体育祭 中編
「……はははっ」
「お〜い、大丈夫か? もしかして精神壊れた?」
「はははっ」
「ちょ、今の競技終わったら二人三脚だぞ?」
「ははは……」
「え〜っと……裕太〜大丈夫か〜?」
玉入れで一個も入れれなかったどころか、綱引きの途中で転び、前後の生徒を倒したことで負けたことで、裕太の精神はボロボロになっていた。
「ん?」
「ようやく戻ってきたか」
「何か今違和感あったけど何だ?」
「あ〜、珍しく名前で読んだからか?」
「それだ! よく覚えてたな。え〜っと、お前の名前は確か…桜だったよな?」
「正解。お前も覚えてんじゃん」
「意外に覚えてるもんだな」
普段はお互いに名前で呼ばない裕太と桜は、あまり名前を必要としていないため、お互いに名前を呼ぶことが新鮮に感じていた。
『次の競技は二人三脚です。出場する生徒は──』
「私達の出番だぞ」
「よし、これだけは勝ってやる!」
「これに勝たなくても、うちのクラスが優勝しそうだけどな」
「そんなん関係ねぇ、俺が勝ちたい」
「まぁ勝てるだろ」
「油断せずにいこう」
「どっかで聞いたことあるな」
そして二人三脚が始まろうとしていた。
その頃琴音は、裕太と同じく綱引きでクラスの足を引っ張ってしまったことと、もう出る競技がなく、気合を保つ必要がなくなったため、遠くから死んだ目で体育祭を見ていたのだった。
次で体育祭は終わります。




