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大好きな君  作者: すず
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世界で一番

私は同じクラスの後藤和己君が好きです。彼はとても不思議な感じの、水がたゆたうイメージの、楽しい子。彼は水面が光の模様をコロコロ変わるように変幻自在に表情を変えながら、いつでもキラキラしているのです。彼はクラスの楽しい雰囲気を作ってくれて、えーと、そう言うのなんて言うんだっけ。そう、ムードメーカー!まさにクラスのムードメーカーで、彼が本当にクラスで1番楽しそうにしてるから、みんなもつられて楽しくなれるのです。

私は彼の写真を撮ってみたい。彼の写真をとったら、私の気持ちが滲んで輝いてしまうのだろうか。そんな風に考えてしまう乙女思考が恥ずかしいですが、私は写真には撮る人の気持ちが映ると思うのです。だから私が撮る彼の写真は世界で一番、輝いている、はず! だって私は、きっと世界で一番、彼が好きだ!愛情では彼の両親には敵わないかもしれない。でも恋愛としては私が一番!だから私はどんな人よりも彼の写真を輝かせられる!


…なんて、まだまだ私が彼のその美しさを出すには技術が足りないように思います。でも卒業までにはいっぱい写真を撮ってうまくなって、彼の写真を撮らせてもらいましょう。今から彼に許可を取るのに緊張してしまいます。なんて言いましょうか。世界で一番美しく撮るので、お願いします?って、完全に変態さんみたいだ。うーん、でも、どうしようか。


まぁ、まだまだ時間はあるんだから、ゆっくりと考えていきましょうか。

私はそんなことを思いながら愛用の一眼レフを撫でました。

彼女は(女の子だと思うのですよ。)私の相棒で、小さい頃にもらってからどこに行くにもずっと一緒でした。私は彼女が大好きなのです。これをくれたお父さんお母さんには本当に感謝してます。今でも初めてもらった時のことはよく覚えていますよ。本当は可愛いオモチャのカメラが欲しかったのに、大きくてゴツゴツしてて真っ黒な物体が私の手の上に乗った時、あまりの事に癇癪を起こすこともできませんでした。そんな私に家族は似合ってるとか今までで1番高いんだぞとか言うので、訳も分からずなんだか嬉しくなってきて写真を撮りまくったんです。撮り方も分からなかったから、私の初めての写真は家の床なんです。


ああ、あとそうそう。彼女は一度壊れてしまったことがあったんです。私が床に彼女を置きっぱなしにしてしまって、父が踏んでしまったのです。私はもう小学校高学年だったのに、それはもう大泣きして。結局直ったので良かったんですけど、それからは絶対に安全な場所に置くようになりました。


彼女は私の相棒なのです。『自分』という題名の写真を撮るときは、鏡に私と彼女を写して撮りましょう。私は人生の多くを、まだまだ10数年しか生きてませんが、彼女と歩んできました。誰よりも何よりも一緒にいて、彼女がなくては私は語れないのです。しかしそしたら私より彼女の方が綺麗に写るやもしれませんね。だって私は彼女が大好きだから。


彼女には幸せになって欲しいと思ってます。カメラにそう思うの変でしょうか。でも、そんな大切なものがある人も多いのではないでしょうか。ぬいぐるみだったり人形だったり。私はそういう自分の大切なものを、私の場合は彼女ですが、大切にしてくれる人と結婚したいですね。それが、一番です。

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