眠れる森の美女 中編
「裕太くん、この衣装どうでしょうか?」
「いいんじゃね? よく分からんけど」
「で、ですよね」
「これこれ裕太殿、そこは「似合ってるよ☆」って言うべきでしょうが」
「似合ってるよ☆」
「あ……やっぱ忘れてくれ」
「おい!」
琴音は眠れる森の美女の王女役、裕太は王子役、大翔は王様役、ついでに桜は城にいる人A役。
「てか主役って言っても最初らへん全然出てこんやん王子」
「でも?」
「そっちの方がいい」
「だろうな」
「俺は最初から出るけどな」
「私の王女もそうですが、この話は主役の出番が少ないですね」
「てかお前は名前すらねーじゃねーか!」
「ワタシハボウエンギデスノデ」
「そこまで行くとロボットだぞ」
「てか魔女と王妃は誰ぞ?」
桜はこの話の中でも一番見せ場の多い魔女と、最初から出てくる王妃の役は誰なのかが気になっていた。
「王妃役はあそこにいる人で、魔女役はあの人」
「ふ〜ん……知らん」
「おいおい、同じクラスだろ?」
「お前知ってんの?」
「さてと、そろそろ着替えてこよっかな〜」
「知らねーじゃねーか」
「え? 何? 聞こえな〜い」
裕太はそう言いながら衣装を持ち教室を出ていく。
「今戻った!」
「ふっ……来たか……」
「意味深?」
「意味深」
「…………」
「どした? ことねん」
「い、いえ別に……」
「顔赤いぞ? 風邪か?」
裕太は琴音が風邪かどうか心配し顔を覗き込む。
「ぴゃ!?」
「ぴゃ?」
「い、いえ……大丈夫です」
「無理すんなよ」
「そろそろ出番だ、移動するぞ〜」
(ふ〜……まだドキドキする〜)
琴音は衣装を来た裕太が思った以上にかっこよかったため、様子がおかしかったのだが、裕太はそれには気付かなかった。
後編に続きます。




