NO、2-5
転んだ
あいたたた
誰だよ……まったく
「ここ濡れたままにしたのは!!!?」
叫んだ、お察しの通り僕ではない
外崎だ
横を見ると戸崎も一緒にスッ転んだようだ、外崎は足を片方抱えたまま上目遣いで階段を睨み付けてる
すっかりそれにビビッタ俺は何も言わずにキョトンとしていた
「ははははは」
後ろからムカつけるほど甲高くて大きな笑い声がした…紗奈だ
「何笑ってんだよー、おめーさー!!」
少しばかりキレかかった外崎が怒鳴る
「だって面白いんだもん(笑)」
と紗奈は階段の手すり、俺らが見える側を指す
『滑ります注意!!!』
と、ばかげた紙が張ってあった
「ちゃんとまえみようねー♪」
そういいながら、紗奈がズカズカと階段を上って…滑った
「ははははー(笑)」
おめぇもじゃねぇかよ―――
***
朝っぱらからの保健室
三人仲良くそろって頭を冷やしていた
「いたたたー」
三人同時につぶやく、そのハモリに笑う
三人同時に足を組んで、三人同時に見つめてあって、ほほを赤くしてまた笑う
「あーあ、こういう日もいいもんだね(笑)」
また、同時に言って笑う
***
メンドクセー授業が全部終わって、ダダダダダっと、たくさんの生徒たちが駆け下りていく。「なー今日ムックいかねー?」「あぁーいいねぇ―――」、「今日のあれ見る?」「もち、むるにきまってんじゃん♪」などと今日帰ってから何をやるかを話し合っている、浮かれている。まぁ夏休みになるんだから仕方がないか…うん。そう、明日から夏休み。もちろんそんな浮かれたことをいっているのは一年共のみ
自分の通知表が恐ろしくて開けない、二年、三年は黙りこくってている
「神薙ー!」
駆け寄ってくるのは彼女の…じゃなくて、委員長の「伊瀬 優夜 (いせ ゆうよ)」伊瀬さん、今日もお美しい!、ほんと抱きてー(じょうだんすよ)うん、じつは彼女
「何?」
と無愛想に、そっけなくメンドくさく返す俺に
「もう、ホント無愛想ね……」
いつもならここで、「まじか・・・」的なことを言える俺のはずだがそれどころじゃない。
「わりい、今日は構う暇がない」
実は授業中、簡易転送装置に連絡が入っていた
「無理やり転送は流石にまずいと思ったから感謝しろよな!!けど、18時までに支度してないと強制転送ね♪❤」
と、可愛く書いてあった
やばい・・・あと15秒
焦りに焦りまくる、冷や汗がとまらない・・・。どくどくと胸の高鳴りが別の意味で高まる。そりゃそうでしょ?だって転送装置でしょ?いきなりピュン!!って消えたらドウスンねん!!
「とりあえず、といれトイレ!!」
俺は個室便所のドアを開けて・・・むしろ飛びこみながらドアを閉めた。
ジジジジジジジ
「わわ・・・わ」
消える?これ消える?
始めて向こう言った時は気絶してたからな
ポコン、と可愛い音共に視界が・・・視界がずれた
無理やり転送
今回も人物紹介
蒼井 紗奈
身長152
性別女子
元気っ子
けど、運動音痴
以上
なんかこの先巻き込まれるような予感はあるよ