伊藤琴音の気付き 前編
「琴音ってさ〜青木の事好きなの?」
「え!? な、何? 急に」
ある日の放課後、琴音は友達とカフェに行っていた。
「だってさ〜琴音いっつも青木のこと見てるし、あとよく無理やり話しかけたりするし〜」
「そ、そうかな〜?」
「琴音が敬語使わないときは大体図星なんだよね〜」
「うっ……」
「何で好きになったの〜?」
琴音はそう聞かれると、少し考えてから、自分の本心を語る。
「じ、実は私、まだ裕太くんの事が好きなのかどうか分かっていないんです」
「え? でも明らかに好きじゃん」
「そうなのでしょうか」
「じゃあ例えば、青木の事いっつも考えてるとか、一緒にいるとドキドキするとか」
「そうです! 一緒にいるといつもより動悸が早くなったり、勉強に集中しているときも裕太くんの事を考えていたり……」
「それもう絶対惚れてんな」
「そうなんですか」
「琴音って今まで誰か好きになったことないの?」
「友達や家の人たちなら好きですが、裕太くんヘの好きは何か違うんです」
「へ〜」
「な、なんですか?」
「いや琴音をここまで惚れさせるとは、青木もやりますな〜と思って」
「ちょっ、やめてくださいよ〜」
そんな話をしていると、友達は気になっている話題を出す。
「でもな〜青木には桜がいるからな〜」
「…………」
「あの二人付き合ってないって言ってるけど、いつも一緒にいるし、なんか他を寄せ付けない感じの二人だけの世界みたいな? そんな感じなんだよね〜」
「や、やっぱり二人は付き合っているんでしょうか」
「う〜ん…でも二人は否定してるしな〜……琴音自分で聞いてみたら?」
「え!?」
「琴音なら嘘かどうか分かりそうだし」
「……でもそれを聞くと私が裕太くんを狙ってるって分かっちゃうんじゃ…」
「皆聞いてるし、大丈夫だって」
「で、でも……」
琴音が不安がっていると、友達はいい提案を思いつく。




