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ダンジョンもの  作者: 豚肉100g
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第8話

翌朝、培養部屋に行くとインキュベーターからあふれるほど菌糸を伸ばしていた。


「あーちょっと待ってね、用意ができてなかったよ」


弁天さんに声をかけつつコアちゃんのところに向かおうとすると、


「マスター状況は見えています。指示をお願いします」


ここはコアちゃんの中とも言えるから、わざわざ行かなくても見えていたのか。

って言うかだったら教えてくれても・・・なんて思いつつどうするかを考える。


ポットでこの勢いで増えたことを考えると、プランターとか用意してもあまり状況が良くなるとは思えないし、いっそ部屋ごと変えちゃおうか。


「コアちゃん私の考えが甘かったみたいだね。取り敢えずこの部屋の中のものは全部撤去して、部屋自体をインキュベーターみたいにできるかな?」

「了解しました。色々動かすので一度部屋から出てください。弁天さんはそのままで大丈夫ですしばしお待ちを」


外に出て数秒待っただけで終わったらしい。

中に入るとすっかり物がなくなっていた。


「それでこの部屋は完全に培養部屋として埋めちゃおう。取り敢えず弁天さんを真ん中に置いてっと。予想より遥かに増殖スピードが早かったから、この部屋も明日にはいっぱいになる気がするね。

スチールラックみたいなのを部屋にたくさん置ける?それで面積を稼ぎつつ弁天さんの胞子を明日には外に撒こうか」

「わかりました」

「弁天さんのご飯としておがくずと米ぬかを大量に撒いちゃおうか」

「袋で用意しますのでマスターが撒いてください。それとジョウロも出しますからまんべんなくお願いします」


弁天さんの横に紙の袋が積み上がったのでそれを撒いていく。撒きながら思ったけどコアちゃんがやればすぐ終わるような?

これからダンジョンのために働いてもらう、弁天さんのためだし頑張ろう。


結構な量だったので作業が終わる頃にはかなり疲れたけど、実際にはこの疲れは気の所為らしい。




予想通り次の日には足場もないくらい菌糸が伸びていたので、当初の予定をかなり早め、三日目にして弁天さんに魔獣の森支配地計画を進めることにした。


やり方は単純で、ダンジョンの入口になっているピットの周りに胞子を撒いてもらい、程よく菌糸が育ったところで支配地にしていくというもの。


支配地としてダンジョンと繋げるのにエネルギーを使うが、配下のモンスターが倒されると支配地を失うらしいけど、地面の中に広がる菌糸すべてを倒すのは難しいと思うし、そもそも見つけるのも大変だろう。


支配地が広がれば自然エネルギーの獲得ができるから、ピット作戦の様な運任せではなく、収支計算から今後の予定とかも立てやすくなるだろうしね。


外の様子がわかるようになれば、更に今後の活動方針も決められるというもの。


「取り敢えず数日様子を見つつ支配地域を広げていこうか」

「わかりました。配下のモンスターの状況はある程度わかりますので、なにか問題があったら報告しますね」

「よろしくね。私は特にやることもないから、部屋でボーッとしていることにするよ」






果報は寝て待てと言うけど、弁天さんのお世話以外にやることといったら、部屋の掃除やご飯の用意それに洗濯くらい?


一人になるといろいろなことを考える。


昔のことを思い出そうといろいろ考えているけど、勉強したり何かで覚えた知識は結構残っているけど、思い出や個人を特定するような記憶というべきものは、ほとんど思い出せない。


こういう暇なときって私は何をしていたのかな?


異世界転生でダンジョンマスターになったらやるべき!!みたいなことが思い出せたら良いのだけど、それもなかなか思い出せない。


ここ一ヶ月取り敢えず覚えていることをノートに書き出している。


なにか目標でもあればよいのだろうけど、支配地計画がうまくいったら、コアちゃんと相談して何か決めることにしよう。



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