第7話 青い血脈
** 少年警察官からの視点 **
町工場前で、小柄な少女に対して、いつものように自転車の防犯登録確認をしようとしたところで、腹が殴られたかのような衝撃。
腹が熱い。
青い制服が赤く染まっていく。
全身の力が抜けて、地面に倒れこむ。
せめて、SW(Shortwave魔導通信波)緊急発信ボタンを押して、応援を呼びたいが、そのボタンを押す力すらもうない。
親の反対を押し切って憧れの警察官になったのに、警察学校卒業後の交番配置されて1か月もたたずに、いきなり殉職するのか。。。
祖父は元警察署長。親父は警察官僚、おふくろは法務省事務官、姉貴は検察官、兄貴は刑事。
兄貴とは10歳離れていたが、兄貴の姿にあこがれて、警察官になりたいと思い続けて勉強してきた。
中学、高校、大学をすべて1年で卒業し、12歳で警視庁警察官採用試験の願書を出した。
親父も姉貴も、なぜ皇国高等文官試験や司法試験を受けないのだと、警察官採用を受けることに反対し続けた。
反対を押し切って警察官採用試験を受け、厳しい警察学校も終えて、やっと警察官になったのに、いきなりこれか。
悔しい。
そして、応援も呼べずに殉職する自分自身の不甲斐なさも悔しい。
じいちゃん。
親父。
母さん。
姉さん。
兄貴。
みんなごめん。
町工場から出てきた男達によって、町工場に向かって引きずられていくと、男たちの手が突然はじかれる。
透明な体をした何者かによって、体を持ち上げられ、自分の手を使って、SW緊急発信ボタンが押される。
スパイ小説で知られる小説家ジョン・ル・カレ先生へのご冥福をお祈りいたします。