眠れる森の美女 前編
この学校の文化祭は二日間に渡って行われ、今日はその二日目…
三年生は今日が最後の文化祭となる。
「今日は劇だな」
「頑張れ〜」
「お前もやるぞ〜」
「私は空気役やりたいな〜」
「俺は何故か主役なんだけど……」
「そりゃそうだ」
優は演技がうまいため、二年の時の文化祭でも主役を抜擢されていた。
「俺が主役やりたかったんだけどな」
裕太と桜の話に大翔も加わってくる。
「しゃ〜ね〜、こいつには勝てね〜よ」
「俺は何もしてないんだけど……」
「ほらな。無自覚無双系主人公だわ」
「俺、またなんかやっちゃいました?」
「俺の代わりに主役任せたぞ……俺の屍を超えてゆけ!」
三人がそんなことを話していると、教室が騒がしくなる。
「どした?」
「もう一人の主役が来たな」
「ゆ、裕太くん……似合ってるでしょうか?」
その生徒は琴音だった。
裕太と桜達がやる劇は、グリム童話の「眠れる森の美女」
その内容は
子供ができなかった王と王妃はようやくできた子供に喜び、国にいる魔女達を招待するのだが、国にいる魔女は十三人なのに対し、彼女たちをもてなす金の皿は十二枚しかなかった。
そして祝宴の最中、十三人目の魔女が現れ、招待されなかった報復として、王女に十五歳までに死ぬ呪いをかける。
そんな中、十二人目の魔女が呪いを弱めることができるといい、その呪いを百年眠った後目覚めるという呪いに変えた。
王女が十五歳になったとき、王女は眠りについてしまう。
王女の呪いは城中に広がり、城中の人達が眠りにつくのだが、城の周囲にある茨だけは成長していき、城の中には誰も入ることができなくなった。
そして長い年月が経ったある日、近くの国の王子がこの国に訪れ、茨に囲まれた城を見て、近くに住んでいた老人に「あの城には何があるのか」と聞き、老人は「美しい王女が眠っていると聞いた」と答える。
それを聞いた王子は、美しい王女を見てみたいと思い、茨の城へ向かう。
その時、百年の呪いが解け、茨はひとりでに道を開け、王子は王女の元へたどり着く。
王子が王女に口づけをすると、王女は目を覚まし、王や王妃も目を覚ましていく。
その後王子と王女は結婚し、幸せに暮らした。




