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ですペア ~遺伝子工学型強化兵の苦悩~ 大魔導師、宇宙兵器、大妖怪、異世界騎士、神竜…即死級対象が多すぎる!  作者: ロロア
四章 宙(そら)は暗かった、惑星(ほし)は青かった、そして神(っぽいの)はいた
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四章 ~42話 教団対策会議二回目

用語説明w

ペア:太陽系第三惑星であり、惑星ウルと惑星ギアが作る二連星

ウル:ギアと二連星をつくっている惑星

ギア:ウルと二連星をつくっている相方の惑星


神らしきものの教団:現在の世界は神らしきものに滅ぼされるべきとの教義を持つカルト教団。テロ活動や人体実験など、世界各地で暗躍




騎士団ファブル地区南支局


俺達は、ミィが予約した会議室に集まっている


メンバーは、

・セフィ姉

・ミィ

・スサノヲ

・エマ


そして、俺とフィーナだ


神らしきものの教団が、ファブル地区にあるマイケルさんの土地狙っている


神らしきものの教団は、大崩壊によってウルでは衰退したが、ギアではその勢力を保っている

そして、大崩壊の際に発生した膨大な魔力を持ち去っており、何かを企んでいることは間違いない


現在でも、人間社会にとって危険な存在なのは変わっていない



そして、俺が教団のファブル支部に不法侵入して盗み出した資料の精査が終わり、次の方針が決まったらしい

それが、今回集められた理由だ



「では、始めましょう。でも…」

セフィ姉が言う


「でも?」


「私とフィーナは騎士だから、今回の作戦には参加出来ない。いいわね?」


「うぅ…、分かってるよ…」


さっそく、セフィ姉に釘刺されたフィーナがしょげた


うむ、仕方ない

分かって付いて来たんだし


この教団の調査活動はミィが単独で動いている

警察やバウンティハンター、そして俺を含めたモンスターハンターを使って調査を行っている


騎士は独自の権限で調査を行うことができる

折角見つけた教団の悪事の尻尾だ、とことん調べる


「あくまでも、今回の件はラーズの手柄とすること。そのために他の騎士は手を出さない」

セフィ姉が言う


大仲介プロジェクトととやらに俺を参加させるためにセフィ姉が動いている

その俺が、騎士団の中で手柄を立てれば、それだけ文句を言う者が少なくなる



「それじゃあ、まず調査結果から伝えるわね」

ミィが立ち上がった


俺が教団のファブル支部から持って来た資料

これを精査した結果、判明したこと


・教団は、マイケルさんの土地の採掘許可を得ようとしていた

・教団は、採掘作業機械の他に()()の技術者を集めていた

・その場所は、マイケルさんの山の西側の中腹に位置する



「採掘じゃなく発掘?」

俺はミィを見る


「ええ、そうみたい。考古学研究室に依頼した記録があったの」


「遺跡か何かがマイケルさんの山に埋まってるってことか…」


すると、スサノヲが手を上げた

「ファブル地区の周辺は、四千年ほど前の遺跡群があるって聞いたことがあるぞ?」


「確かに、いくつか国立公園になっていて、遺跡の発掘調査は行われていたけど…」


「ラーズ、知ってるの?」


「俺は大学で先史文明を専攻していたからな」



俺はシグノイアのトウデン大学に通っていた

先史文明とは、紀元前の、つまり天地歴元年以前の文明だ


約四千年前、ギアの直近に突然ウルが出現してペアが構成された

この年を天地歴元年としており、それ以前の時代をギアの紀元前、ウルの紀元前として扱っているのだ

俺の研究室は、ペアを構成する前のギアの紀元前の文明を研究していたのだ


そして、龍神皇国のファブル地区や北区、クレハナ周辺には紀元前後とみられる遺跡が点在ていることが知られていた

俺も発掘を手伝ったことがある



「まぁ、遺跡が集まっている地区なら未発見の遺跡があってもおかしくはないよね」

ミィが頷く


「でも、教団が遺跡の発掘なんて聞いたことないわね」

セフィ姉が首を傾げる


その仕草はめっちゃ可愛いかった

相変わらず美人だな…


「まぁ、それは今後調査するとして、そのヒントがあったの」

ミィが話を続ける


どうやら、俺が持って来た資料の中に、発掘目的と思われる名前が記載されていた

それが…


「真実の眼?」


「ええ、真実の眼を見つけ出すって…」


「…真実の眼って、確か大昔の部族だかの名前じゃなかったか?」


「え、知ってるの!?」

ミィが驚く


「いや、大学の時に聞いたことがあるくらいだよ。それが何なんなの?」


「分からない」


「…」


「…」


「結局何も分からないってことか?」


「しょ、しょうがないじゃない。ラーズが持って来た資料にはそれしか書いてなかったんだから!」

ミィが俺を睨む


いや、別に責めてないって

資料に書いてないんだから仕方なくね?



「…真実の眼について調べたんだけど、紀元後に何かの目的を持って活動していた集団ってことしか分からなかったわ」

セフィ姉が後を引き継ぐ


「四千年前の集団…?」


「ええ、そうみたい。研究者によっていろいろな説が出ているんだけど、何かの学術集団だとか、当時の権力者に迫害されていた難民だとか、財宝を隠した金持ちだとか…。はっきりとしたことはまだ分かってないみたいね」


「何でその集団の遺跡を教団が発掘しようとしているんだろ?」

フィーナが口を開く


「それを確かめるのが、今回の作戦よ」

ミィが胸を張った


「教団はともかく、その真実の眼って集団も気になるな。俺も伊達に先史文明を専攻してないから」


ペアが出来た激動の時代

神らしきものの攻撃によって滅亡に瀕していたディストピアな世代


その前後に存在した謎の集団「真実の眼」

当時、遺跡として残るほどの建造物を作り上げた集団でもある


…興味あるじゃないか!



「それで、その作戦は?」


「私とラーズで、教団が指定していた発掘ポイントを調査する」

ミィがモニターに地図を出した


「教団は動いてるのか?」


「最少人数で勝手に防衛線を張っているわ。誰もその場所に近づけたくないみたいね」



モニターに映し出されたのは航空写真だ

森が少し開けた場所に、何人かの戦闘員と船のようなものが浮かんでいる



「あの船って、まさかマゴニアか?」

スサノヲが写真を指す


「さすが、よく知ってるわね」

ミィが頷く



マゴニア


魔導法学理論による技術で空を飛ぶ船

魔法のじゅうたんを大型化した物で、大量の物資を運ぶことができる

一番の特徴は、マゴニアが着陸することでそのまま簡易の要塞を構築することができることだ


空中での静止や移動速度、そして輸送力を両立した能力はマゴニアに並ぶものはない



「そんな兵器でその場所を守ってるって、いったい何があるんだ…!?」


戦車よりもやばい兵器で守ってるとかありえないだろ


「そうなのよ。ここまで教団が力を入れるっていうことは、何かがあるっていうこと。それを調べたいのよ」

セフィ姉が結論を言った


「でも、マゴニアが守ってるんじゃ、そう簡単には調べられないでしょ」


「そんなことないわ。戦力は、Bランク戦闘員が二人、ラーズ、スサノヲ。回復要員にエマも来てくれるわ」


「Bランク戦闘員って、ミィと後一人は?」


「ピンクよ」


そういえば、ピンクが自分で呼ばれてるって言ってたな


「…ピンクって貴族のご令嬢でしょ、使っちゃっていいの?」


「騎士団に就職した騎士見習いだから問題ないわ。それに、正式な騎士ではない、見習いの内にしかこういう仕事はできないから」

セフィ姉が笑う


そ、そういうものなのか…

見習いって便利なんだな


「当日は、私とフィーナも念のために待機するわ。でも、可能ならミィが準備した戦力だけで勝って欲しいの」


騎士が複数介入してしまえば、それは騎士の力が凄かっただけとなってしまう

俺の手柄とするためには、ミィ以外の騎士の力を借りるわけには行かないのだ

ピンクのみ、見習い騎士のため例外で今回は使える



「それじゃあ、戦力は?」


「私はスーラに力を借りて水属性の範囲魔法(大)が使える」


「俺はフル機構攻撃で単体火力なら…」


「ああ、条件付きで闘氣(オーラ)を突き破るってやつね?」


「あたしは砲撃を準備できるかな」


「スサノヲは戦闘員じゃないから遠くにいて欲しいよな」


「ピンクの火力が強いから、ラーズと二人でマゴニアを落とす感じ?」


「いや、ミィの範囲魔法の方がいいだろ。あと、発掘が始まっていた場合に誰か調査した方がいいと思う。戦闘で破壊される可能性もあるし」


「ピンクはこの会議に来れないのか?」


「もうすぐ着くって…」



ガチャッ…


「遅れてごめんなさいーー!」



会議室に赤髪の竜人女性、ピンクが駆け込んでくる


これでフルメンバー

俺達は遺跡強襲作戦を練るのだった





天地歴元年 説話 ですペア

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― 新着の感想 ―
[一言] 空を飛ぶ船とかロマンの塊だぁぁぁぁ⁈ しかも空を飛ぶ要塞でもあるわけやろ⁉︎ロマンしか感じなぁぁぁい‼︎さすが魔導法学‼︎このままガンダム作ろうぜww20メートルくらいのww
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