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「ほら、ここ……あなた、触れられたくて、ずっと疼いてたんでしょう?」
しおりの声は低く、甘く溶けるように。
指先が灯の下着の縁から、そっと奥へ――。
「だめ……そんな、の……っ」
布地の上からも分かるほど、灯の秘部はすでに濡れていた。
しおりは、あえて直接触れず、指先で濡れた布を優しく撫でる。
「こんなに濡らして、どうして欲しいの? 言葉にして……教えて?」
羞恥と快感がないまぜになり、灯の喉がかすれる。
けれど、鏡越しにしおりと視線を交わしながら、かすれた声で、震える唇で言う。
「……もっと、触って……お願い……っ、しおり、さん……っ」
「ふふ。やっと言えたね」
しおりの指が、濡れた布の内側へとそっと差し込まれる。
秘部の温もりに触れた瞬間、灯の全身がびくんと震える。
「あ……っ、ん……しお、りさん……っ、そんな……」
「すごい。中、きゅって締めて……どうしてそんなに可愛いの?」
くちゅ、くちゅ、と濡れた音が響くたび、
灯は鏡の中で自分の顔が蕩けていくのを見ていた。
唇を噛み、瞳を潤ませ、恥じらいと歓びの中で崩れていく自分――
それを、しおりは慈しむように、指と言葉でさらに高めていく。
「ねぇ、もっと言って。どこが気持ちいい? どうして欲しい? 教えて、灯……」
「あっ、やっ、そこ……奥、だめ……、でも……っ、いいの、すごく……っ」
「かわいい……いっぱい気持ちよくなって、壊れるまで、わたしのままでいて……?」
指が奥へ、さらに深く。
リズムが激しくなり、言葉が甘く尖る。
「イくときは、私の名前、呼んでね?」
「し……おりさん、しおりさ……っ、んんっ、あぁっ、イく、イく、だめ、しおりさんっっ!」
愛しさと悦びが混ざり合い、灯の中で弾けるような波が爆発する。
体が跳ね、膝が震え、その場に崩れ落ちそうになるところを、
しおりがやさしく抱きとめてくれた。
(……こんなに、満たされたのは、初めて)
静かに胸の中で呼吸を整える灯の髪を撫でながら、しおりが囁く。
「大丈夫。あなたの全部を、ちゃんと受け止めるから」
「……ありがとう、しおりさん。私……あなたのそばに、いたい」
「私もだよ。灯が、欲しい。心も、身体も……ずっと」
外はまだ、雨音が静かに続いていた。
けれどふたりの世界は、ぬくもりの中に、確かに結ばれていた。