モンスターNo.1-B スカラーフェンリル
モンスターNo.1-B スカラーフェンリル(Scalar Fenrir)
分類: 哺乳類型(高等獣)
属性: 闇+風
出現場所: リヴァレス王国北方の暗黒森林、夜間の荒野地帯
⸻
外見
体長は2メートル近くにまで成長し、黒と白の毛並みは闇に溶けるような艶を帯びている。
首筋から背中にかけて銀灰色の鬣が伸び、戦闘時には静電気を帯びて逆立つ。
瞳は金色に輝き、夜間には獲物の体温を感知する。
牙はスカラーハウンドの比ではなく、金属すら噛み砕けるほど強靭。
その姿はもはや「野生の犬」ではなく、「夜の王」と呼ぶにふさわしい威圧感を放つ。
⸻
能力
ハウリング・シンク(群狼共鳴)
仲間との遠吠えを通じて精神を共有し、戦闘中に互いの感覚や位置情報をリアルタイムで把握する。
群れの全員が連携して動くことで、まるで一体の巨大な獣のような動きを見せる。
ナイトチャージ(夜襲突進)
影の中を滑るように疾走し、敵の背後に瞬時に回り込む。
暗闇での速度は昼間の2倍近くまで上がる。
音も足跡も残さないため、不意打ち性能が極めて高い。
ファング・ストーム(牙の嵐)
リーダー個体が怒号のような咆哮を上げると、群れ全体が一斉に突進を開始する。
空気を裂く突風が巻き起こり、物理的な防御を無効化するほどの衝撃波を伴う。
シャドウブレンド(影融合)
夜間または森林内で、自身の影と一体化することで姿を消すことができる。
この状態では視覚・魔力探知の両方を回避でき、背後からの奇襲を得意とする。
⸻
弱点
・強い光や聖属性魔法に弱い(影の融合が解ける)。
・昼間は活動が鈍く、嗅覚と脚力がやや低下する。
・リーダー個体を失うと群れ全体の連携が崩壊し、混乱状態になる。
⸻
採取素材
・黒狼の鬣:高級衣料や魔導具の導電素材。
・共鳴牙:魔導武具の共振核として使用される。
・夜眼石:闇属性魔法を増幅する希少鉱石。
⸻
生態
スカラーフェンリルはスカラーハウンドの進化個体であり、群れの中でも“リーダー”として進化した個体のみがこの姿に変貌する。
知能が高く、人間の言葉をある程度理解することも確認されている。
主に夜間に活動し、群れを統率して狩りを行う。
獲物を見つけると、風下に回り込んで完全に囲い込み、逃げ道を断ってから一斉に襲いかかる。
その狩猟方法は極めて計算的で、単なる野生の本能ではなく“戦術”と呼ぶにふさわしい。
リヴァレス北部では「闇の群狼」と呼ばれ、古くから村人たちの恐怖の象徴とされている。
しかし同時に、群れの掟を破らない誇り高い種族として、古代の騎士団が“影の守護獣”として契約した記録も残る。
⸻
備考
・スカラーハウンドの進化条件は「群れを率い、敵を倒した経験を持つ個体」。
・スカラーフェンリルの遠吠えは魔力を帯びており、半径数キロ先でも共鳴を引き起こす。
・討伐依頼の推奨ランク:B級以上(単独討伐は非推奨)
⸻
個体メモ:
その咆哮は、夜を裂く刃。
群れの王に選ばれし狼は、
闇を統べる“知恵”と“誇り”を持っていた。




