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梅子  作者: 駆動
1/1

マネキン野郎

チャリ置きに向かって歩いていた。


ここからは校庭も、職員室も、プールも見えない。

あるのは寂れたゴミステーションと、ボロボロになったそれぞれの部活の備品、そして猫の死骸だけだった。


今日は、すげえ暑い。



ギラギラした6月の太陽と、西の方には裏に天空の城があるんじゃねーかっつーくらいの入道雲。今日も夕方、ひと降り来そうな感じ。洗濯物とっとと片付けなきゃな、俺はそんなことを考えていた。




中学からずっと愛用してるマイカー、赤チャリのハンドルを握る。

今日も1日長かった。

そんなことを考えてチャリ置きから離れようとしたそのとき、俺の目にあるものが留まった。


あ、脚だ



ゴミステのゴミの山に、脚が見える、

白くて、細いー…。


俺はチャリを止めて、その脚に近づいていった。



やっぱり、脚だ。

ゴミ袋とゴミ袋の隙間に、脚が挟まっていた。太ももからつま先に掛けて、緩やかなカーブを描くように、刺さっていた。脚が。膝下までの、紺の靴下を履いている。靴は見当たらない。

人形…かな?


俺はそれを抜いてみようと、足首にあたる部分に手をかけ…

られなかった。


脚が、動いてそれをよけた、のだ。

そして掴もうとした足首の下の、膝の、さらに下の太ももの、そのさらに下から、ゴミが、むくむく、むくむくと動き始めた。


…生きてやがる…!人形…!


そして…


「ふ、んあああああああああああ」




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