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三章~10話 ダンジョンアタック二回目1

用語説明w

ドラゴンタイプ:身体能力とサイキック、五感が強化されたバランスタイプの変異体。背中から一対の触手が生えた身体拡張が特徴

ギガントタイプ:身体能力に特化した変異体。平均身長2,5メートルほど、怪力や再生能力、皮膚の硬化、スタミナの強化、高い免疫、消化能力を獲得

エスパータイプ:脳力に特化した変異体。サイキックと魔法能力が発達し、脳を巨大化させるため額から上の頭骨が常人より伸びる


俺達はポッドに乗って「下」にあるダンジョンへ向かった


加速と浮遊感が相変わらず気持ち悪い

目を閉じていると、また眠り込んでしまった


かなり深いところまで降りてきているようなので、ポッドからの脱出は危険すぎるな


目が覚めてポッドを出ると、今回のパーティ全員が無事に到着していた


エスパー、タルヤとアイアンメイデンのアーリヤ

ギガント、フアンと鉄拳のハンク

ドラゴンの俺


前衛、後衛、斥候とバランスはいいい


ハンクとアーリヤの二人は、さっさと情報端末を操作してダンジョンに入る報告を終わらせていた

慣れてるな


「ラーズ、よろしくね。フアンも」

タルヤが声をかけて来る


「ああ、よろしく。フアンも当てにしてるからな」


「あ、ああ…、任せてくれ」

フアンが頷く


フアンは銃をやめて斧だけを持ってきていた

どんなにマガジンを持ってきても、最下層までには弾が尽きるだろうから正解だと思う

その分、回復薬とか携帯食料を持てるわけだし

倉デバイスが許されるなら、俺も銃を使うんだけどな…


それに銃を持つなら、筋力があるギガントよりエスパーの方がいいと思う

でも、エスパーは魔法を使う奴がほとんどだからな…



フアンは、若干トラビス教官にぶっ飛ばされたのを引きずっているようだが、立ち直っていはいる

ナースさんの癒し効果は絶大だったようだ


チームワークは生死を分ける

精神面でのケアは大事だ


ちなみに、出発の際にトラビス教官がタルヤに二つ名を与えていた


雷属性を使うエスパータイプ

サンダーエスパーのタルヤ


「…」

タルヤは微妙な顔をしていた


そのままだもんなぁ


「目標はダンジョン制覇だ、期待している!」


そして、トラビス教官はアイアンカップルを激励していた

やっぱり、あの二人は期待されているらしい



「…おい、行くぞ」

ハンクが俺達に声をかける


「ああ、分かった」


ハンクとアーリヤがダンジョンに入って行き、俺達は慌てて追いかけた



「索敵は俺とタルヤでやる」


俺が先頭を歩き、五感での索敵

タルヤがテレパスの感知を展開しながら進んでいく


アイアンカップルのハンクとアーリヤは、すでに五階層まで進んだことがあるらしく、マッピングを終えていた

二人にナビをお願いしたため、俺達で索敵を請け負ったのだ



…アイアンカップルのハンクとアーリヤは強かった

第一階層では、三回ほど戦闘になった


「大ネズミが六匹だ」

俺が臭いで判別する


中に入ると、俺は流星錘で先制、その後ギガント二人で前衛に立ち、エスパー二人が後衛に陣取る

だが…



ゴッ! ドガッ!


シャキキーーーーン!



ハンクが近づいてきた大ネズミを拳で粉砕

更に、アーリヤが冷属性投射魔法で撃ち抜いて終了した


…凄い安定感だな


だが、この二人は俺達と積極的にコミュニケーションをとるつもりは無いようだ

必要最低限の会話をするだけで、後は特に接してはこない


…期待もしていないといった雰囲気だ



地下二階へ


「こんな簡単に二階まで行けるなんて…」

フアンが、感心したように言う


「全員が役割を果たした結果だ」


前回の俺達は本当に酷かったからな


各階層の間にある階段には情報端末が置かれており、階層ごとに負傷者の有無などを報告することになっている

到達ポイントもこれで計算されるのだろう


操作は慣れているアイアンカップルに任せた


…ちなみに、ダンジョン内の所々にカメラや魔玉が設置されている

それで、俺達の戦闘状況を観察しているようだ

教官が設置したのだろうか?



二階層も一階層と特に変わらない洞窟だった


「…次の部屋、モンスターがいるわ」


「羽音が聞こえる、飛行タイプだ。三匹くらいだと思う」


俺とタルヤが索敵し、モンスターの系統と数を推測する


「俺が先に入る。後から入って奇襲をかけてくれ」

先に俺が一人で入る


飛行タイプは、囮に集中させて奇襲するのが効率がいい



「キシャアァァァァッ!」


襲って来たのは、蛇に翼が生えたリントブレムというドラゴンの一種だ



ビチャ! ビチャッ!


毒液を巻いて攻撃してくる



よし、さっそく飛行能力のテストだ

飛行能力と言っても、飛ぶわけではない



ブオォォォォォッ!


水平に高速移動として使う



背中の触手に精力(じんりょく)を溜めた状態で逃げ回り、いざという時に推進力として利用する

パワードアーマーについているジェットスラスターのようなイメージだ



シャキーーーン!


バチバチバチーーーー!



冷属性と雷属性の投射魔法がリントブレムに直撃、落下させる


残り一匹だ



ブオォッ!


触手の推進力を、今度は上空方向へ



一気に接近し、流星錘でを投げつける



ゴシャッ!


「グギョッッ!!」



空を飛ぶとは予想していなかったのか、無防備に受けた流星錘の一撃で最後のリントブレムが落下

ギガントの二人がそれぞれ止めを刺した



「やったね!」

「おしっ!」


タルヤとフアン、俺はハイタッチをする


いい連携が取れている

まだ、誰も負傷していない


「…」

「…」


そんな俺達を、アイアンカップルの二人が見ていた



地下三階層


地下二階層では、二回の戦闘だけで済んだ

階段の途中にある情報端末の場所は少し広くなっていて休むこともできそうだ

だが、全員が変異体だけあって、まだ体力には余裕がある



ダンジョンは、階層が下がるごとに次元のずれが大きくなって行く


この世界は重なっており、次元がずれていくと物体としての比重よりの霊体としての比重が上がり、いずれは天界や魔界と呼ばれる世界に行きつく


つまり、次元がずれればずれるほど魔素が濃くなり、ダンジョン内に入り込むモンスターも強力なものになっていくのだ



…最初の部屋でモンスターを感知した


部屋が薄暗いので、夜目が効くモンスターがいるようだ


「タルヤ、雷属性で閃光を作れるか?」

俺はタルヤに尋ねる


「閃光? 投射魔法なら光ると思うわ」


「それじゃ、閃光を撃ち込むと同時に俺が入る。分散させるから、後から入ってくれ」


「分かったわ」


タルヤが、杖を構える



バチバチバチ!


雷属性の魔法が、閃光とまではいかないが、スパークして光を撒き散らせた

部屋が照らし出される



視界を潰し、俺が部屋に飛び込む


「シャドーゴブリンだ!」


完全に夜行性のゴブリン

闇に忍び、獲物を刈るゴブリンの亜種


その分、ゴブリンほど頭数がいない少数の群れだ



「ぎゃあっ!?」

「ぐごっ…!」


突然の光で目を塞がれたシャドーゴブリンが七匹


ナイフと流星錘を投げつけて三匹を負傷させる


だが…



ガキッ!


「くっ…!?」



二匹が錆びた短剣とこん棒で襲い掛かって来た


もう視界が戻ったのか!?

いや、まだ目が開いていない!


短剣をショートソードで防ぎ、こん棒を躱す

体を回転させながら、錘を叩きつける


…そして逃げる


俺一人で戦う必要はない

本隊へ敵が密集しないように、散らせればいいのだ



ゴシャッ


ドガッ!



あっという間に、シャドーゴブリンの対処は終わった

ギガントの戦闘力とエスパーの魔法力は圧倒的だ


体勢さえ整っていれば、このレベルのモンスターには負けない

個体能力が優っているのだ



「…何をやっているんだ?」

ハンクに声をかけられた


「今回、閃光で目が塞がったシャドーゴブリンに俺の位置を把握されたんだ。おそらく臭いだと思うから、シャドーゴブリンの腰巻を巻付けて臭いをごまかしてみようと思ってさ」


「そうか…」


珍しく、ハンクとの会話があった

いいことだ



次の部屋にはイノシシ型のモンスターが居座っていた

ハンクが突進を止めてアーリヤが魔法で止め

アイアンカップルすげーわ


結局、地下三階層は二回の戦闘だけで済んだ

いいペースだ



地下四階


俺達は黙々と進んで行く

全員に疲れが出てきている


体力的にはまだ大丈夫だ

負傷もない


だが、精神的な疲れだ

集中力が途切れて来る


「そろそろ、一度休憩を取ろう」


「賛成」「そうしよう」

タルヤとフアンが同意する


この二人には、特に疲労が色が濃い


タルヤはテレパスで索敵を続けていること

フアンは緊張からだろう


「休むなら、五階への間の階段にしろ。そこならモンスターがほとんど来ない」

ハンクが言う


「モンスターが来ない場所があるのか?」


「…階層と階層の間の階段は、モンスターは基本通らない。…重なっている次元が切り替わる場所だから」

アーリヤが説明する


まともにアーリヤの声を聞いたのは、初めてかもしれない


そうか、休むなら階層の間の階段の方がいいのか…


「それじゃあ、階段まで頑張ろう」


「ええ、そうね」 「分かった」

タルヤとフアンが頷いた




到達ポイント

三章~5話 実戦訓練

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― 新着の感想 ―
[一言] ナースパワーーーーー‼︎ ……アーリヤとハンクは普通に好きかも、そういえばハンクっていうバイオハザードのキャラいましたね
[気になる点] ラーズって学園でダンジョンアタックしてたんよね?なんで階段のこと知らないの……学園のには階層の分かりやすい物とか無かったのかな?
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