回復、そして告白
「……む…」
いつの間にか気を失っていた様である。布津が目を覚ました。傍らには敷島。眠ってしまったのか、寝息を立てている。
ふと、窓の外を見ると、既に薄暗くなっていた。
「……んん……」
布津の気配に敷島が目を覚ます。
「あっ…!」
ガバッと跳ね起きる。
「良かった…気が付いたんやな」
布津の目を覗き込みながら、安堵の溜息。
「……済まん。助かった」
そう言われてから、自分の行動を思い返し頬を赤らめる。
「べっ、べべべ別に人助けやで!?こんなん何とも無いで!?」
「……?」
訝しげな顔をする。どうやら布津は覚えていない様子だった。
「だいぶ時間が経っているようだ…。戻らねば……むぅっ」
立ち上がりかけ、よろめく布津を敷島が支える。
「まだアカン。も少し休んどき」
そのまま無理矢理腰を下ろさせる。
「……むぅ」
大人しく従う布津。その様子がおかしくて笑みが零れる。
「……どうした…?」
「あ。何でもあらへん。それよりも…」
かねてからの疑問を口にする。
「アレは一体何やの…?どんな手品使ったん?」
布津の動きが止まる。
……誤魔化すのは無理、か……。
「…『あれ』か…」
一度言葉を切る。
「…俗に言う、瞬間移動だ。俺はその能力を持っている」
敷島の目を見返す。
「何で…そんな能力が…」
「俺が、怖いか?」
首を左右に振る。
「いや…驚いたというか、何というかなぁ…」
疑問はもっともである。
「元々この力があった訳じゃない。……植え付けられたんだ。無理矢理に、な…」
「俺は……かつて敵対する組織の人間だった」
布津が遠い目をした。




