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シリウス、レオンとの再会(2)

ピンク色のふわふわウェーブの髪に薄い茶色の瞳。健気で優しい王道ヒロイン、アリスがこちらを振り返る。


「アリスです。よろしくお願いしまーす。」


(ん??)


立ち上がり振り返った少女は、可愛い声でぶっきらぼうに挨拶をするとすぐに席についた。


(あれ?アリスってあんな感じだったっけ・・)

庇護欲がそそられる小柄で可愛い姿も、女の子らしい可愛い声も、ゲームそのままの王道ヒロイン"アリス"のはずなんだけど・・どこか違和感を感じたが、次の人が立ち上がり紹介を始めたのでティアナはそちらに意識をうつした。



次々と自己紹介が続き、ティアナの番になった。


「ティアナ=クロウドです。よろしくお願い申し上げます。」

カーテシーでお辞儀をする。


「ほぅ・・」どこからともなく息がもれる音がする。


ふと、アリスと目があった。

アリスは乗り出してくる勢いで前のめりになり、こちらを凝視している。瞳はきらきらと輝き、頬はピンク色に染まっていた。



シリウス、レオンと続き自己紹介は終わった。ルーカス先生から授業についての説明が始まる。


「みなさん授業の履修登録は提出しましたでしょうか?定員に達した科目は抽選となります。結果は、本日の18時以降に返却しますので寮内で受け取り、明日の朝に追加履修を提出して下さい。授業は2日後より開始します。」


授業についての説明を聞き、あっというまに60分だ経った。

「初日なので、ここで一旦休憩をはさみます。次は20分後に初めますのでそれまでに席に着いていて下さい。」



ルーカス先生の合図で休み時間に入ると、隣の席に座るシリウスが口を開いた。


「体調はもう大丈夫なのか?」

「はい、もうすっかり。魔力も元に戻りました。」

「そうか・・、良かった。」

ーーと、

「シリウス殿下」

「あ、呼ばれているからまた後で」

話していると、ルーカス先生に呼ばれシリウスは席を外した。


「では、魔法実技の授業も履修登録を?」

シリウスが席を外したタイミングで、いつのまにか隣に来ていたレオンに話しかけられた。


「はい。2年のブランクがあるので単位の高いものを中心に選んでいます。」

「講義はどこまで?」

「一応、上級まで全て履修は修了しています。」



魔法学は基礎講義を修了しなければ、実技の授業を受けることが出来ない。ほとんどの人は10歳で下級魔法の基礎講義を修了し、学園生のうちに下級魔法の実技を受け資格を取得する。

ティアナの場合、魔法に特化したクロウド家で講義は上級まで全てを履修しており、単位申請をしたのですぐにでも実技魔法を履修登録することができた。おそらく、今の話でレオンも理解をしたのだろう。



「さすがクロウド家だな。」

レオンは無表情な顔を少し緩ませて感心した様子で頷く。その横顔に幼い日の面影が重なり、頭の中に5年前のレオンが浮かんだ。


(昔から大人びてはいたけれど・・かっこよくなったなぁ。)


「・・ところで。」

急に紫色の瞳と目があい、ティアナの胸がドキッと脈打つ。動揺が顔にでないようにと、ティアナはさっと視線を外した。


「なんで目を反らす?」


「え?」

(レオンに見惚れていたのがバレたと思ったからです!)

「・・・」

・・なんて言えるわけなく、言葉をつまらせる。


「ティア」

ため息をはくようにレオンがささやく。


「もう、昔のようにはしゃべってくれないのか?」

レオンの声は語りかけてくれているようで優しい。


ざわっ

急にクラスが騒めき立つ


ティアナが顔を上げると、


「!」


レオンが眉を下げ少し寂しそうな表情でこちらを見ていた。





(氷の貴公子って設定どこいった・・!?)

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