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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人を殺したことがあるおじさんと殺したことがないおじさん

作者: ヒロモト

チェーン店でコーヒーを飲んでいる僕の隣に獣臭のする体格の良い4〜50ぐらいの男が横に座った。

ボロボロの革ジャン。ボロボロのジーパン。

靴は履いておらず白い布を巻いていた。


紙コップを差し出して「コーヒーくれよ」と言われたので少し注いであげた。

良いことか悪いことか分からないが、とにかく怖いので言う事をきいといた。


「俺は人を殺した事がある」


「良くないですね。それは」


「でも捕まらなかった。俺は中1だった。なんか法律で裁けないってよ。人を殺したのに誰にも殴られないのが驚いた。たくさん殴られると思ったのに」


「なるほど」


「すぐに日常が帰ってきた。中学にも通って……驚いたのはね。体育館裏で隠れてタバコを吸った時は先生にぶん殴られた」


「なるほど」


「人殺しより喫煙のが罪は重いのか?」


「そんな事はないでしょう」


「人を殺した時も誰かが殴ってくれれば良かったんだ。ついてねぇよ」


「お疲れ様です」


僕は出来るだけ人の多い道に出て男の死角に入ったと思った瞬間に走って逃げた。

今。男の言った事を思い出しながら書いている。

彼の言った事が事実だとして。僕から見て彼はろくな人生を歩んでいる様には見えなかった。

そしてそれを人を殺した時に殴ってくれなかった誰かのせいにしている。


「って事なら中々気分悪いな」


逃げて良かった。

獣臭は耐えられるけど血の匂いはたまらないからな。




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― 新着の感想 ―
[一言] 殺したかった訳では無かったけれど殺してしまった少年の成れの果てのおじさんと、殺したくて殺したくてしかたがないのを未だどうにか我慢出来てるおじさん……かな?
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