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鳴き骸

作者: タムラ ユウイチロウ

起きたらまずは自問自答

歩道橋の真ん中で

虚ろな目をした老父が笑う

午前の陽気に小鳥の亡骸

涙を流して舌を切る

歪みきった世相をあやして

年々ころりと死んでゆく


嗚呼そうだね太陽は

北から南に沈むよね

蚕の繭に包まれ眠れる

今日明日明日を待っている


軒並み徒波夕方こちら

立法cmの中心で

宿を無くしたヤドカリぽろり

彼岸の波にさらわれた

白く輝く魂の

質量無料で買い取りできます

電電蒸蒸よろこんで


嗚呼そうだねお月様

磁場が狂って大惨事

引力斥力誤って

今日か明日にもやってくる


嗚呼そうだね人間は

死に体体をひきずって

ドンチキドンキチやっている

今夜は祭りか葬式か

分からずじまいで次を待つ

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