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転生少女の覇道または邪道  作者: 濃姫
転生少女の巣立ち
13/14

仮面屋【D】

 ガヤガヤと騒がしくなった時間帯、目を覚ました。


 まだ頭痛は酷いが支払った分の対価を貰わなければ気が済まないため食堂へ向かう。


 とにかく人混みを分け夕飯の肉野菜を部屋まで持っていく。


 部屋について夕飯をテーブルに置いた途端ベッドに顔から突っ放してしまう。


 ガンガンと頭が割れそうだ。


 「シーク…、食べてろ」


 心配して頭をすりすり擦り付けるシークに目線だけで伝える。


 ホーッ…


 それでもまだ離れたくないのかずっと傍にいるシークの姿を最後にまた目を閉じた。


 翌日の昼頃、やっと全快して昨日の夕飯の皿を見るとすっかり空になっている。 


 ちゃんと食べたのがなによりだ。


 朝飯にはギリギリで間に合い昨日の夕飯の分も相まってきちんと完食できた。


 昨日の今日で散らかった設計図や素材を整理し鞄に直す。


 食後のデザートが無かった為果物を頬張る。


 苺と似た風味をして馴染んだ味わいだった。


 完成した小型通信魔道具を見つめては気分が良くなる。


 ホーッホーッ


 またしてもシークが身を寄せて甘えてきた。


 どうやら本気で心配させたようだ。


 「ありがとう、シーク」


 日課の手入れをする時間は貴重なふれあいがある。


 お互いの信頼の相互確認でもあり、愛着の強化にも繋がる。


 十分な手入れを終えシークを遊びに放つ。


 私も気分転換に外に出た。


 もう日が高く上っているせいか賑わいが凄い。


 客引きもちらほらと見られる。


 適当に散策していると古本屋が目に入ったため中に入る。


 既に読み終えた本を売却する。


 これと同数の本を買うのを条件に少し値上げに成功したのは言うまでもない。


 前の店では取り扱っていなかった本や所々抜けていたシリーズの本を手にとってレジに並べる。


 結果売却含めて金貨三枚で買い買えることが出来た。


 ついでにスラムにも足を伸ばすか。


 録に清掃も行き届いていない路地に足を踏み入れれば腐敗臭が鼻を掠める。


 スラムの住人が格好のカモだと襲いかかるが使い捨てのナイフで喉元を串指す。


 全て屍に戻した後静観していた子供に


 「D」


 と呟くと、

  

 「此方です」


 ようやく案内人が口を開いた。


 この世界の住人でなければ決して辿り着けないであろう道沿いを辿る。


 案内されたのは魔術で精巧に隠された地下。


 階段を降りた先にさらに重厚な扉があり中から

 

 「入ってどうぞ」


 どうも優しい声が招いた。


 彼の言葉が合図なのか扉は自動で開き中に入ると閉まった。


 「珍しい。小さなお客さんだね」


 散々言われ続けた言葉だが何故か彼が言うと嫌な気はしない。


 この時点でかなりに気に入ったのが分かる。


 彼の独特な雰囲気、朗らかな声のトーンとふわついた声色に絆されていた。

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