眠れる森の美女 後編
今回はほとんど劇をやります。
裕太と桜達の劇が進み、王子役の裕太が登場する。
「何だ? この茨の城は……」
『王子は茨に囲まれた城を見て、驚きと同時に、中には何があるのかということが気になり、近くの民家を尋ねる』
「すみません」
『王子が民家の扉をコンコンと叩くと、中から老人が現れる』
「なんでしょうか?」
「すみません。先程この国に来たのですが、あの茨の城の中には何があるのですか?」
「……私も詳しくは知らないですが、美しい王女様が眠っていると子供の頃に聞いたことがあります」
『老人の言葉を聞いた王子は、その美しい王女を一目見てみたいと思い、茨に囲まれた城へなんとしてでも入ろうと覚悟を決める』
「到着したはいいが、どうすれば……」
王子は城へ到着するが、どうすれば中に入れるのかが分からず、頭を悩ませる。
「いや! 私の覚悟はこの程度なのか? いや違う! 私はこの中に眠る王女を助けたい! どうか道を開けてくれないだろうか?」
『王子は言葉が通じるはずもない茨に話しかける』
『しかしその時、王女が呪いを受けてからちょうど百年が経ち、呪いが解けようとしていたのだった』
「ありがとう!」
『王子は自分の願いが届いたのだと思い、茨に感謝し城の奥へと進む』
『王子はそれから、城の中を進んでいくと、開けた場所へと到着する』
「こ、これは!?」
『開けた場所へと到着した王子が目にしたのは、呪いにより長い眠りにつき、百年の間年を取らず倒れていた、この城にいた人々だった』
「こんな……なんてことだ……」
王子はその先に進む。
「あれは!?」
王子が進んでいくと何かを見つける。
「これは……間違いない!」
『王子が見つけたのは、この茨の城に眠ると言われていた、それは美しい王女だった』
「美しい……」
『王子は王女を見つけると、どうすれば呪いが解けるのか、何故かそれが自然と分かった』
ナレーションが台詞を言い終えると、音楽が止まり、王子役の裕太が王女役の琴音に近づく。
(近い近い近い近い近い近い)
裕太が近づくと琴音は顔を赤くし、呼吸が乱れる。
しかし、証明が弱くなっている今、裕太は琴音の様子には気付かない。
そして裕太は琴音にキスするふりをする。
王子が王女に口づけをすると、王女は目を覚ます……
「…………」
はずだった
しかし、ナレーションが台詞を言ったあと、すぐに王女が目を覚ます予定だったのにも関わらず、琴音は裕太と至近距離になったことで混乱し、劇のことを忘れていた。
「おい、今は劇だぞ」
「はっ!?」
裕太の言葉に正気に戻った琴音はすぐに起き上がり、劇が再開する。
「あ、貴方は……」
「私は近くの国から来た王子です。貴方は?」
「わ、私はこの国の王女ですが……呪いによって眠っていたはず……」
「私が貴方に口づけをし、呪いを解きました」
「……あ、ありがとうございます! 素敵な方ですね」
「良ければ私と結婚して頂けませんか?」
「け、結婚!?」
「おい」
「はっ!? え〜っと……よ、喜んで!」
『その後、王と王妃を始め、城の人達は目を覚ましていき、王子と王女は翌日結婚。その後二人は幸せに暮らしました』
パチパチパチパチ
この劇を見ていた生徒達は、最後のシーンに少し違和感を持ったが、それも演出なのかと思い、素直に拍手をした。




