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【幼少期編・6歳】侍女マリア

コンコン


ノックの音に目を覚ますと

鳥のさえずりが聞こえてきた。


「はい」

ベッドから身を起こし声を掛けると

侍女マリアが戸を開けた。


「おはようごさいます。お嬢様。」

お辞儀をしたマリアの手には

ふかふかのタオルと

ぬるいお湯が入った桶が握られている。


タオルをお湯で濡らし

ティアナの顔を拭こうとした

マリアの手を止める。

「おはよう。自分でできるわ。」


濡れたタオルを受け取り顔を拭く。

「ふぅ」

さっぱりして気持ちがいい。

「ありがとう」

にっこり笑ってタオルを返した。


マリアはキョトンとした後

「良い夢を見られましたか?」

訪ねるように優しく微笑んだ。



マリアはクロウド家に努めて1年がたつ。

物心がついてきたティアナに

少しでも年の近い専属侍女をと選ばれたのが

19歳の時にライトロード魔法学院を

女生徒の中で1番優秀な成績で卒業した

ネージュ子爵家三女のマリアだった。

マリアと現しているような明るい茶髪に

癒しの力を持つ優しい新緑色の瞳。

どれだけ理不尽で横柄な態度をとられても

マリアはいつだってティアナに優しくしてくれた。



ティアナの教育方針は

褒めて煽ててやる気を出さす。

周りの人間による涙ぐましい努力と工夫の力によって

淑女ティアナが完成していたのだ。

・・褒めて伸ばすって言っても限度があるだろ!


記憶が戻る前のティアナは

悪役令嬢の才覚を表していて(嬉しくない)

周りに傲慢な態度をとっていた。


そんなティアナが

笑顔でお礼を伝えたものだから

驚かれるのも無理はない。

きっと良い夢を見たから

ご機嫌なんだと解釈したのだろう。


褒められるだけの環境は子供によくない。

弟になるギルベルトのためにも

少しずつ改善していかないとね。




白いレースが飾られた

軽くて動きやすい黄色のワンピースに着替え

マリアに手を引かれて

ダイニングルームへと向かった。


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