伊藤琴音の気付き 後編
「なら桜に聞けばいいんじゃね?」
「桜さんですか?」
「だって要は桜が裕太の事好きじゃないって言えば、容赦なく青木を奪えるじゃん」
「う、奪うって…」
「それぐらいの勢いじゃないとダメなの」
「そうなんですか」
「そうそう、私も彼氏いるけど、やっぱ奪うってぐらいの覚悟があったから付き合えたと思うんだよね〜」
「……なるほど」
友達は琴音に自分の実体験を話すことで、自分の言ったことに説得力をもたせる。
「分かりました」
「おっ、やる気になった?」
「はい! 覚悟を決めました。今度の文化祭準備の時に聞いてみたいと思います」
「よし! そうと決まればどんどんアタックアタック〜」
「…………」
「どうしたん?」
覚悟が決まった琴音はとある事を考える。
「もう三年生なので、文化祭が終わって、テストが終われば卒業なんですよね……」
「あ〜まぁそうだね」
「そうなれば裕太くんにはもうしばらく会えませんよね」
「……そうなるね」
琴音はもうすぐ卒業する事を考え、あることを決意する。
「私、決めました!」
「え!? 急にどうしたの?」
「私、文化祭の最後に裕太くんに告白します!」
「え!? ま、まじ?」
「もう時間がないので……私、一年以上も自分の気持ちに気付かないふりをして逃げてました」
琴音は自分自身の気持ちに向き合い、覚悟する。
「ですが、もう気付いてしまったので逃げません。例え桜さんの事が好きだとしても奪うんだっていう気持ちでぶつかっていきます」
「す、凄い気迫……私を超えたね琴音」
琴音の気迫は友達が若干引き気味になるほど強かった。
次回は大翔の話です。




