第十話
パラレルゲーター平明 ヒラキ
パラレルゲーター。
それが僕のもう一つの名前らしい。
別に僕自身はその名前をそれらしい僕の能力と共に気に入っている。
そして僕は全てを変えるために生み出された存在だということにも。
皆さんは物語の主人公というものにどのような考えを持っているだろうか?
御都合主義の具現化、物語の軸、全てを帳消しにしてハッピーエンドへと導く者、もしくはその逆。
そして僕自身はこの世界の主人公というものではないということをついこの間知らされた。
誰がそのようなことを知っているのか?
それはこの世界のヒロインから、つまりは絶対的状況下に置かれているこの状況を覆してそして、この世界の主人公という存在と共にハッピーエンドを成し遂げるというそんな存在に、僕の在り方を、そして僕のこれからを教えてくれた。
要するに僕という存在は、その双方のハッピーエンドのために必要不可欠で、絶対的に仲間になるということになり、そして僕自身の答えというものはこの短い人生の集大成、つまりはこの僕の人生がかかった受験の日にこの様な、全てが、僕の全てが台無しになるような、僕の未来予想図を事細かに、それは使い捨ての駒のような僕の在り方を教えてもらった。
正直、意味がわからないものだ。
何がわからないのか、それはこの目の前に広がっている世界、そして彼ら彼女らが言っていること、そして自身が見知らぬ人間の為にと命を差し出せと申しだされている点である。
僕は俗にいう普通の人生というレールの上をただ歩くだけの少年である。
しかしだ、このわけのわからないこの現状のために僕は自身の存在を投げ出さなければならないというその真実と蒸し返すような室内の緊迫感、そして昔の僕に同調圧力を仕掛けてきたあの箱庭の人間たちのように彼らは、物語の上を歩いている彼らは、僕に世界の命運をかけるようなそんな話を繰り広げて、僕に助けを求めるかのように僕の力を使って欲しいと口走った。
無知な僕は、不思議で不可解で不快な力を使って僕に自分たちがどれほどまでに御都合主義視点から見られるような力を得ているのか、存分に目の前の怪物たちを倒すことによって、脳みその奥深くにくっきりと、来世にも影響がありそうなそんな力の数々を見させてもらった。
しかしながら彼らのために、この救いようがないゴミダメの世界の為にと自身の存在を差し出すのは、僕はどうしようもないほどに嫌であった。そんな考えに至る自分にさえも嫌気がさしてしまうほどに、それは拷問のようなひとときであった。
つまり僕はイエスと言わなければならない空間へと移動したのである。
僕の出した答えはイエスだった。
正直自分が主人公じゃない世界なんてこちらから狙い下げであるからだ。




