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【完結】キスの続きを、まだ知らないままで。  作者: 泉水遊馬
第3章:「触れるたびに、私は“わたし”を取り戻していく」
8/32

3-2

彼女の胸元に、わたしの手のひらが触れている。触れてしまっている。


 それだけなのに、鼓動が苦しくて、呼吸が追いつかない。


 「……しおり、ほんとに……いいの?」


 灯の声が、濡れていた。恥じらいではない、どこか切なさを孕んだ濡れ声。そんな声、聞いたことがない。

 私は答えなかった。ただ、彼女のシャツのボタンを、ゆっくりと外していく。


 白くて、なめらかな肌。

 灯の体は想像していたよりもずっと女性的で、柔らかく、そして、怖いくらいに綺麗だった。


 鎖骨から胸元へと指をすべらせる。

 そのたびに彼女の体が微かに震え、乳房の頂点が徐々に紅潮していくのが見て取れた。


 「やだ、見ないで……そんなに、じっと……」


 そう呟く灯の声は、拒絶ではなかった。

 その手は、私の腰に回って、シャツの裾を探っていた。


 服の間から、指先が滑り込んでくる。細くて、すこし冷たい、でも芯に熱を帯びた指。


 乳房のふくらみをなぞると、乳首が小さく反応し、まるで灯の鼓動と連動しているようだった。


 「……やわらかい。灯の体、やっぱり、好き」


 私は呟きながら、唇を近づけた。


 そして、その紅潮した小さな頂点を、舌で包み込んだ。


 「んっ……しおり……ダメ……そこ、感じちゃ……」


 声にならない声が喉奥からこぼれ、灯の脚がわずかに震える。

 太腿がこすれ合い、薄い布の向こうに、すでに湿った感触があるのを私は感じ取っていた。

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