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第11話(初授業)


 翌朝。

 リオーヌは、学院側から貰った授業スケジュールを眺めながら、そこに記されている教場に向かっていた。


 「201、201、ここか〜」

 小声で呟きながら、目的の教場を見つけ、

 「キ゚〜〜、バタン」

 少し重い押し扉を開けて、中に入る。

 そこは、1・2階吹き抜けの半円形型大教場であった。


 『何処に座れば良いだろうか......』

 出入口は教場の最上部中央に有り、そこから全体を見下ろす形になる。

 昨日転入試験を受け、即合格し、この日が初授業。

 当然、親しい知り合いもおらず、ひとまず階段状の座席の空席状況を確認して、人気の少ない方に向かおうかと考えていたところ、

 「転入生さん。 魔術課程は、こっちよ」

と声を掛けられたのだ。 

 リオーヌが声の方を振り向くと、ちょうど出入口の押し扉から入って来たばかりの、シェーリー・ブレーメベルン公爵令嬢が立っていた。


 「シェーリーお嬢様......」

 取り巻きの女子生徒の3人が怯えた表情で、リオと行動を共にしようと言い出したシェーリーに釘を刺す。

 「あら、今日からクラスメイトになる方に声を掛けてはいけないのかしら? エミリーさん」

 シェーリーがムッとした表情で、エミリーという名の女子生徒に抗議をする。

 「そういう訳ではありませんが......」

 「何が言いたいの?」

 「お嬢様は昨日、意識を失くしたドルド君に回復魔術を掛けた時の、転入生の方の表情を見ましたか?」

 「ええ、見たわよ」

 「その表情が、滅茶苦茶恐ろしかったので......」

 「エミリーの言っている意味がわからないわ。 今、目の前に立っている彼の表情と何も変わらなかったじゃない?」

 その答えに、エミリーを含む取り巻きの3人の女子生徒は、一様に驚いた顔に変わる。


 「お嬢様は、あの、その〜、魔術を使った時の彼の顔を......」

 「貴女達よりずっと近い場所で見ましたわ。 自身に魔術攻撃をしたドルド・シュタインを救う為に、真剣な表情で、私も知らない特別な回復魔術を詠唱していたのよ」

 「......」

 3人の取り巻きは、シェーリーの言葉を理解出来ないという顔をしている。

 お嬢様は、どうかしてしまったのではないかと。


 確かに彼女等には、リオーヌの顔の傷跡に掛けられている呪いの影響で、回復魔術に魔力を全集中させた際の表情が、悪鬼悪魔の如き酷い容貌へと変化した様に見えたのだ。

 ところがシェーリーには呪いの影響が及んでおらず、リオーヌの表情はいつもと何も変わらない風に見えていた。

 四人の会話内容からリオは、シェーリーの魔術師としての能力が極めて高く、呪いの一撃を加えて死んだ東方の術者を上回っているという事実に気付かされたのだ。



 「この子たちが大変失礼なことを。 私から謝罪申し上げます。 リオーヌ君だったわね、ひとまず席に座りましょう」

 シェーリーは、改めて話し掛ける。

 「わかりました。 本日から同級生として宜しくお願いします、公爵令嬢」

 リオーヌが頭を下げて丁寧に返事をした後、顔を上げた時、傷跡が完全に消えたようにシェーリーには見え、

 『ドキッ』

とさせられたのだった。

 「あれっ......今、傷跡が」

 質問には答えず、教場内の彼女等の定位置の案内を促したリオ。

 「そうでしたわ」

 その場所は、最上段の座席の右端付近であった。

 


 その後、シェーリーに促されて、その隣に座ったリオーヌ。

 それに不満そうな取り巻きの女子生徒達。

 「お嬢様の隣に座るなんて......」

 「少なくとも伯爵家以上のお家の方でないと......」

 ブツブツと小声で文句を言っている女子生徒達。

 すると、

 「貴女達。 リオーヌ君は、取り巻きの生徒達を大勢引き連れ、今、いつもの席に座られた方と同格の身分なのよ」

 「えっ、エルリック王太子殿下とですか?」

 「だってそうでしょ? 国の大小は異なれど、彼は国主の跡継ぎだから、同じ王子様。 王国では無く公国だから、公子様ね」

 シェーリーがその事実を指摘すると、小五月蝿い取り巻き達も、

 『辺境の小国の跡継ぎなんて、伯爵家以下よ』

と内心思っているが、黙ってしまう。



 リオーヌの方に向き合い直して、高等部3年次全体の状況説明を始めるシェーリー。

 リオーヌの顔の傷跡は......

 特に変わってはいなかった。

 『さっき傷跡が消えて見えたのは、気の所為か......』

 そう思いながら、話し出すのだった。


 「私達は3年次。 だから大教場での座る場所も大体決まっているの。 出入口から見て、魔術課程は右側。 一般課程は中央。 騎士課程は左側って」 

 「へ〜」

 「貴方は騎士課程兼だから、左の方に座っても構わないわ。 魔術課程の男子の中には、貴方と同じように、騎士課程兼の生徒も数名居るけど......向こうに座る人は皆無ね」

 「それって」

 「居心地が良さそうに見える? あの方々と一緒で」

 令嬢は、

 『理由を説明する必要は無いでしょ?』

とばかりに、

 「フフフ」

と笑い出す。


 その理由は、騎士課程における成績が魔術課程兼の生徒達は悪く、騎士課程の生徒達から見下されているからであろう。

 そもそも、大半が幼い頃より訓練を受けて育ってきた騎士課程専攻の生徒達と、訓練の練度が全然違うのだし、体格も敵わない。

 リオみたいな、特別な剣士としての才能が無い限り、騎士専攻の者達に魔術師の卵達が敵う筈が無い。

 それでも、近接戦に弱いという魔術師の欠点を補う為、騎士課程を兼ねて学ぶ生徒が常に居る。



 そんなことを考えているうちに授業が始まった。

 午前中は共通科目の座学授業で、午後は各課程別の専門授業というのが基本のカリキュラム。

 また、魔術師の卵で騎士課程兼を選んだ生徒の為に、両課程の実技の授業は被らないよう工夫されて組まれている。

 

 


 昨日の転入実技試験では、圧倒的な才能を見せたリオーヌ。

 午後、最初の実技授業は、魔術課程の方であった。


 アンジェ・パーシル教授がわざわざ高等部3年次の、この授業を見学にやって来る程までに注目を浴びる中、実技授業が始まる。


 「嘘〜、貴方、自然系統の魔術、ロクに使えないの?」

 驚きの声を上げたのは、シェーリー。

 貴方とはリオーヌのこと。

 その事実に、アンジェが笑い出す。

 「やっぱり、全てを兼ね備えている人間って居ないものよね~」


 極めて稀な精神干渉系魔術の遣い手であるリオーヌだが、それ以外に特筆すべき高度な魔術を使うことは出来ない。

 実用的なのは、飛行魔術くらい。

 高度は結構行けるものの、その航続距離は短く、ひと山越えるぐらい(10〜20キロ)程度のものでしか無かった。


 「今から私が指示する魔術をやって見せて」

 アンジェは妙に嬉しそう。

 「水」

 リオーヌは両手をお椀状にして、その中に水を湧かせてみせる。

 「これなら、飢えても2週間以上生きられるわ」

 「火」

 リオは枯れ草を集めると、魔術を放って火を点ける。

 「マッチの方が圧倒的に早いわ。 でも、可愛らしい〜炎ね」

 「風」

 ひとまず、高く飛び上がってみせる。

 ただ、強い風を引き起こすことは出来ない。

 そよ風程度だ。

 「風を捉えるのが上手だから、高いところまでは行けるのか〜。 山登りをしなくて済むから便利ってとこかしら」

 「土」

 リオーヌが地面に手をあてると、少し地面がモコモコ。

 「花壇に種を植えるには最適な耕し方ね〜」

 「光」

 「えっ、光ですか?」

 思わず聞き返してしまうリオーヌ。

 「手を輝かせるとか、そういったものは? 昨日はドレドの回復時に、七色に輝いたじゃない?」

 「あれは意図してのものでは有りません」

 「一応聞いておくけど、闇系統は?......ま、いっか〜。 出来たらちょっと困るし」

 「ハハハ」

 苦笑いするリオーヌ。


 その様子を見ていた魔術課程のクラスメイト30名は、失笑混じりでザワザワ、ザワザワ。

 確かに自然4系統を扱えることは素晴らしいことなのだが、風以外は魔術師として最低レベル、魔力を持って生まれた選ばれし者ならば、3歳くらいの時に出来る代物でしかなかったのだ。



 「貴方の特筆すべき才能である、精神干渉系魔術を教えられる者は西方世界に誰も居ないし、訓練相手が危険に晒されるから、練習も難しいわ......と言って、間もなく18歳になる君が今更授業や訓練を受けても、自然系統魔術の上達を目指せるものでも無いから......困ったわね~」

 パーシル教授は、高等部の実践魔術担当教師のクリス・イリアムに話し掛けながら、2人で腕組みをして考え込んでいる。


 「そうだ。 文献で読んだけど、ディアナ大公の血筋って、非常に優れた魔剣士が時々生まれるのよね。 リオーヌ君も剣術の腕前は特級のようだから、貴方達生徒の中で騎士課程兼の者は、この魔術実践授業の時、彼に稽古を付けて貰いなさい。 そうすれば、対魔術師戦の経験が出来て、リオーヌ君の訓練にもなるから」

 名案が浮かび自画自賛の教授。

 『ウンウン』

と頷き、学院全般の魔術責任者という立場から、担当教師に改めてその旨を指示し直すと、何だかランラン気分で、自身の研究室に戻って行く。


 「教授のあの様子は、昨日の試験の時は惨敗、完敗だったけど、五つある自然系統魔術においては自身が圧倒的だと知り、凄く嬉しくなったのね」

 生徒達がそんなことをヒソヒソと話している。


 やがて授業が再開し、リオは少し手持ち無沙汰なまま、同級生達の魔術能力を眺めるだけで、この日の魔術の実践授業を終えたのだった。




 この日最後の授業は、騎士課程の実践授業。

 リオーヌと同様に、騎士課程兼を選択している魔術課程の4人の生徒と、授業会場である小スタジアムに移動していた。


 「おお〜、またヤラレに来たのか」

 「お前等如きじゃ、俺達と勝負にならないって。 散々実践授業で叩きのめされ、身に染みて分かっているだろ?」

 「幸い、3年次は始まったばかり。 まだ専攻の変更可能なのだから、両方の課程を学ぶのは撤回して、向こうに専念しろよ、魔術師候補のお坊ちゃま方。 ガハハハ〜」

 ガタイの良い騎士課程専攻の生徒達60名。

 大半がフラー王国の近衛兵師団幹部を目指していて、幼い頃よりエリート指導を受けて来た強者揃いの生徒達だ。


 「そうだ。 今日からお前達弱虫魔術師チームに親分が現れたのだよな?」

 「セバン教授に1度勝ったぐらいで、調子に乗るなよ、転入生」

 リオーヌの姿を見付けて茶化し始める。

 『こういう態度が......腕っぷしに自信のある連中の悪い癖だよな~』

 シーラー王国に居た頃から、このような扱いを何度も受けているから、特段腹を立てるようなことは無いリオーヌ。

 結局、実力主義の世界なので、それを見せれば、何も言えなくなるからだ。




 授業開始前のそんな雰囲気が一変。

 それは、エルリック王太子が小スタジアムに入って来たからだ。

 「王太子殿下に〜〜、敬礼」

 ひときわ背が高い大柄な生徒が姿勢を正し、エルリック王太子に向かって右手を右眉の横に合わせて、ピーンと斜め水平にした敬礼をする。

 すると、フラー王国出身の生徒達全員が、その場で同じ姿勢に。

 その全員が微動だにしない。

 『ほ〜〜。 空気感が一変したな~』

 リオーヌが感心する程だ。

 それに対し、王太子も立ち止まって、その場で答礼。

 「みんな、楽にしてくれ」

 そのひとことで、

 「直れ」

の号令が掛かり、直ぐに担当教師が現れて授業が始まるのだった。



 授業内容は、先ずは剣技基本動作の繰り返し。

 フラー王国の騎士は普段長剣を把持しているので、自在に扱えるよう、膂力を鍛える為の訓練だ。

 リオーヌは魔力で体じゅうの力を自在にコントロール出来るから、模擬長剣を長時間振るい続ける練習にも楽々付いていけるが、同じ魔力課程の4人は、基本動作訓練だけで動きが鈍くなり、やがて完全に息切れしてしまう。


 『魔術師は、つい、魔術に頼りがち......こういう日頃から肉体を鍛え続けた成果が如実に出る訓練が苦手なんだよな』

 クラスメイトの様子を見ながら、少し心配になってしまう程。

 しかも、もう高等部の3年なので、騎士課程専攻の生徒達との差は、取り戻せないレベルとなっていた。

 

 

 「次は撃剣訓練だ。 2人一組になれ」

 教師の指示で、サーッと2人一組に。

 魔術課程の4人は、騎士課程専従の生徒達と実力差が大きく、当然ながら、この4人を二組に分けただけだ。


 『誰と組めば良いのだろう......』

 中途入学者が抱える悩みはまさにコレ。

 既に人間関係が出来上がってしまっているので、こういう自由に分かれて組めという指示が、一番対応が難しい。

 リオーヌは組む相手が見つからず、少し困った顔をしていると、

 「転校生、悪いな。 ちょっと配慮に欠けた指示だった。 教師の俺と訓練をしよう」

 

 担当教師の名は、カール・ワーラン。

 年齢は40代前半。

 この教師も、フラー王国軍近衛兵師団の元分隊長という経歴を有している。


 「始め」

 その合図で、リオーヌは模擬長剣を振るってワーラン教師と対峙する。

 『昨日は、教授の持つオーラに触発されちゃって、張り切りすぎたから』

 セバン教授の持っていた強化模造剣を一瞬でへし折ってしまったことを少し反省していたので、相当手加減したつもりだったのだが......


 『先生は大怪我をした経験が有るな。 疲れが少し溜まっただけで、右足の動きが極端に悪くなる』

 やがて、ワーラン教師の剣先をやり込めて、地面に突き刺させたことで、

 「参った。 衰えた俺の実力では君に敵わないよ」

と言わせてしまったのだ。


 『怪我で一線を退いた分隊長レベルの騎士では、致し方ないか。 加減が難しいなあ〜』

 そう感じながら、模擬長剣を壁際に立て掛けた時......

 リオーヌの鼻先に向けて、模擬長剣を突き付けてきた人物が居たのだ。

 直ぐ近くで訓練をしながら、リオの様子を窺っていたエルリック王太子であった。




 「私が転入生の訓練の相手をしてやろう」

 上から目線の王太子らしい表現。

 それに対しリオーヌは、

 「僕は先生との訓練で疲れちゃって。 ほら、もう腕がブルブルで」

と、あえて対戦を避けようという態度をみせてみる。

 同級生達も少し慌てた様子で、

 「殿下が相手をするような奴では有りません」

とか、

 「ワーラン先生は古傷が痛んで、剣を落としてしまっただけです」

等と、ひとまず落ち着くよう宥める言葉を掛け続けたのだ。


 しかし、

 「今、私との訓練を拒否するのならば、学院から出て行って貰うことになる。 フラー王国におけるお前の滞在許可を私が取り消すからだ」

と言い出してしまったのだ。

 『参ったなあ〜。 やっぱり目を付けられたみたい』

 リオーヌは少しノンビリした感想を抱きながら、模造長剣を持ち直し、エルリック王太子の方へと向き直る。


 「行くぞ」

 王太子がひとこと告げる。

 「いつでもどうぞ」

 リオーヌは受け止める姿勢を見せる。

 本来は訓練の筈なのに、エルリック王太子は完全に対決モード。

 2人以外の全員が訓練を止めてしまい、王太子とリオの方を凝視し、行く末を見守っている。


 早速エルリックは、得意とする突きで、一気に勝負をかけてきたが、リオはその剣先を軽くあしらって躱し続ける。

 その後も攻め続ける王太子であったが......

 渋々対決に付き合うことにしたリオーヌの真意は、エルリックの体力が尽きるのを待って、訓練を終わりにするつもりだったのだ。



 約10分後。

 肩で息をし、撃剣の切れが全く無くなったエルリック王太子。

 一方リオーヌは、汗一つ搔いておらず、双方の実力差が極めて大きいことは自明であった。


 そこに駆け足で現れた大人2人。 

 「訓練は中止だ。 王太子殿下、剣を引きなさい。 これは王命ですぞ」



 実は対決している間。

 王太子はプライドが高く、一度言い出したら、教師の言う事を素直に聞き入れる性格では無い。

 そこでワーラン教師は、急いで校舎に戻り、セバン教授に状況を説明。

 すると教授は、驚いた表情で、

 「転入生の実力は殿下より遥かに上だ。 下手したら、王太子殿下に不測の事態が起きかねん」

と言い出し、近衛師団長への早馬を飛ばす。

 王宮は学院から目と鼻の先なので、近衛師団長から国王に意見具申して指示を仰ぎ、復命を受けた上で、小スタジアムにやって来たのだ。



 『良かった。 私の感じていた以上に能力差があって、転入生がマトモに取り合わなかったのだな』

 力尽き、今にもぶっ倒れそうな王太子殿下と、涼しい顔で、模擬長剣をクルクル回し、槍のような構えを見せたりと、弄んでいるリオーヌ。

 2人の様子を見て、ホッとした教授であった。

 

 『今まで甘やかし過ぎたのかもしれん。 殿下の剣技の腕前は、なかなかのものだが、あくまで王族や貴族としては、というものに過ぎない。 世の中、上には上が居るものだし、あの転入生の凄まじい剣捌きは、滅多に見られないレベルのものだ。 所詮殿下は井の中の蛙といったところ......』


 「エルリック殿下。 ディアナ大公家は、歴史に名を残す稀代の魔剣士を時々輩出する特別な家柄。 転入したばかりのリオーヌ殿も、恐らく本来は魔剣士の筈。 長剣を振るってみせているのは、戯れに過ぎないのですぞ」

 「魔剣士?」

 「魔力を使いつつ戦う剣士のことです。 彼がディアナ大公の跡継ぎで、しかも魔術師である以上、魔剣士なのは確実。 剣技に魔力を重ねて本気で来られたら、ここに居る全員が束になっても敵わないことでしょうな」

 セバン教授の説明に、

 『あちゃー』

という表情を見せたのはリオーヌの方であった。

  

 『やっぱり、調べられちゃったな〜。 まあ、いずれ分かってしまうことだけど......ただ僕の本質に触れてはいないから、当面はセバン教授の説明した方の魔剣士を装うか......』

 リオーヌは、長年魔力と肉体を鍛錬して得た天才的な剣技に加え、本物の魔剣を扱うことが出来る、意味の異なる凄腕の『魔剣士』。

 魔力で剣の威力を増幅させて戦う魔剣士と比較しても、そのスピード、威力共に桁違いなのだが、それは暫く秘密のままにしておくつもりであった。


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