」
「その古の賢者ってもしかして俺か?」
「そう。虚空から古の魔道具を操り、世界を変えていく存在」
なんか、俺ってめちゃくちゃ過大評価されてない?
ってかSランク冒険者がここまで何の用なんだ?
少しの沈黙と警戒心が渦巻く中、カレイナさんは口を開く。
「私にもそのお肉、頂戴?」
ズコー!
お前も肉欲しいんかい!
食いしん坊美女可愛いw




