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Doom! 二丁拳銃使いのFランカー  作者: 土佐牛乳
第二章 マイ救出編

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第三十五話


「マイはTrulerのあの男と一緒だよ。今は黄金の果実への階段を登っている」


 黄金の果実? なんだそれはりんごが黄金に光っているのか?

 光っているのは作者の頭だって?

 なに若年19にして、若ハゲになってしまった作者の虚しい話をここで繰り広げたいのか?

 最近はスカルプDを購入して念入りに頭皮を磨いているらしい。

 GA文庫の締め切りが11月までという現実に逃避しながら。

 どちらもとうひに、磨きがかかっている。


 それほどまでに俺は彼女の言ってることが理解ができないでいた。

 これだけの不可解な情報を俺の頭に、ねじ込んできても、展開が速すぎて普通の読者ならとっくにシラを切って早々にこの物語にバイバイをしているだろう。

 無理があるような展開に、俺はこれから俺の人生はどうなってしまうのだろうとそんなことをひと時の間に考えてしまう。

 まあいい。



 何がいいのかは俺にはわからなかった。ここで無理やりにでも、自分を元気付けようとこのふざけた独白をぶち込んでいるのも、客観的に自分を鑑みて分かっている。このようなことを思いついているにも関わらずに俺は現実を受け入れるという余裕がなかったのだ。

 一息というのには長すぎるほどの時間の跡にこう一言。


「彼女を守るということがこの世界を守るということなんです! 先生!」


「何を言っているのだ。しかしそんなたぶらかしを誰に教えてもらったのだ?」


 誰と言える事ではなかった。なぜならあれは夢のなかの出来事であったからだ。しかしあれは真実になるのだ。


「夢で会いました。そして教えてもらいました。違う世界の…… 自分にです」


「何を言い出すかと思えば、お前はそれほどまでに嘘が下手な人間だったのか?」


 剣先生は引きつりながら笑っていた。つられて俺の周りで銃を構えていた剣先生の部下たちも笑っていた。それはそうだ。だってそれは夢の中であったものだからだ。

 その姿に俺はどうしようもなくなっていた。そして現状を変えられないという絶望に襲われながらも、それでも伝えるべきであると声に出す。


「剣先生!! 俺は!!」


「一つ真実というものを教えてやろうタスク」


 彼女は淡々と、まるでいままで隠していたものをさらけ出した。


「彼女はこの世界の住人ではない」


 事実が、彼女の中にあった彼女の中にある事実を俺に話した。

 俺は否定する。


「あなたこそ何を言っているんですか!?」


「なぜお前が、ランク祭を勝ち抜いてきたのかわかるか?」


 一瞬時がとまってしまったかのように、その場には沈黙が流れていた。そして続ける。「マイさんの現象操作の能力、その力によってお前は”死なないで”という願いで作られたクリーチャーなのだよ」


 すぐさま否定の言葉を彼女に投げかけた。


「嘘だ。俺は不死力と超再生力を持ったsn’ESPです」


「そんなものは後付けに過ぎんのだよ。それほどまでに事実を歴史を意図も簡単に変えてしまう能力、彼女の現象操作の能力は絶大ということだ」まるで昔見ていた俺という人物を見ているという目ではなく、まるで化け物を見ているような目であった。軽蔑、いいやこれは、哀れみの目だ。まるで化け物となったいとし子を守るために殺す。そんな選択肢をしている目であった。


 俺は頭が真っ白になりそうながらも、それでも……


「それこそ誰に…… 誰に教えてもらったんですか?」


「Trulerの…… 卍城王也だ」


 卍城王也…… まさか…………

 んなの無茶苦茶だ。


「彼はアダムとして目覚めた。そしてこの世界を崩壊から救い導いてくれると私は信じている」


 なんでこれだけ俺は言っているのに……

 信じてくれないんだよ先生。


 悪魔というものは人心把握能力に優れていると聞いたことがあった。

 これだけ言っていても誰も信じないのだろう。

 ならば。


「わかりました。僕はあなたたちを一刻も早く倒さなければならないのですね」


 まるで自分の役割のように、これから俺がマイを助けるということに躊躇はない。

 それが俺であり、また俺であったのだ。

 夢であった”あの俺”は、世界と対峙したと言っていたな。


 そういうことになるのならば、一個人の魂の行く先というのは、たぶんだけれど変わらないということらしい。僕という人間は、輪廻転生なんてそんなことは全くと信じないたちの人間ではあるが、しかし今こうして俺がいままで俺の関わっていた彼女という世界の一つと対峙をするという展開において、あいつの波乱万丈な人生と一緒にするわけでもなく、俺はほんとうに、魂レベルの行く先というものは変わらないと確信的に理解をした。


 むなしいというよりも、僕はどうもこの運命というものを自分ながらに理解ができないが、受け入れていたのだ。

 いいや、Trulerの手からマイを守ることによってこの世界を守るという、”あいつ”から教えてもらった真実を、誰に言っても理解ができない。いいや誰も信じることはできないだろうと分かっていたのだ。


 果たして”あいつ”が言っていたことが事実だなんて俺には、彼女を助けるということを実行しない限りわからない。

 でも”あいつ”という自分を信じるということには、俺は別に疑うわけにもいかなかった。

 なぜなら”あいつ”は、紛れもない”自分”であったからだ。たとえ住む世界が違っていても、育った環境が違っていても、培った知識が全くと違っていても、失ったものがその量が違っていても……

 しかし大切なものは、失いたくないものは”一緒”だったのだ。


 ならば、”あいつ”を信じるということは、全く持って、自分というものを信じるに値するということでもあった。それが今俺が出した答えであった。その答えというものが、これから先、どうなるかはわからない。それでも俺は、自分を信じるよ。



 ――――だって、いままで自分を信じてやってきたのだから。



 長い長い独白の跡に、俺は戦うという決意をした。

 それはつまり、いままで培ってきた関係というものを、世界のかかわりというものを全て断ち切ってしまうということなのだろう。全ては彼女を救うことだったとしても、しかしだ。俺は、彼女のためならどんなことでも。


「タスク…… お前は私の最高の教え子だった。みなの者構えろ」


 彼女の声が聞こえている気がしていた。言いや耳には入っていたが、そんなことはどうでもよかった。ただ一つ彼女らが油断しているという一点において俺は幸運であるとそう確信して……


「さよならだ。お前を……」



「ヒュドラシステム…… 始動」


 まるで次元を超越したように視界が、加速度的に変わっていくのを感じた。

 ヒュドラシステム…… それがあの旧ソウル地区でリットナー博士から得た得た一つの力。

 それはまさに鬼に金棒というのにはふさわしいものであった。


 視界の前には、とあるインタフェースが広がっていた。

 そして、頭に直接語りかけるように機械的な音声と、そして文字が目の前にうっすらと出現していた。



 ~了解、無数の頭〈ヒュドラシステム〉始動……▽


 

 ~テンプレートコンデションを体全体に展開……▽


 

 ~視界情報オールグリーン……▽


 

 ~境界線上のデータキャッシュ異常なし……▽


 

 ~思考速度限界調節オーケー……▽


 

 ~ブレインアクセス速度通常の3倍に……▽



 ~コンデションシステムからドーパミンの過剰放出指令情報を確認……▽



 ~空間把握により、視界情報と予測媒体との同調を確認……▽



 ~肉体のリミッターを解除……▽


 

 ~全て正常に作動……▽



 ~多少の人間性が失われますよろしいですか?……▽





 ~>YES< NO……▽



 ~ようこそ終わりの始まりへ……▽



 次元を超越? いやこれは時間を超越する力だ。

 この力を使えば全てのものが、100分の1の速さになってしまうものである。


 そして肉体の限界を壊す力だ。決して1日に連続して使う代物ではないとリットナー博士は言っていた。すまねえな博士約束守れそうに無いよ。



 彼らの肩の付け根、そして動脈が無く、股関節に近い骨の接続部分を打ち抜いた。



 1秒を30秒と錯覚してしまうほどに、その速度は人知を超えるスピードであった。

 彼らが倒れていく最中、俺は剣先生が、いまだにスローモーションで口を開いているところで目の前に立ち、足を止めていた。この口の動きは……


「あいs……」


 先生………… ごめんなさい。


 彼女にも同じように股関節、そして肩を打ち抜く。


 無常なる悲しみというものが、俺の背中に圧し掛かるように襲ってきた。


 そしてそれらを断ち切るようにして時は動き出す。


 彼らはまるでジェンガのように音を立てたように倒れだした。


 そしてその力の代償が俺に降りかかる。頭をこの世のものではないというくらいの激痛が走った。まるで世界を恨んでしまうかというほどに、張り裂けそうな痛みだ。



「ああああああ、ああああああああ」




 あまりの痛みに何振りかまわず俺は声を出した。再生が、徐々に始まっているのか痛みがだんだんとなくなっていく。

 視界がグニャリグニャリとまるで蛇を飼っているように動いている。

 校舎は縦に揺れ、地盤は生きているかのように蠢いている。

 しばらくしてそれらはなくなっていた。

 そして何食わぬ顔で立ち上がった。



「た、タスクううううううううううう!!」



 剣先生は身の不自由が無くなって、値を這いつきながらも、俺に向かって大声を出していた。

 その声を背後から聞き入れながらも俺は止まろうとはしなかった。絶対に止まることはできない。

 なぜなら マイが……



 ――――待っているのだから。










 尋問という形で俺は、マイの居場所を教えてもらった。

 マイは今、黄金の果実への階段、つまりは世界の果てそして世界が生まれた場所である一つの鹿児島県にある離島へといどうしていると聞いた。

 その場所は、徳之島天城、その町にそびえたつ大きな山。


 天の城と歌っているだけあり、階段という表現には心見張るものがあった。

 徳之島へは、ここからヘリで30分の場所にある。

 気候はこことは変わらず、そして、『例外』の力を持つものが多いと聞いた。

 能力者以外の人知を超える力を使う人間は、この世界に多い。


 魔法という概念を扱うものも、この島にはたくさんいるとのことだった。

 だからこそ、それこそ、マイを……


 七花高校の裏手に、剣先生たちが使っていたヘリが隠してるようにあったので、移動にはこれを使うことにした。

 ヒュドラシステムによって視界がグラグラになりながらも、ヘリのエンジンそしてメインエンジンシステムを起動させた。

 ヘリの乗り方は、ESP学園の学習カリキュラムにあったので、ある程度はわかっていたため、操作ぐらいはできていた。

 あれほど使わないと思いながらも、学習していたものが、いまここで使えるということに薄ら笑いが出てくる。

 同時にあっちでの、剣先生との特別訓練の思い出がよみがえる。空中戦闘といって彼女とヘリから落ちながら、戦ったこともあったのだ。 

 もっと別の選択肢は、このような彼女に恩をあだで返すような、選択肢ではなく、彼女ともっと話すべきであったのだろうか。

 しかし、マイの危機というが刻一刻と、近づいているのだったら……

 無駄だったのかも知れない。

 それだけに、さらに歯車にかけたように、むなしい現実が、感情が俺を襲った。


 ヘリで目的地の上空に着けばそのまま飛び降りれば間に合うだろう。

 エンジンをつけて、目的地へと始動させた。


 俺は彼女とともに過ごした地域を出た。


 20分フライトしていると、外は12時のクモ一つ無い昼間なのだというのに、しかし、何かが起こってしまうのではないのだろうかというくらいに、その明るさは、異常のものとなっていた。

 まるで、不吉を匂わせるように、薄暗い夕暮れとなっていたのだ。

 太陽は真上にあるのにも関わらず、空気は、風は、相殺されたようにまったくと無くなっていた。何かが始まるというのには、誰もが口を揃えて言ってしまいそうなくらいに、絶妙な空気が漂っていたのだ。

 そして天の階段、天城岳と思われる島影がうっすらと見えてきた。

 まるで世界の終わりという絶望的な雰囲気を醸し出しているこの島、そしてこの異常現象。全ての終わりはここで始まり、そして全ての始まりはここであるのだという絶対的な存在感がこの島全体から漂っていた。

 能力者のオーラとはまた一味も違うような、異様な光景が広がっているのが、一つの山でその漆黒の光を放ちながら大きな要塞のようなものが大きく、待ち構えていたといわんばかりに、仁王立ちで立っているかのように構えていた。

 あの中にマイが……


 空気は、ちりちりと、誰振りかまわず刺し殺してしまいそうなほどの殺意があった。













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