第十五話
ママとの思い出
俺が九歳だったころだと思う。
マイを見ていた。
それはとてもきれいであった。
こんなにも綺麗な女性がいるだなんて思いもしなかった。
そして初めてのキスをされた。
関節キスである。
ことは、2011年。
いろんなことがあった時だ。
感情もわけないほど、とある研究施設にいたのであった。
お父さんとお母さんの存在がわからなくなるまでいたのであった。
しかし、本当のお父さんは、その研究施設にいたのであった。
Pspをかじりながらやっていた時である。
「ねえタスク」
隣のベットにいるのが、その女性だ。
眼鏡をかけている。
研究施設にいる看護師さんからそんなことを言われた。
そしてその女性と一日だけ外に出ることが許された。
はじめはブランコに乗っていた。
そうすると歩いてくる女の子が見えてきた。
なんだかな。
あのときのことはブラウン管の中にでもいたような気がする。
そうしてその子から、ジュースを貰った。
というより、元から飲んでいたものである。
「ママはどうなの」
ママにも聞いた。
「いらないよ、かわいこちゃんありがとね」
そうして今思い出せる、マイが帰っていった。
「また会おうね」
そういって、随分とながくブランコを漕いでいた。
ママは、わずかなお金しか持っていなかった。
だから、祭りに行った。
そして200円の綿菓子を買ったのであった。
二つである
「タスク、おいしいね」
にっこりと微笑むママ。
「うん、ありがとうママ」
僕はがむしゃらに食べて、おどけてみせた。
そして、一つのりんご飴のある店を見つけた。
「タスク、これ食べたいの?」
「ママ、僕は大丈夫だよ」
僕は知っていた。
ママの残りのお金がないことに。
でも研究施設からでたことはうれしかった。
「ママ、ちゅーして」
「いいよ、チュー」
たったこれだけでうれしくなった。
ママと一緒にいることでこんなにもうれしくなったことはない。
だから、淡い時間だったと思う。
ママはとても裕福ではなかった。
なぜなら16歳であるからだ。
五歳のころ、僕を生んだらしい。
「タスク手を」
「はいママ」
二人して次は図書館へと向かった。
そして、ながながと絵本を二人そろって、見ていく。
そして見つけたのが、戦士の物語であった。
「タスク、これ読もうか」
そして、二人で声を大にして読んだ。
物語のあらすじとしては、とてもかっこいい男の子が、どんどんかっこいい戦闘を繰り広げる、ファンタジー小説である。
いい感じだな。
「タスク、こんな大人になるのかもね」
「ほんと、ママ」
「タスクは英語で牙って意味なんだよ」
「わかった」
「牙は身内には向かない」
「うん」
「でも戦うときに、本領を発揮する」
「うん」
名前の由来を言われたが、当時の僕にはうなずきしかできなかった。
そうすることで時間が過ぎていく。
ママのことが大好きになった。
この物語の主人公になれるってきいてうれしかった。
戦う男。
当時はかなりうれしかった。
なによりも図書管というものがどんなものか、解っていない二人であった。




