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アダシチギリ。  作者: 杏樹
2012/12/06 小早川 京
1/1

ぷろろーぐ

 十分に推敲をしていますが、幾分初心者なもので、読みづらい文章・誤字・脱字などがあると思います。あらかじめご了承ください。

 物はいつまでも消えてなくならない。水が水蒸気へと変化するように、物は今の形を保てなくなったらその躯を別のものへと変え、真新しい姿になってやり直せるから。生き物も、死んで骨になり土に返れば、新しい命を育める。そういったところでなら、生き物もまた物と同じように、やり直せるのかもしれない。でも生き物――特に人――は、死んだら自分自身、その自我を失う。それは、「人は産まれたら生きて、死ねば死ぬ。ただそれだけ。」ということを、死に対峙した人に対してそう耳打ちをするのだ。そして、物は何度でも間違える。そのぶんだけ、新しい人生がやってくるから、お構い無しに何度でも。それに対して私たちはどうだろう。間違えたらそのまま歩くしかなく、形を保てなくなったらそこで終わりになる。そんな私たちなら、物のほうがよっぽど上等な存在なんじゃないだろうか。


 死んだら、あの空の向こうに行けると言い出した人は、どこのどいつだ。ちゃんと空を見てみろ。私たちに帰れる場所があるかのように思わせるこの天井から降り注ぐ光は、現に空へと帰っていかないだろう。


 そんな青い青い空をいっぱいに仰ぐ私が最後に思ったことはただの後悔。私は、



 ――私は物として産まれ、生き、死にたかった。

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