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プロローグ
時は少し遡る。
この物語は布津、皇、月野がバラバラに別れ、北海道へと向かった布津に焦点が当てられる。
今、布津は北海道での拠点へと向かっている所であった。
だが、今の彼は、再び忌まわしき過去に対面する事になろうとは、露にも思っていなかった……。
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ヒュゥゥ…。
寒風吹き荒ぶ中、黒い人影が歩みを進めていた。
サク、サク、サク。
積もる雪を、これもまた黒いブーツで踏み締める。
やがて街中に入ると、ポケットから地図を取り出した。
地図には大雑把な略図が描いてあり、目的地とおぼしき場所に赤丸。矢印を引っ張り『ココ!』とだけ書かれていた。
黒い人影、布津 純能介は苦笑いを浮かべると、その赤丸で示されている場所へと向かっていった。