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やりがい

「・・・知らない天井だ」


朝、そんな言葉とともに目を覚ました。


「そっか、俺異世界に来たんだった」


神様によって異世界に転移したことが夢ではなかったことに安堵しつつベットから降りるとまずシャワーを浴びにいった。


「あ~、さっぱりした」


そして、次にシャワーを浴び終えた俺は朝ご飯を作るべくキッチンに立った。朝は手早く目玉焼きにトーストを作った。


「ごちそうさまでした。さて、」


朝ご飯を食べ終えた俺は何をしようかというともちろん錬金術だ。なので、地下にある工房に向かう。


「ん~、まずは薬なんかを作ってみたいな」


そういいつつ工房のドアを開ける。工房の中はいろいろな機材と本が置かれている。


「まずは薬を作るにしてもやり方がわからないとどうにもならないよな」


なので、本棚を見る。そこには、様々な本がありその中に『錬金術について』という薄い本があった。


「ん?」


他の本は分厚いのに対してその本だけは薄いことと錬金術関連の本であったため俺は不思議に思いつつも手に取って読んでみることにした。


そして、開いた最初のページに書かれていたことは、


『錬金術とはすべての生産技術を極め、さらに上に進化させたものをいう』


そう書かれていた。


「・・・ははっ」


俺はそれを見ると鳥肌が立つのと同時に笑みを浮かべた。『錬金術』、それはすべてを生み出せる術のことであることを理解したからだ。


「これはもう錬金術を極めるしかないだろうな」


俺の目標が決まった。こんなやりがいがありそうなことそうはないだろう。なぜなら、普通に考えればせべての生産技術を極めることなど無理だろう。だが、なっぜだろうできる気がする。その自信がどこから来るのかわからないができる気がするのだ、ならやるしかないだろう。


そして、次のページには錬金術によって作られたものの絵が描かれていた。乗物や武器、薬などが描かれていた。そこには作り方などは一切書かれておらず絵のみだった。これはこういうものが作れるということか一つだけヒントをやる後は自分で好きにしろということかまたは全く別のことを言いたいのだろうか、今の俺にはわからない。


絵を見つつそう思いながらページをめくってくと、


「錬金術には無限の可能性があるっか」


それはこの本の最後のページに書かれていた言葉だった。その言葉は俺の心を震わせた。


俺は読み終わったこの本を本棚に戻すと調合に関する本をいくつか抜き取った。


「さて、早く錬金術師になるためにも一つ一つ極めていくとしますか」


本を机に置きいすに座り調合に関する本を開いた。その本は調合の基礎的なことが書かれていた。調合にはどのような器具を使うのか、どのようなことに注意すればよいかなどが書かれていた。俺はそれをしっかりと頭に入れつつ読んでいった。


5時間ほど本を読み続けると調合に関する本すべて読み終わった。


「さて、次は実際にやってみるか」


俺は調合に必要な器具を持ってくると材料を取りに倉庫に向かった。


「まずは簡単な初級ポーションから作っていくか」


そして、倉庫からポーションに必要な材料を大量に持ってくると早速製作を開始した。


「まずは薬草をすりつぶして、それを沸騰寸前の水に入れてゆっくり混ぜるっと」


すり鉢ですりつぶした薬草を理科の実験で使うような器具に設置された便の中に入れる。ここで気を付けなければいけないのが薬草の量だ。入れすぎたり少なすぎるとポーションとして欠陥品になってしまう。なので、慎重に薬草を入れる。そして、混ぜる。


「・・・できた。第一号」


できたポーションを『鑑定のメガネ』というもので見てみる。これは様々なものがどういったものなのかを見ることができる道具だ。


名前:初級ポーション

品質:悪質

備考:薬草の入れすぎにより品質が落ちたもの。回復効果はないに等しい


「なるほど」


鑑定結果を見た俺は再度ポーションを作る。薬草を入れすぎてしまったので今度は少し少なめに薬草を入れる。そして、出来上がったものを鑑定してみる。


名前:初級ポーション

品質:普通

備考:なんの変哲もない普通のポーション


「よし!」


ちゃんと初級ポーションができたのでこれを参考に何度か作ることにした。すると、品質にばらつきがあり安定して初級ポーションが作れなかった。


「これは感覚で覚えるしかないか」


材料は大量に神様が用意してくれていたので安定して通常品質のものが作れるようになるまで作り続けることにした。


これは本にも書かれていたが調合初心者はまず初級ポーションを安定して普通品質が作れるようになるまで初級ポーションを作り続けるよう書かれていた。なぜなら、それにより何かを調合する際の分量調節を感覚でできるようにするためである。なので、俺もこれができるようになるまでやり続けることにした。


そして、床が何本ものポーションによってあふれかえるころになると俺は安定して初級ポーションを作ることができるようになった。


さらに、こんなものまで作れるようになっていた。


名前:初級ポーション

品質:良質

備考:水の温度、薬草の量、すべてが完璧に出来上がったもの。回復効果が少しプラスされる。


これは、3本ほどしか作れなかったが俺の調合の腕が上がったことを表しているので嬉しかった。それからは良品質を安定して作れるようにさらに作り続けた。


それにより部屋が初級ポーションでいっぱいになるころには良品質のものを安定して作れるようになっていた。


「ふう、そろそろ休憩にするか」


俺はひとまず区切りをつけ休憩するために部屋を出ようと考えたのだが、


「・・・これどうやって外にでればいいんだ?」


部屋が初級ポーションにより足の踏み場もない状態、いや、初級ポーションが俺の腰あたりまで積まれておりドアのところまで移動できなくなっていた。


仕方ないのでゆっくり積まれた初級ポーションを移動させつつドアの前まで来ると外に出た。


「ん~、どのくらい調合してたんだろう」


そういって上に上がってみるとまだ外は明るかった。というか、工房に入る前と変わっていなかった。


「・・・え、これってまさか一日中やってたってこと?」


まさか自分がそこまで何かに集中するなど思ってもみなかったので驚いた。前の世界では何をやるにも続かず、俺って何かを続ける我慢強さも集中力もないと思っていたのでこのことには本当に驚いた。


「まさかここまで俺が真剣に取り組むなんてな・・・いや」


当たり前か。やっと、夢がかなって異世界にこれたんだ。頑張るなっていう方が無理な話か。


「・・・ふぁ」


俺がこのことを嬉しく思っているとあくびが出てしまった。これは仕方ないだろう。何せ寝ずにずっと作業していたのだ、疲れてしまったのだろう。


「・・・寝るか」


俺はご飯も風呂も入らずベットに向かうのだった。眠すぎて何もしようと思わなかったのだ。


「そういえば、付けたままだったな」


鑑定のメガネを付けたままにしていたので外してベットのわきに置いた。


「おやすみ~」


そして、俺はベットに飛び込むと目を閉じた。

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