1話 始まりの始まりの大草原
この物語は、フィクションです。
登場する、名前、名称、とう、架空のものです。
ので、気軽に楽しんでいただけると、幸いです。
美しき森の奥、光り輝く水晶の城、
本来なら、清浄な気に満ちた美しきエルフの都、
だが今は、
暗雲垂れ込め、爆炎と血と煙が満ち溢れる、
魔王軍との戦の渦中にあった。
戦いは、一方的な者で、
エルフの都は滅亡直前である。
それは、
精強な魔王軍、
全軍による奇襲が成功してしまった為で、
瞬く間に、前線は崩壊して、
今の状況に至ったのである。
「、、なんで、こんなことに、、」
狼狽えるエルフの将兵たち、
もはや、指揮系統は、分断され、
王族達の安否もわからぬ状況である。
そして、黑き鎧の将が全軍を指揮しながら、
迫って来る、
将は、今代の魔王、ドラゴ・ナイトメア、
彼は、武勇を以て魔王の座に着いたのだ。
その為、彼は最前線で戦う事を好んだ。
「、、ふむ、ほぼ全軍崩壊したな、、、
殲滅戦を開始せよ!」
全軍は、歓喜の声と共に突撃を開始したが、
魔王の傍らの黑き鎧の女騎士が、
後ろから進言した。
「、、怖れながら陛下、、、
まだ、崩壊していない部隊がいるようですが、、。」
魔王は、薄く笑いながら、こう答えた。
「、、ふふ、、わかっておる、、、
あれは、例の第八王子の部隊だ、、
一度、手合わせして見たいと、思っていた。」
「、、すいません、出過ぎた事を、申し上げて。」
「、、かまわん、、知っているか、
奴は、何でも、エルフのくせに、弓矢が、
ド下手だ、そうだ、
だが、戦士としての評価は高いらしい、、。」
「それは、何と言うか、、
わざわざ、陛下がお相手しなくても、
よろしいような、、、」
「そうかもしれん、、が、少し興味が湧いたな、。」
魔王達が観ている部隊、
第八王子の部隊は、全員、赤い鎧、いや、赤備え、
つまり、全身赤色で統一しており、
さらに、他部隊と違い、士気が高いままだった。
やがて、魔王軍の大群に包囲を突破して、
2人の騎士が魔王の前に躍り出た。
「第八軍が将!第八王子、
ダニエル・グリーンウッド・クリスタニア!」
「同じく!副将!第十二王女、
リニリディア・グリーンウッド・クリスタニア!、」
魔王は、満足気に一歩足を進める、
「第八王子よ!一騎討ちと洒落込もうではないか!」
ダニエルは、軽く頷く、
すると、リニリディアは、剣を納めた。
そして、闘いは始まった。
それは、次元を越える闘いで、
世人に手を出す事は出来ないものであった。
「わはははは!これ程とは思わなかったぞ!」
魔王は闘いの歓喜に満ちていた。
が、それも、ダニエルの剣が、砕け散るまでだった。
ダニエルの剣もミスリル製の名剣であったが、
魔王の魔剣には、遠く及ばなかったのだ。
ダニエルは、大きく間合いを取り下がった。
「どうした第八王子、代わりの剣は無いのか?
何なら、こちらから貸そうか?」
第八王子は、
「俺は戦士だ!得物を変えてもいいか?」
「かまわんよ、こちらも、早く闘いたいからな。」
「リニリディア!槍!」
「はい!兄様!」
妹は、魔法袋からダニエル愛用の槍を出して、
兄に手渡した。
「ほう、槍か、、」
そして、再び闘いが始まった。
しかし、
今度は、完全に魔王が押され、
やがて、防戦一方に成ってしまったのだ。
「陛下!」
黑き鎧の女騎士が剣を抜き、加勢に入ろうとした。
「下がれメンディ!」
その瞬間を逃す程、彼の槍先は、甘くなかった。
その槍先は、魔王の胸を、心臓を貫き肺を貫き、
背中から姿を現している。
「ククッ、見事だ、だが、、、」
魔王の全魔力が剣に集まり、
魔王の呪いの呪詛も剣に乗り、
渾身の一撃が、その特大の光弾が、ダニエルを襲う。
彼は、咄嗟に槍を抜き、それで、受けたが、
槍は粉々になり、鎧も兜も籠手も具足も、
粉々になっていき、
勝負の着いた上空から遥か彼方に飛ばされて、
その姿は見えなくなった。
上空からパラパラと落ちてくる槍を見て、
思わず、膝をつくリニリディア。
「、、神槍ブリュナークが、、粉々に、、」
少し経つと我に帰り、
「あ、兄上?兄上ー!」
リニリディアは、その場から姿を消した。
一方でメンディも、上空から地面に叩きつけられた、
魔王を抱え、叫び続ける。
「陛下!陛下ー!」
彼女に抱き抱えられた魔王は、最期の言葉を残した。
「、、メンディ、、後の事は任せる、、
あの槍は砕いた、あの者の意識も消滅させた、、
例え生き残っていても、目覚める事は無い、、
安心して、事を進めるが良い、、、、」
「はい、陛下、?陛下、陛下、陛下ー!」
この戦いで、今代の魔王は戦死したが、
この事は、伏せられ、
そして、
エルフの王国
クリスタルキングダムは、
この日、
滅亡した。
俺は、梶原 景学、60歳、
今、何処かの大学病院の緊急救命集中治療室にいる。
ちょとしたドジで派手にコケ、
顔面からコンクリートの地面突っ込んだ。
悪い事に、咄嗟に顔面を庇う為、
顎を引き、おでこから突っ込んだのだ。
何が悪い事と言うと、
俺も知らなかったのだが、
自分の身体は、まぁまぁ珍しい、
後縦靱帯骨化症だったのである。
それは、
今は原因もはっきりと解明されてなく、
これと言った治療法も無い、
一応、難病指定の病気らしく、
要は、脊椎内の、それを支える後縦靱帯が、
骨に変わったと、言う事で、
結論、
普通の人なら、おでこで受けた衝撃は、
脊椎内の髄液で、衝撃は緩和され、
大事に至ら無いのだが、
骨化が進んでいる俺に、大した隙間も無く、
衝撃が脊椎の中心を破壊したのだ。
したがって、
今、俺は俺の身体、指一本動かせ無い。
それどころか、命の危機である。
どうも身体の麻痺は、全身で起きているらしい、
意識ははっきりしているが、
喋る事すら出来ない。
声もはっきり聞こえるが、反応のしようもない。
そして、どうやら俺は今夜が山らしい。
すまん、孝久、弟よ、後は頼む。
愛する姪が、泣いてるのが分かる、
許してくれ、俺もこんな事になるとは、
思っていなかった。
どうやら、長く無いのかも、
どんどん、記憶が蘇ってくる。
まぁろくでもない記憶だ、
仕事では手柄は周りに取られ、
ミスは、全部なすり付けられた。
ハガみたいに、子供の頃言われた言葉をまにうけ、
「若い時の苦労は、買ってでもしろ、」
その通りに、何でもやった、人のやがる仕事でも、
結果、
疲労困ぱいするだけで、
何も得る物も無かった。
挙げ句、皆んなの為にと、自衛隊に入り、
頑張ったもんだ、当時、不発弾清掃の危険手当が、
100円の頃の話しだ。
頑張った、俺は頑張ったんだ〜
だが、
当時の政権下では、自衛隊不要論が蔓延しており、
俺が自衛官だと分かると、
税金ドロボーと罵られ、
時には、石など、いろんな物を投げつけられた。
確かに、武力じゃなく、
話し合いで、全て治るなら、その方がいいよ、
俺もそう思う、
だが、
現実を見ろってもんだ、
周辺各国は、日本人じゃ無いんだ、
話が通じる相手じゃない、
相手が、日本人なら、何をしても良いと、
言うのが大多数の国々なのだ。
そんな、野獣の様な周りから、
日本人を、皆んなを守る為に、
頑張ってた俺は、
遂に心が折れた。
飛行機事故悲惨な事故処理、
俺達は、自分たちの使う毛布を持って行き、
ご遺体を包んで、丁寧に搬送して、
頑張り抜いた。
洗濯しても、中々落ち無い死臭、
そんな事にも耐え、頑張っている俺達が、
税金ドロボー?
常日頃、大災害に備えて、避難所の確認保守もして、
侵略させ無い為に、厳しい訓練にも耐えて、
とても、安い給料で、日夜頑張っている俺達を、、
あの頃の悔しい記憶も、過ぎて、職を変え、
やがて、
人生に迷ってた中年期、
色んな占い師にハマってしまった。
おかげで、
人生の幕を閉じる今日まで、独り身になった。
ただ、本当か嘘か、全ての占い師が、
俺は、大器晩成で、60歳過ぎたら、
どんどん幸運がやって来るとの事だ。
お〜い、その前に、俺、死にそうなんですけど〜
この走馬灯と言う奴は、よくわからない。
次々と流れて子供から、生まれた頃に、逆行し、
更に、生まれた瞬間、それどろか、
お腹の中の記憶、
おっと、これは、夢か、
何と、光の渦から出てきた俺は、
二柱に手を引かれて、両親の前に着いた俺に、
指を差し、中に入る様に促された。
、、そうか、俺はこうして生まれる事になったのか、
そして、
一気に、60歳まで、記憶が進む。
どうやら、俺は、本当に死ぬらしい。
色々と医師は手を尽くしたらしいが、
全身麻痺は、内臓にまで及んでおり、
最終的には、多臓器不全で、心臓も止まった。
心臓が止まったのだが、少しの間は、
意識があるらしい。
ただ、数秒の事なのだが、その数秒は、
俺にとっては、数十分ほどの時間に感じられた。
麻痺のせいで、感覚は、わからないのだが、
聞こえる声の位置から、
俺の胸の位置で、愛しき姪が泣いてる。
その後ろに、孝久がいるらしい。
心の中で、2人に感謝を述べて、
幸せを祈り、
そして、意識が遠のいて行った。
こうして、
俺は、現実世界をドロップアウトした。
真っ暗、真っ暗、あれ?
後頭部に何か柔らかいものが、
なんか、あれ?風を感じる、、
あれ?
指、動く、
「?、大丈夫ですか?もし?」
う、眩しい、、
「、、ここは、?、」
気がついたら、見知らぬ美少女の膝枕の上にいた。
このまま寝ていたいところだが、
身体は動きそうなので、起き上がる事にした。
「、すいません、、状況が、わからないのですが、、
聞いても、よろしいですか?」
目の前の美少女は、
何となくシスターの様な服を着ている。
「、あ、はい、私は、旅の修道女、
ミリアリアと申します。
ここを通りかかったら、
エルフさんが倒れていらしたので、
介抱差し上げていました。」
「はあ、エルフさん?ん、ん?
エルフさん〜⁈」
手で顔を触り、耳を触り、髪の毛を引っ張り、
って、金髪〜⁈
「え、え〜!?俺、誰〜?」
「え〜⁈」
2人して、驚きまくる。
そして、ここは、草原だ、草以外何も見えない。
「あの、記憶が、無いのですか?」
自身を観察しても、服もボロボロになって、
本当に、何が何だか分からない。
「、、ん〜、何にも、分からない。」
「困りました。どうしたら、、、
まず、名前が無いのも、困ってしまいますし、、」
「、、それじゃ、俺のことは、
ガガ、と呼んでください。」
「、、、それじゃ、ガガさん、、
提案なのですが、この先の少し栄えた街の、
修道院に、とてもお世話になっている、
私の先輩が居るのですが、
とても優れた鑑定スキルをお持ちで、
先輩なら、ガガさんのお力になれると、
思うのですが、、、どうでしょうか?」
俺は、この状況が全く分からない、
ただ、昔、占い師にハマった頃、
自分でも、かなり勉強して、観相学なども、
ある程度、習得済みで、
彼女の人相を見るに、かなりのお人好しで、
善人である。
こっちが心配しなければならないくらいに、
よって、断る理由は無い。
俺も、情報が欲しい。
「、、すいませんがよろしくお願いします。」
彼女は、満面の笑みで、頷いた。
「はい!わかりました。」
「、、ところで、鑑定って、、
おいくら位、お金かかるのでしょうか?」
「、え、いいですよ、私が立て替えますので、」
「いやいや、そう言う訳にはいきません。」
「そうですか?でも、ん〜大体、
相場は金貨100枚位ですね、ですから、
やはり私が立て替えますよ。」
金貨100枚って、、なんか、すごそうだけど、
確認したが、俺は、一文無し、
それどころか、何も持っていない、、
「、、すいません、ミリアリアさん、、
働き口がほしいのですが、
どうしたらいいでしょうか?」
「、、働き口ですか?、、、」
こうして、草原にポツリと立つ俺は、
就職活動をすることにした。
第1話 完




