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依頼失敗?

なんやかんやあって今S級冒険者と謳われる二人とドラゴン討伐のために冒険が始まった!!素晴らしく光栄なことであろう。俺が命を狙われるモンスターでなければ。


「聞きたいことがあるんだけど答えてくれるかな?」


「答えたら生きられそうですか?」


「かもね」


(かもねって何?無責任なこと言うなよ!)


「何でも答えます!」


横目で顔を見ると今にも殺してきそうな顔をしていたから咄嗟にこたえた。


「鬼を知ってる?」


意外な事を聞かれた。確かに一度それに会った。しかし一方的に上下関係を分からされただけ。こいつらより特別な事を知ってると思わない。


「知らない。」


「そっか。」


すごい殺意を感じた気がしたが、その殺意はどこか遠い所に向いていた。ちゃんと答えたし、やられる道理はないからね。


「森が見えて来たね。はぐれないようにね。」


「はいはい。」


(ずっと見張ってるくせに)


半ば諦めて足を前に進める。段々足が軽くなってきた気がする。何か全てから解放されるそんな晴れ晴れとした気分になってきた。


「おい!」


「モンスターが消えた!?感知できるか?」


「出来ない。完全に消えている。」


「なら、帰ろうか。欲しい情報も得られなかったことだし。」


「わかった。」


「それにしても、一体何処に消えたんだろ。」


森の奥に歩く人影に尋ねる声がする。


「何者だ?」


聞き覚えのある言葉が耳にはいる。ほんの少し前までずーっと耳にしていた言葉だった。


「人の形を見るのは何千年ぶりかのー。」


木陰から老いたゴブリン達が歩いてきたた。


(ゴブリンの村がこんなところにもあったのか。…こいつらだけは守れるかな。)


そう考えながら苦肉の策をとる。


「下がれ、俺は人間だ。」


人の言葉で人間を名乗り後ろの二人に気付かれる前に逃がそうとする。


「嘘はいい、此処にはゴブリンしか入れない。」


(どういうことだ?)


その言葉を聞き半信半疑で後ろを見る。するとさっきまでべったりくっついていた二人の人間の姿がなくなっていた。


(助かったのか?)


張り詰めた糸が切れた気がした途端無意識にゴブリンの姿に戻っていた。


「若いのぉ。ふむ、何故此処に?」


「色々あって、人から逃げてここに…」


「ふむ、ふむ、さっぱりわからん。」


「えっ?!」


(何だこのお爺さん。ただのボケ老人か?)


「色々か、話してくれんかの?」


「長くても聞いてくれるなら…」


「嫌じゃ、短く話せ。」


(まじで何だこいつ。そこは構わんとか言う場面だっただろ。まぁいいか。)


そうして別世界から来たことから人間に命を狙われることになった原因を全て話した。


「長かったのぉ。」


「だから色々有ったって」


「お疲れさんって意味じゃ。これからは此処で暮らすといい。」


「えっ。」


(そうか、此処で暮らすっていう選択肢があったのか。)


この爺さんの口振り的にここは安全だろうし、ここにいることがゴブリンの自分としては正解なのかもしれない。


「悪いけど、俺はここを離れる。」


「本当にいいのか?」


「選択肢は一つでいい。俺達人間は不自由の中で自由を掴みとろうとする方が強くなれる。」


ここで生きていくことが安全ではあった。しかし、安全圏で暮らしても勝手に周りが変わるわけではない。自分ができることをしてみたくなった。


「そうか。お主はまだ若い。若すぎる。いずれ全てを知っていくだろう。そんなお主に一つしっておいてほしい。」


「なんだ?」


「ゴブリンは魔王にはなれない。」


「は?」


(なんだ?)


急なカミングアウトに言葉を失った。自分の決意、自分そのものを否定されたような気がした。


「それでも志すのか?」


人の姿に戻る。


「お前らみたいに出来ないからと何もせず安全圏で燻っている位なら無謀とわかっている挑戦をした方が幾分マシだ。」


気づけば言葉が口から出ていた。


「ほう、おもしろい。若者はそうでないとな。」


「…」


先程とはうってかわって言葉が口から出ない。喉元になにか詰まったように胸から首にかけて痛みを感じる。


「みせてもらおうかの。お主が足掻く姿を。」


耳元から声が聞こえた時には遅かった。すでに爺の腕は首元をまわっていた。


(ラリアット!?)


爺の姿が遠退いていく。


(糞爺が。)


「失望させてくれるなよ?」


森の奥に姿が消えていった。

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