永遠にしりとりしていたい!
私、三原カナは、どこにでもいるようないたって普通の女子高校生。
隣の席の島地くんが好きなんだけど、想いを伝えるなんて難しいから、友達みたいな関係を続けているんだ。
「島地くん、今日も……」
「しりとりだよね」
「うん! しよ! しりとり!」
そう、私たちはしりとり友達。
特別なことなんて何もない。
暇潰しにしりとりするだけの仲。
でもいいんだ、それだけでも十分幸せだから。
「じゃあ始めるね……ラッコ!」
「コアラ、かな」
「ラズベリー!」
「リンゴ、かな」
「ゴマ!」
島地くんの髪は本当に綺麗なんだ。
当然染めてはいなくて、黒なんだけど、見る者の心を吸い込んでしまうくらいの深い黒。
だからこうして隣の席にいられるだけで幸せ。
だってそんな綺麗なものをずっと眺めていられるんだもの。
「マスク、だね」
「栗まんじゅう!」
「牛、だね」
「しりとり!」
「隣国、とか」
「く、ね……く、く、く……串焼き!」
「気持ち、とか」
好きな人と隣り合ってしりとりできるとか最高じゃない!? ……って、今は純粋にそんな風に思うよ。
「中華料理屋!」
「山登り、かな」
「陸地!」
「沈黙、かな」
「く、多くない!? えーと……草抜き!」
「金髪、かな」
「積み木!」
「如月、だね」
「ぎ……ぎ、ぎ……ぎっくり腰!」
「幸せ、だね」
「専業主婦!」
「夫婦、だね」
「ふ……フラスコ!」
「恋、とか」
「居間!」
「毎日、とか」
「鎮魂の祈り!」
「利害関係、とか」
「イラストレーター!」
「たんこぶ、かな」
「文房具!」
「ぐ、か……グミ、かな」
「ミジンコ!」
「古希、かな」
「帰宅!」
「草むら、だね」
「ら、ら、ら……む、難しいっ……ラクロス!」
「炭火焼き、だね」
未来のことなんて分からないけれど、でも、それはそれでいいんだ。
だって、すべての人がそうだから。
私だけが未来が分からない状況にいるわけじゃないから。
……それにね、未来って、分からないからこそ面白いって思うんだ。
だから今はしりとりを全力で楽しむよ!
◆終わり◆




